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第七章 王太子の偏愛 王国騎士団 & 王国民
16・王太子は偏愛する
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御前試合から一夜明けても王都は活気に満ちていた、働く人々の顔は輝いている。
それを眺めるメイヴィスも嬉しくなる、彼はギガの腕輪で姿を変えて市井を闊歩していた。
商店街を歩いているとグリードの絵姿が幾つも目に飛び込んで来る、現在のグリードや少し前のグリード、種類の多さで彼の人気ぶりが如実に分かる。
…特別試合は大成功だったな、予選を中止する為の苦肉の策だったが、結果として例年よりも盛り上がった…
「皆いい表情をしている」
明るく元気に働く庶民達の姿を見たメイヴィスは、あと少しで国王になる自身を律する。
……彼等の笑顔を曇らせる事なく平和で幸せに暮らせる国にしなくては……
暫く歩くとメイヴィスはある宿屋に入り、目的の部屋へ向かった、扉の前に居た浅黒い肌の男が立ちはだかる。
「お前は誰だ、ここに何の用で来た」
「黒鷲に金獅子が会いに来たと告げてくれ」
浅黒い肌の男は胡散臭げにメイヴィスを見たが、確認する為に一旦部屋へ入って行った。少しの間が有り、部屋の扉が開いて中へ招かれる。
「暫く会わない間にボンヤリした顔になったもんだな、金獅子」
部屋の中央にいたのはメイヴィスより少し年上の男だ。黒紺色の髪と瞳を持つ彼がメイヴィスの姿を皮肉った、メイヴィスは腕輪の魔力を遮断して本来の姿を見せる。
「直截だな、会えて嬉しいよ、黒鷲」
「俺たちを足留めしておいて何を言う」
黒鷲と呼ばれた黒紺色の髪と瞳の男が憎々しげに呟き、メイヴィスを睨む。
「君がさっさと逃げ出そうとするからだ、まさかこの国でも仕事をするとは思わなかったよ」
メイヴィスの瞳は凍えるほど冷ややかだ。黒鷲はバツが悪そうに顔を背けて言い返す。
「あれは俺の指示じゃ無い、一部の奴らが勝手に動いただけだ」
その発言を聞いたメイヴィスの彼を見る瞳が更に冷ややかなものになる。
「君は自分の部下の統率も取れないのか、それとも部下の質が悪いのか?」
痛烈な言葉を受けた黒鷲は、メイヴィスの冷ややかな眼を真っ直ぐ見返して、はっきりとした口調で告げた。
「あいつらは勝手について来ているだけで俺の部下じゃ無い、俺の部下は今この部屋に居る人間だけだ」
メイヴィスと黒鷲は互いに睨み合っていたが、メイヴィスが先に気を緩めた。
「非友好的な物言いをして悪かった、黒鷲、君の真意を確認したかった」
メイヴィスは黒鷲の対面に位置するソファに勝手に座った、黒鷲は片眉をあげて抗議を示しメイヴィスに問う。
「いつから俺達がこの国にいる事を知っていた?」
「御前試合の予選が始まった頃かな、多くの他国民が宿泊していると情報が入り、探りを入れたら君らを見つけた、その後は密かに見張っていた」
「結構前だな、何故接触してこなかった」
自分達の動向が見張られていたと知り、黒鷲は不満そうだ。
「単なる通過点として入国して、何事も無く出て行くのなら、会わない方がいいだろう?」
メイヴィスは黒鷲を見る、ダルトンによく似た容貌を持つ彼は、メイヴィスよりも余程ダルトンの兄弟に見える。
「こちらの動向を把握していたなら、お前が手を打てば良かっただろう、そうすればアルジオン家の悲劇も防げた筈だ」
黒鷲にしてみれば、俺を責めるのはお門違いだと言いたいのだろうが、そもそもメイヴィスは計画を止める気など更々なかった。
