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第二部 Qちゃんが出会った、佳き人々
敬老会にて
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敬老会で私はQちゃんにどうしてもしてほしいことがあった。歌を歌うことである。
「後半のカラオケにご参加くださる方は、お近くの係りの方にお申し込み下さい」
私はかねてから準備したとおり「Qちゃん、歌を歌いますよ。何がいい?花笠道中でいい?」
とQちゃんに言った。
7月にQちゃんは入院した。お医者さんは心不全であり、心臓は治っても、もとの生活は無理かもしれません、と言った。私はそれを受け入れることができなかった。
寝たきりのQちゃんを起こして、Qちゃんに着けられた3本の管に注意しながらベッドの横に座らせ、私はQちゃんの耳元で、歌を歌った。Qちゃんが大好きな歌を一日も欠かさず歌うことがあたかも義務であるかのように、私は毎日歌った。Qちゃんも小さな声で続いてくれた。
「おーいら、みーさきのー、とうだいもーりーはー」
「ほうちょういーっぽん さらしにまーいーてー」
「かーつとおもおーなー おもえば まけーよー」
「これこれー いーしの じぞうさーん」
Qちゃんの歌う声が日一日と大きくなる、それをただ願った。
なぜ、歌ってほしいのか?復活したQちゃんの姿をたくさんの人の前で確認したかった?こんなに元気になりました……と。だれも病気のことは知らないのに、なぜ、そう思うのだろう……。
「では、最初に歌っていただくのは102歳のおばあちゃん、H(Qちゃん)さんです。曲は花笠道中」
出だしは聞こえなかった。マイクを口のそばいっぱいに近づけると、大きな声が響き渡った。どよめきが起きた。
心配がなかったわけではない。我が家で歌うときは、カラオケではなく、歌も入っている。カラオケで歌うのははじめてである。歌詞が分からなくて歌えないかもしれない。しかし、いざとなったら、すぐそばで一緒に歌えば、何とかなる、と考え、不安は消えた。
実際はその必要はなかった。迷いなくQちゃんの歌が続く。マイクが口元から離れないようにマイクを支えればよかった。
Qちゃんが歌い終わると、会場は拍手と喝采に包まれた。
嬉しかった。全ての過去が洗い流されていく。
Qちゃんは、いつものように、頭を何度もさげ、拍手に応えていた。
「後半のカラオケにご参加くださる方は、お近くの係りの方にお申し込み下さい」
私はかねてから準備したとおり「Qちゃん、歌を歌いますよ。何がいい?花笠道中でいい?」
とQちゃんに言った。
7月にQちゃんは入院した。お医者さんは心不全であり、心臓は治っても、もとの生活は無理かもしれません、と言った。私はそれを受け入れることができなかった。
寝たきりのQちゃんを起こして、Qちゃんに着けられた3本の管に注意しながらベッドの横に座らせ、私はQちゃんの耳元で、歌を歌った。Qちゃんが大好きな歌を一日も欠かさず歌うことがあたかも義務であるかのように、私は毎日歌った。Qちゃんも小さな声で続いてくれた。
「おーいら、みーさきのー、とうだいもーりーはー」
「ほうちょういーっぽん さらしにまーいーてー」
「かーつとおもおーなー おもえば まけーよー」
「これこれー いーしの じぞうさーん」
Qちゃんの歌う声が日一日と大きくなる、それをただ願った。
なぜ、歌ってほしいのか?復活したQちゃんの姿をたくさんの人の前で確認したかった?こんなに元気になりました……と。だれも病気のことは知らないのに、なぜ、そう思うのだろう……。
「では、最初に歌っていただくのは102歳のおばあちゃん、H(Qちゃん)さんです。曲は花笠道中」
出だしは聞こえなかった。マイクを口のそばいっぱいに近づけると、大きな声が響き渡った。どよめきが起きた。
心配がなかったわけではない。我が家で歌うときは、カラオケではなく、歌も入っている。カラオケで歌うのははじめてである。歌詞が分からなくて歌えないかもしれない。しかし、いざとなったら、すぐそばで一緒に歌えば、何とかなる、と考え、不安は消えた。
実際はその必要はなかった。迷いなくQちゃんの歌が続く。マイクが口元から離れないようにマイクを支えればよかった。
Qちゃんが歌い終わると、会場は拍手と喝采に包まれた。
嬉しかった。全ての過去が洗い流されていく。
Qちゃんは、いつものように、頭を何度もさげ、拍手に応えていた。
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