世話焼き風紀委員長は自分に無頓着

二藤ぽっきぃ

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50話:目黒環 ※

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「くぅ……うあっそこ。」

「気持ちいい?環ちゃん。」

「そこで喋らないでくださいっ…」

どのくらい経った…数分なのか数時間なのかわからない。頭が正常じゃない。

ずっとフェラをされてる。
しかもイかないように根本を握られている。
おいしい訳がないのに、うまそうに咥えて、時折視線をこちらに向け、見せつけるように舐める。

「西條先輩…もう…」

「あ、待って。舐めるのに夢中で準備してないから、もうちょっとだけ。」

根本を押さえたまま、顔を離し、徐ろに自分のズボンと下着を脱ぎベッドの下に落とす。
そして空いている方の手の指を舐め始めた。
唾液をたっぷり絡め、テラテラとしている指、掌にも口に含めた唾液を垂らし、そのまま露わになった自身の尻へと持っていく。

「んっ…すぐ済むから…大丈夫。ちゃんと綺麗にしてきたから…」

目の前で後孔を解し始めた光景。
向かい合った状態、手を後ろに回し解しているため、表情しかわからない。
グチュグチュと聞こえる音に、僕の理性は完全に切れた。

「何1人でしようとしてるんですか?」

いくら誘い受けだからって、拡げるのまでするなんて、このままヤったとしても僕はディルド扱いじゃないか。

中指と薬指を唾液で湿らせ、西條先輩の後孔に指を這わせる。

「えっ!た、環ちゃんはしなくていいって!これは俺に襲われたってことにすればいいの!」

「ここまでされて、黙って見てられるわけないでしょ。私はディルドじゃないですよ?ほらどこが気持ちいいんですか…」

知識からすると、第2関節まで入れて曲げた辺りに前立腺があるはず……コリっとしたのがあるけどこれか?

「んんっやぁ!環ちゃっ…そこ、はぁっん。」

息が上がって嬌声のような声が寝室に響く。
解しつつ、前立腺を刺激し指を動かすとそれに合わせて声が漏れている。

「イっく…イクからぁ…やだやだ待って環ちゃん!」

「イっていいですよ。ほら。」

グリッと前立腺を押すと、西條先輩の身体がビクビクッと痙攣したかと思えばシーツに白濁が飛び散っていた。

「やだって言ったのに……もー!」

離れていきシーツを頭から被って殻に閉じこもって、しまいには泣き出した西條先輩。

襲われたの僕の方だよな?何で泣かれてんの?

「あーすみません。泣いてちゃ分からないので、西條先輩の可愛いお口で教えてくれませんか?」

そろっとシーツから顔を覗かせる涙でぐしゃぐしゃの西條先輩。
ちなみに言うけど、僕のはまだ臨戦状態のためどうにかしたい。

「……環ちゃんのでイきたかったのに。絶好のチャンスだったのに……もう抱いてもらえない。」

つまり、処女(推定)をもらって欲しかったと?

「ここまできたら私だって男なので、据え膳はもらいますけど……くれないんですか?西條先輩の処女。」

本気で嫌なら萎えるって。
聳り立つ自身を西條先輩がチラリと見たのが分かる。嬉しそうにシーツから出てきて、近づき僕のを跨ぐようにして後孔に先端を合わせる。

「挿れて、環ちゃんのがほしいの。俺の処女貰って。」

「後ろからの方が痛みは少ないそうですけど…」

「顔みたいから、このまま。」

今にも腰を落としそうな西條先輩だが、このままだと滑りが悪いし中が傷ついてしまうかも知れない。
一旦太腿に座らせて、どうせ持ってきているだろうローションの所在を尋ねる。

