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69話
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「ん…」
「おはよう蛍様、身体大丈夫っすか?倦怠感とか違和感とか。」
朝日が差し込む俺の部屋。目を覚ましてはじめに見たのは妖艶に微笑む蜂須賀だった。
気遣う言葉に、何のことだと思い返してみると、昨夜の出来事と共に尻の違和感を感じて顔が熱い。
「途中で、蛍様意識飛んじゃったっすけど最後まではしてないんで安心してください。昨日は気持ちイイことだけしたっすよ。」
艶めかしい目つきで見つめていたかと思えば、俺の額にキスをする。チュッと軽いリップ音が聞こえたと思えば、次にキスされたのは唇にだった。
当たり前のように舌を侵入させ、俺の口内は蹂躙される。
此方としても呼吸はできるようになったが、舌の扱いが分からずされるがままになってしまう。
起き抜けは口の中が雑菌だらけだと聞くしあまりやって欲しくはないのだが、ここで拒否してもな。
満足したのか、舌を抜きとって離れていく蜂須賀を眺めつつ、今は何時なのかと考える。
アラームは鳴っていないはずだから8時前だろう。
「蛍様の惚け顔を見ていいのは俺だけっすよね?」
その言葉の意味を理解したのは、蜂須賀の瞳に写る俺の表情を見てしまったとき。
顔を赤らめ、涙目でだらしなく口を開け舌を伸ばしているそれは、まるで発情しているかのような……
「嘘だろ……」
「蛍様は気持ちいいときはいつもこの顔を向けてくれるんすよ。」
あんな顔をしていたなんて、とてもじゃないが受け入れられない。
恥ずかしすぎる!
不貞寝をしたいが、夕方に蜂須賀は帰る。
そのことを思い出して、とりあえず蜂須賀に背を向けてベッドから降りる。
「ところで、本当に1泊で良かったのか?」
クローゼットを開き、服を取り出しつつ疑問をぶつける。
いつもの蜂須賀なら1泊で済まないと思っていたのだが、今回はなぜかそう提案してきた。
「来週は海も行くし、十分っす。蛍様との未来のために…俺頑張るっすね!」
背後から聞こえてくる元気な声。未来のためということは、資格勉強とかか?
寝間着からシャツとズボンに着替える。ばさっという音が聞こえるから、蜂須賀もベッドから出て着替えを始めたのだろう。
その間に、時間を確認するため時計に目を向けると、針は8時半を示している。
「アラーム鳴ってないよな?」
寝ぼけて止めたか、つけ忘れか。
しかし、朝食に呼びにこなかったのも気になる。
考えていても仕方ない。
残り物がなければ、軽く何か作ろう。
「蛍様、俺行きたいとこあって案内して欲しいっす!」
「そうか、なら荷物を駅に預けてからだな。いやまずは朝食か。」
着替えも終わり、部屋から出ようとドアノブに手をかけると階段のほうから足音が聞こえてくる。
「兄貴!!」
慌てて駆け寄ってくる嵐雪が俺に抱きついてくる。
「無事?!」
蜂須賀から距離を取らされ、嵐雪の目の前でターンさせられる。
真剣な表情で見つめてくる嵐雪は、俺の両腕を掴み声を大にして言った。
「兄貴の尻!ヤられてないよね!」
「朝からなんてことを言ってるんだ!」
「おはよう蛍様、身体大丈夫っすか?倦怠感とか違和感とか。」
朝日が差し込む俺の部屋。目を覚ましてはじめに見たのは妖艶に微笑む蜂須賀だった。
気遣う言葉に、何のことだと思い返してみると、昨夜の出来事と共に尻の違和感を感じて顔が熱い。
「途中で、蛍様意識飛んじゃったっすけど最後まではしてないんで安心してください。昨日は気持ちイイことだけしたっすよ。」
艶めかしい目つきで見つめていたかと思えば、俺の額にキスをする。チュッと軽いリップ音が聞こえたと思えば、次にキスされたのは唇にだった。
当たり前のように舌を侵入させ、俺の口内は蹂躙される。
此方としても呼吸はできるようになったが、舌の扱いが分からずされるがままになってしまう。
起き抜けは口の中が雑菌だらけだと聞くしあまりやって欲しくはないのだが、ここで拒否してもな。
満足したのか、舌を抜きとって離れていく蜂須賀を眺めつつ、今は何時なのかと考える。
アラームは鳴っていないはずだから8時前だろう。
「蛍様の惚け顔を見ていいのは俺だけっすよね?」
その言葉の意味を理解したのは、蜂須賀の瞳に写る俺の表情を見てしまったとき。
顔を赤らめ、涙目でだらしなく口を開け舌を伸ばしているそれは、まるで発情しているかのような……
「嘘だろ……」
「蛍様は気持ちいいときはいつもこの顔を向けてくれるんすよ。」
あんな顔をしていたなんて、とてもじゃないが受け入れられない。
恥ずかしすぎる!
不貞寝をしたいが、夕方に蜂須賀は帰る。
そのことを思い出して、とりあえず蜂須賀に背を向けてベッドから降りる。
「ところで、本当に1泊で良かったのか?」
クローゼットを開き、服を取り出しつつ疑問をぶつける。
いつもの蜂須賀なら1泊で済まないと思っていたのだが、今回はなぜかそう提案してきた。
「来週は海も行くし、十分っす。蛍様との未来のために…俺頑張るっすね!」
背後から聞こえてくる元気な声。未来のためということは、資格勉強とかか?
寝間着からシャツとズボンに着替える。ばさっという音が聞こえるから、蜂須賀もベッドから出て着替えを始めたのだろう。
その間に、時間を確認するため時計に目を向けると、針は8時半を示している。
「アラーム鳴ってないよな?」
寝ぼけて止めたか、つけ忘れか。
しかし、朝食に呼びにこなかったのも気になる。
考えていても仕方ない。
残り物がなければ、軽く何か作ろう。
「蛍様、俺行きたいとこあって案内して欲しいっす!」
「そうか、なら荷物を駅に預けてからだな。いやまずは朝食か。」
着替えも終わり、部屋から出ようとドアノブに手をかけると階段のほうから足音が聞こえてくる。
「兄貴!!」
慌てて駆け寄ってくる嵐雪が俺に抱きついてくる。
「無事?!」
蜂須賀から距離を取らされ、嵐雪の目の前でターンさせられる。
真剣な表情で見つめてくる嵐雪は、俺の両腕を掴み声を大にして言った。
「兄貴の尻!ヤられてないよね!」
「朝からなんてことを言ってるんだ!」
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