【R18】傲慢な王子

やまたろう

文字の大きさ
上 下
43 / 88
第五章 王太子の愛情 メイヴィス×シャーロット❷

4・西の辺境伯ザカリー

しおりを挟む
 西の辺境伯ザカリーは執事から受け取った封書の中身を見てぼやいた。


「今回の聖女の巡回治癒に王太子もついて来る事になったらしい、聖女だけでも面倒なのに困った事になったな」


「ああ、あの顔だけが取り柄の王太子ですか、力もない名前だけの雷帝」 


 かつては盗賊の頭領で今はザカリーの元で働く男ガラムがメイヴィスを馬鹿にする。だがザカリーはあの王太子がそれほど間抜けな人間だとは思っていない。

「今までの雷帝はすげえ派手な話が多かったのに、アイツにはそんな話は一つも無い、本当は雷帝の力なんか持って無いんじゃ無いかって噂もある」


「そんな噂を信じてあの男を侮るな」


 確かにメイヴィスが雷帝の力を使う所を見た事はないし使ったと云う噂も聞かない。だが彼を取り巻く人々や近隣諸国の王族まであの王太子を崇拝している、雷帝の力はともかく彼等を魅了するカリスマ性だけは本物なのだ。


「旦那様、他にご用はございますか?」


 封書を届けた黒髪黒目で痩せぎすな男がザカリーに声を掛けてきた、最近入った代理執事で確か名前はマオだ。


「もう良い、何かあったら呼ぶから下がれ」


「はい、かしこまりました。では失礼致します」


 長年働いた執事が1ヶ月程邸を空ける事になり、その間を埋めるだけの代理執事だが、マオは思ったより使える男だった。ザカリーは元の執事を解雇してマオをそのまま雇ってもいいとさえ考えていた。


 マオが退室しようとした時、入れ違いに金髪碧眼の美女が部屋に入って来る。


「あらマオ、もう用事は終わったの?」


 プリシラはマオの襟をそっと直して胸に手を這わせると、意味ありげにマオを見る。


「はいプリシラ様、旦那様の命で部屋から下がるところです」


 プリシラは王都の娼館から身請けされたザカリーの情婦だ、マオは顔を赤くしてそそくさと部屋を出ていった。


「プリシラ、マオを揶揄うな」


 ザカリーは使用人にコナをかけるプリシラを咎める、ザカリーは誰彼構わず色目を使うプリシラにうんざりしていた。


「あら旦那様、嫉妬して下さるのかしら?、嬉しいわ」


 プリシラは椅子に座るザカリーに後ろから抱きついて、豊満な胸を押し付ける。ザカリーは椅子から立ち上がってプリシラを抱き寄せて彼女の胸に顔を埋めた。

 ・・・娼館あがりだから股が緩いのは我慢するか、この体と性技は最高だからな・・・・


 ザカリーがプリシラの胸を揉んで夢中になっている時、プリシラはガラムを見て微笑む、そしてガラムもプリシラを見てニヤリと笑って部屋を後にした。

 二人の思わせぶりな遣り取りに気付かないザカリーは隣室へプリシラを引き込むと、寝台へ寝そべり奉仕を要求した。


 プリシラはザカリーの股間に顔を埋めて彼のモノを舐めてしゃぶる。彼女が王都の娼館で人気があったのは美貌とこの性技があったからだ。


 暫く奉仕をしてザカリーのモノが勃つと、その上に跨がって蜜壺へ受け入れた、そして腰をふってザカリーを追い詰める。


「あぁ、あぁ、プリシラ、お前は最高の女だ」


 ザカリーは自身の体に跨がり、揺れるプリシラの乳房を眺めて興奮する。


 ・・・・この女を身請けしたのは間違って無かった、こいつの性技を受ければ男は誰でもイチコロだ・・・・そうだ、いい事を思いついた・・


「うっ!」


 ザカリーが妙案を思いついた時、プリシラの中が締まり男根から精を搾りあげる、その気持ち良さにザカリーは子種を解き放った。





 ◆◇◆◇◆◇





 マオはザカリーの部屋を出るとまっすぐ自室へ向う、今の彼にはプリシラに見せたウブな青年の欠片はどこにも無い。


 マオが部屋に入ると、どこからか真っ赤な蜥蜴とかげが現れた、マオは親指の先位の大きさの玉をポケットから取り出すと、蜥蜴の口にそれを入れる。


「サラマンディア。飼い主に渡してくれ」


 玉を飲み込んだ蜥蜴とかげはスルスルと壁を移動して姿が見えなくなった。





 ◆◇◆◇◆◇





 騎士団長グリードは、団長室で巡回治癒に帯同する騎士の選別作業をしていた。
 今回はグリードも随行する為、王都の警護は副団長に一任する事として、他にもある程度の手練れを王都に配置しておかなくてはならない。


 グリードは本来なら連れて行きたい人材を諦めて王都に残す事にした、暫く作業を続けていると使い魔のサラマンディアが戻って来る。


「ご苦労だった、サラマンディア」


 真っ赤な蜥蜴とかげが口から記録玉を吐き出す、グリードはそれを持って魔法省へ向かった。













しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...