「ローションは?」

「環ちゃんが出してるソレで十分じゃない?」

「馬鹿ですか、切れますよ。」

「…ズボンのポッケにあるよ。」

ベッド下に脱ぎ捨てられた西條先輩のズボンから小型のローションを俺自身と西條先輩の中に仕込む。

「ゴムはしないからね。俺の中に出してよ。」

対面座位でゴムをせず、ゆっくりと腰を下ろしてくる西條先輩。
伝わってくる初めての感覚に腰が引ける。
熱く、うねって僕のを包み込み、離さないとばかりに締め付けてくる。

「あっ…はぁん…おっき…」

耳元の喘ぎ声、下ろしていた腰を止めて暫く休憩をしている西條先輩が僕に身体を預けている。

思ったよりもキツイ。
もどかしい、動きたいが、大変なのは受け入れる側だ。我慢しなくてはいけない…が、待ちに待った自身への刺激は耐えられそうにない。

「西條先輩、すみません動きます。」

「んっ深いぃ…やっ、あっ!あっんん…はぁっ!」

んー座位って動きづらいな。
気持ちいいんだけど、動きが制限されて…でも初めての他人の中。

「環ちゃん、気持ちい?俺の中気持ちい?」

「ええ、最高ですよ。」

ズチュッバチュッと水音や肌がぶつかる音、卑猥な音と熱の篭った吐息、出てしまう喘ぎ声。

余計なことは考えられない。頭にあるのはただ目の前の男をイかせることだけ。
イイトコロを狙って腰を動かすと、きゅっと締めてくる。
腰を撫でたり、首筋を指でなぞってみたりもする。
遊んでいた割に綺麗な色の西條先輩自身も扱いて、先端を引っ掻いたり。
合間にキスをしたりと本能のままに動く。

「環ちゃんイく、イっちゃう!」

「いいですよ…イってください。」

「あぁ!やあぁぁ…んん!はうっ!」

「くっ……はぁはぁ。」

びくびくと中が痙攣し、搾り取られる感覚の後、果てる。

「へへ、俺でイってくれた…」

達したばかりで、2人して脱力しベッドボードに凭れる。
僕の首に顔を置いていた西條先輩は離れ、顔を向き合い幸せそうに言った。

「環ちゃん、好きだよ。」

「順番違いませんか?はー萌え殺す気かよ。」

直視できなくて目を覆う。
現実を見よう。僕の童貞を捧げた相手は男。顔がタイプで、キャラ的にも最高で、理想の攻めを勝手に妄想してた。

その相手が僕だなんて思う訳ないだろ!

「別に環ちゃんは気にしなくていいよ、俺が好きなだけ、これからもずっと。側にいたいだけ。」

相手の気持ちを望まないなんて…どこまで不憫受けなんだ。

「……1つ試したいことがあるので、やらせてもらいますよ。」

西條先輩の背中から腰にかけてと膝裏に手を差し込み持ち上げる。
持ち上がった…姫抱っこ…

「ちょっとこれは、恥ずかしいよ…」

両手で隠している顔は隙間から赤く染まっているのが見えている。

「付き合いましょう。ついでにこのままお風呂行きましょうね。中の掻き出さないとですし。」

「え?え?今大事なこと言わなかった?付き合う?」

寝室を出てすぐの浴室に、姫抱っこをしたまま連れて行く。
さらっと告げた交際宣言に目を白黒させている西條先輩を愛しいと思う。

解釈違いの悩み、姉さんと受けの見解に意見が割れていたが解決策が出た。

攻めが見つからないなら、僕がなればいい、か。
妙にしっくりくる。流石姉さん。

「好きですよ辰也さん。貴方の全てが愛しいです。」

一線越えるまで気づかなかった僕を許してください。
その意味を込めて、額にキスを落とす。

2人で風呂を浸かり、その日はお泊まりになった。せっかくだからと読みたがる辰也さんにおすすめのBL漫画を貸す。

オタクに理解ある恋人、最高か。

姉さんにとって良い報告になりそうだな。
夏期休暇中は実家に住んでもらおう。

「環ちゃん、これの続きどこ?」
「こっちにありますよ。」

隣で漫画を読んでいる可愛い恋人のために、西條家を潰そう。
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