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第四章 皇子の狂愛 サイラス feat ラグランド
皇子と制圧の緑
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ラグランド王国、四つの侯爵家の一つ
セローニャ家は、(制圧の緑)と呼ばれている。
制圧とは、精神干渉・精神支配が出来る特殊な能力で、セローニャ家の者は代々その力を受け継いでいる。
ロラン・セローニャは子供の頃ずっと家に引き籠もっていた。制圧の力が安定するまで自分の意思とは関係なく、無意識に他人に干渉していたからだ。
無意識下で制圧していた為、支配された者の言動に深い不信感を抱いて自身の精神が不安定になり、それが原因で人間不審を引き起こして、結果引き籠りになったのだ。
だがロランにとって幸運だったのは、10歳の時にメイヴィス殿下とダルトン殿下の二人と出会えた事だ。二人のお陰で人間不審を解消出来て、普通の生活に戻れたのだ。
王子二人は別格で、メイヴィス殿下は魔力が強くて制圧は効かず、ダルトン殿下はメイヴィス殿下の事以外は全く心を動かされない、精神の安定感が凄くて制圧を掛けても跳ね飛ばす、ロランが何の心配も無く接する事が出来る貴重な人達だ。
ロランはそれから、信頼出来る二人と過ごす時間が多くなる。その後、メイヴィス殿下の計らいで、今は人と会わなくても良い王宮の書庫管理を任されている。
制圧は使っている人間にしか判らない能力で、精神干渉・精神支配なので、制圧された方は周囲から見ても、本人が自分で考えて行動している様に見える。制圧された事の立証が出来ないのだ。
制圧中は能力者の思い通りに動かされる、例え内心どんなに抵抗していたとしても、行動と結果を見れば本人の希望で動いている様にしか見えないのだ。ただ制圧が解ければ元の自分に戻れる。
本当に厄介な能力だ。
ロランはサイラスが嫌いだった。
好みの男女を口説く手段として安易に制圧の力を使い留学期間の一年間で男も女も喰い散らかしていた。
制圧を出来るだけ使わない厳格なロランと、制圧を欲望の為に簡単に使うサイラス。合わないのは必然だった。
ロランはメイヴィスの命で、サイラスが作った楽園を探っていた。サイラス本人に制圧を使いロランをリーフとして楽園へ招待させたのだ。
楽園の住人は自由意志で集まったり、納得の上で金銭授受で来ていたりと、ほぼ問題は無かったが、中で提供される食事には、気分を高揚させている成分が含まれている様だった。
制圧されている女性が一人いたので暫く様子を見ていたが、彼女は次第に住人の男性の一人と恋仲になり、楽園生活を楽しみ出したので、そのまま接触せずにロランは楽園を後にした。
セローニャ家は、(制圧の緑)と呼ばれている。
制圧とは、精神干渉・精神支配が出来る特殊な能力で、セローニャ家の者は代々その力を受け継いでいる。
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無意識下で制圧していた為、支配された者の言動に深い不信感を抱いて自身の精神が不安定になり、それが原因で人間不審を引き起こして、結果引き籠りになったのだ。
だがロランにとって幸運だったのは、10歳の時にメイヴィス殿下とダルトン殿下の二人と出会えた事だ。二人のお陰で人間不審を解消出来て、普通の生活に戻れたのだ。
王子二人は別格で、メイヴィス殿下は魔力が強くて制圧は効かず、ダルトン殿下はメイヴィス殿下の事以外は全く心を動かされない、精神の安定感が凄くて制圧を掛けても跳ね飛ばす、ロランが何の心配も無く接する事が出来る貴重な人達だ。
ロランはそれから、信頼出来る二人と過ごす時間が多くなる。その後、メイヴィス殿下の計らいで、今は人と会わなくても良い王宮の書庫管理を任されている。
制圧は使っている人間にしか判らない能力で、精神干渉・精神支配なので、制圧された方は周囲から見ても、本人が自分で考えて行動している様に見える。制圧された事の立証が出来ないのだ。
制圧中は能力者の思い通りに動かされる、例え内心どんなに抵抗していたとしても、行動と結果を見れば本人の希望で動いている様にしか見えないのだ。ただ制圧が解ければ元の自分に戻れる。
本当に厄介な能力だ。
ロランはサイラスが嫌いだった。
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