「目障りな毒花がいてね、私の婚約者に敵意を持ち、弟に過度な執着心を抱いていた、アレを排除するのに都合が良かったから、君達の計画を利用させて貰ったよ」
淡々と語るメイヴィスには怒りや悲しみなど、伯爵が死んだ事に対する感情は何も無い。
「みすみす貴族を一人死なせたんだぞ、何とも思わないのか?」
黒鷲はメイヴィスの様子を訝しむ、自国の貴族が襲われたというのに、感情の揺れが無さすぎる。
「特には無い、民や私が愛する者達を苦しめる害悪を排除して何が悪い、私はただ是正しただけだ」
…それに今回はかなり穏便に排除したのだ、計画を修正して毒花には今より過酷で屈辱的な運命を与える事も出来たのだから…
「取り敢えず、我が国で手に入れた物は返せと言いたい所だが、アルジオン家に関しては不問にしよう、もう出国してもいいぞ」
メイヴィスは出国を許可する書類を机の上に置いた、そしてここに来る途中で買ったダルトンの絵姿をその上に置く。
「これをサッシャ殿に渡してくれ、ダルトンが二十歳になった記念に作った物だ」
「叔母上に良く似ている」
絵姿を手に取ってじっくり眺めていた黒鷲がポツリと呟いた、その呟きにメイヴィスが答える。
「ああ、従兄弟の君にも良く似ている」
ダルトンは何も知らないが、黒鷲はダルトンの従兄弟で滅亡した王家の血を引いている。
メイヴィスは幼いダルトンに会いに離宮に行った時、アスランと数回会った事がある。名前を尋ねたら黒鷲と呼ぶように言われたので、今もそう呼んでいる。
子供の頃は知らなかったが、ダルトンの母親サッシャも王族の出身で、踊り子に身をやつして周囲の目を欺いていた、出奔したのもダルトンを亡霊共から護る為だ。
「君の事はどうでも良いが死ぬなよ、君が死んだら亡霊どもがダルトンに群がる」
アスランの周りには亡国の再興を願う者達が付き纏っている、彼は滅亡当時の王太子の一人息子で、王太子が亡くなった今は唯一の正当な後継者だからだ。
「俺の心配では無くダルトンの心配か」
多少は気にして欲しかったのか、黒鷲がフンっと鼻を鳴らして拗ねる。
「当たり前だ、何故君の心配をせねばならない、私には関係のない事だ」
「お前は愛情の範囲が狭いな、だがそうなった時にはダルトンを護ってくれるんだろう?」
「当たり前だ、大切な弟だからな」
「お前がアイツの兄で良かったよ、久し振りに話せて叔母上にも土産が出来た、いつかまた会おう、金獅子」
長らく足留めされていた黒鷲は、出国許可証を手に取ると、早々に部下達と部屋を出て行った、メイヴィスも王城へ戻るべく部屋を後にする。
アスランの取り巻きが広域窃盗団の一味らしいと気付いたのは、彼等がアルジオン家の復讐計画を練り始めた時だ、アスランが関係していないと知れたのは良かった。
彼等を捕まえても計画立案だけでは裁ける法が無い、それに悪徳貴族を排除出来る良い機会でもあり、メイヴィスは暫く監視をするだけに留めた。
犯罪計画は思ったより良く出来ていて、伯爵以外の死傷者を出さない点も、計画を止めなかった理由の一つだ。
…今回はダルトンに害をなす毒花を上手く排除出来た、可愛い異母弟達に手を出す奴らは容赦しない…
やはり私の愛情は偏りが激しいようだ。だが、王国民に対する広くて浅い愛情も、身内や周囲の人々への狭くて深い愛情も、どちらも愛情には違いない。
アスラン達が次に向かったのはジュール王国か、あそこにはロランとジャスティンが居る、二人も狭くて深い愛情の対象者だ。
…念の為、ロランとジャスティンに窃盗団の忠告をしておくか…
執務室に戻ったメイヴィスは、街で買った絵姿を机上に飾り通信用の魔導具を取り出す。
ロランを呼び出して応答する迄の間、メイヴィスは絵姿を眺めて待った。
満足気に微笑むメイヴィスを、絵姿のグリードが静かに見ていた。
ー 王太子の偏愛 完 ー
それを眺めるメイヴィスも嬉しくなる、彼はギガの腕輪で姿を変えて市井を闊歩していた。
商店街を歩いているとグリードの絵姿が幾つも目に飛び込んで来る、現在のグリードや少し前のグリード、種類の多さで彼の人気ぶりが如実に分かる。
…特別試合は大成功だったな、予選を中止する為の苦肉の策だったが、結果として例年よりも盛り上がった…
「皆いい表情をしている」
明るく元気に働く庶民達の姿を見たメイヴィスは、あと少しで国王になる自身を律する。
……彼等の笑顔を曇らせる事なく平和で幸せに暮らせる国にしなくては……
暫く歩くとメイヴィスはある宿屋に入り、目的の部屋へ向かった、扉の前に居た浅黒い肌の男が立ちはだかる。
「お前は誰だ、ここに何の用で来た」
「黒鷲に金獅子が会いに来たと告げてくれ」
浅黒い肌の男は胡散臭げにメイヴィスを見たが、確認する為に一旦部屋へ入って行った。少しの間が有り、部屋の扉が開いて中へ招かれる。
「暫く会わない間にボンヤリした顔になったもんだな、金獅子」
部屋の中央にいたのはメイヴィスより少し年上の男だ。黒紺色の髪と瞳を持つ彼がメイヴィスの姿を皮肉った、メイヴィスは腕輪の魔力を遮断して本来の姿を見せる。
「直截だな、会えて嬉しいよ、黒鷲」
「俺たちを足留めしておいて何を言う」
黒鷲と呼ばれた黒紺色の髪と瞳の男が憎々しげに呟き、メイヴィスを睨む。
「君がさっさと逃げ出そうとするからだ、まさかこの国でも仕事をするとは思わなかったよ」
メイヴィスの瞳は凍えるほど冷ややかだ。黒鷲はバツが悪そうに顔を背けて言い返す。
「あれは俺の指示じゃ無い、一部の奴らが勝手に動いただけだ」
その発言を聞いたメイヴィスの彼を見る瞳が更に冷ややかなものになる。
「君は自分の部下の統率も取れないのか、それとも部下の質が悪いのか?」
痛烈な言葉を受けた黒鷲は、メイヴィスの冷ややかな眼を真っ直ぐ見返して、はっきりとした口調で告げた。
「あいつらは勝手について来ているだけで俺の部下じゃ無い、俺の部下は今この部屋に居る人間だけだ」
メイヴィスと黒鷲は互いに睨み合っていたが、メイヴィスが先に気を緩めた。
「非友好的な物言いをして悪かった、黒鷲、君の真意を確認したかった」
メイヴィスは黒鷲の対面に位置するソファに勝手に座った、黒鷲は片眉をあげて抗議を示しメイヴィスに問う。
「いつから俺達がこの国にいる事を知っていた?」
「御前試合の予選が始まった頃かな、多くの他国民が宿泊していると情報が入り、探りを入れたら君らを見つけた、その後は密かに見張っていた」
「結構前だな、何故接触してこなかった」
自分達の動向が見張られていたと知り、黒鷲は不満そうだ。
「単なる通過点として入国して、何事も無く出て行くのなら、会わない方がいいだろう?」
メイヴィスは黒鷲を見る、ダルトンによく似た容貌を持つ彼は、メイヴィスよりも余程ダルトンの兄弟に見える。
「こちらの動向を把握していたなら、お前が手を打てば良かっただろう、そうすればアルジオン家の悲劇も防げた筈だ」
黒鷲にしてみれば、俺を責めるのはお門違いだと言いたいのだろうが、そもそもメイヴィスは計画を止める気など更々なかった。
「目障りな毒花がいてね、私の婚約者に敵意を持ち、弟に過度な執着心を抱いていた、アレを排除するのに都合が良かったから、君達の計画を利用させて貰ったよ」
淡々と語るメイヴィスには怒りや悲しみなど、伯爵が死んだ事に対する感情は何も無い。
「みすみす貴族を一人死なせたんだぞ、何とも思わないのか?」
黒鷲はメイヴィスの様子を訝しむ、自国の貴族が襲われたというのに、感情の揺れが無さすぎる。
「特には無い、民や私が愛する者達を苦しめる害悪を排除して何が悪い、私はただ是正しただけだ」
…それに今回はかなり穏便に排除したのだ、計画を修正して毒花には今より過酷で屈辱的な運命を与える事も出来たのだから…
「取り敢えず、我が国で手に入れた物は返せと言いたい所だが、アルジオン家に関しては不問にしよう、もう出国してもいいぞ」
メイヴィスは出国を許可する書類を机の上に置いた、そしてここに来る途中で買ったダルトンの絵姿をその上に置く。
「これをサッシャ殿に渡してくれ、ダルトンが二十歳になった記念に作った物だ」
「叔母上に良く似ている」
絵姿を手に取ってじっくり眺めていた黒鷲がポツリと呟いた、その呟きにメイヴィスが答える。
「ああ、従兄弟の君にも良く似ている」
ダルトンは何も知らないが、黒鷲はダルトンの従兄弟で滅亡した王家の血を引いている。
メイヴィスは幼いダルトンに会いに離宮に行った時、アスランと数回会った事がある。名前を尋ねたら黒鷲と呼ぶように言われたので、今もそう呼んでいる。
子供の頃は知らなかったが、ダルトンの母親サッシャも王族の出身で、踊り子に身をやつして周囲の目を欺いていた、出奔したのもダルトンを亡霊共から護る為だ。
「君の事はどうでも良いが死ぬなよ、君が死んだら亡霊どもがダルトンに群がる」
アスランの周りには亡国の再興を願う者達が付き纏っている、彼は滅亡当時の王太子の一人息子で、王太子が亡くなった今は唯一の正当な後継者だからだ。
「俺の心配では無くダルトンの心配か」
多少は気にして欲しかったのか、黒鷲がフンっと鼻を鳴らして拗ねる。
「当たり前だ、何故君の心配をせねばならない、私には関係のない事だ」
「お前は愛情の範囲が狭いな、だがそうなった時にはダルトンを護ってくれるんだろう?」
「当たり前だ、大切な弟だからな」
「お前がアイツの兄で良かったよ、久し振りに話せて叔母上にも土産が出来た、いつかまた会おう、金獅子」
長らく足留めされていた黒鷲は、出国許可証を手に取ると、早々に部下達と部屋を出て行った、メイヴィスも王城へ戻るべく部屋を後にする。
アスランの取り巻きが広域窃盗団の一味らしいと気付いたのは、彼等がアルジオン家の復讐計画を練り始めた時だ、アスランが関係していないと知れたのは良かった。
彼等を捕まえても計画立案だけでは裁ける法が無い、それに悪徳貴族を排除出来る良い機会でもあり、メイヴィスは暫く監視をするだけに留めた。
犯罪計画は思ったより良く出来ていて、伯爵以外の死傷者を出さない点も、計画を止めなかった理由の一つだ。
…今回はダルトンに害をなす毒花を上手く排除出来た、可愛い異母弟達に手を出す奴らは容赦しない…
やはり私の愛情は偏りが激しいようだ。だが、王国民に対する広くて浅い愛情も、身内や周囲の人々への狭くて深い愛情も、どちらも愛情には違いない。
アスラン達が次に向かったのはジュール王国か、あそこにはロランとジャスティンが居る、二人も狭くて深い愛情の対象者だ。
…念の為、ロランとジャスティンに窃盗団の忠告をしておくか…
執務室に戻ったメイヴィスは、街で買った絵姿を机上に飾り通信用の魔導具を取り出す。
ロランを呼び出して応答する迄の間、メイヴィスは絵姿を眺めて待った。
満足気に微笑むメイヴィスを、絵姿のグリードが静かに見ていた。
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