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番外編 王太子は濃密 メイヴィス×周囲の人々
御婦人方とのお茶会
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私は呼び出しを受けて、母上の居室を訪れた、御婦人方の思惑は簡単に予想出来る、おそらくシャーロットの事を聞きたいのだろう。
「母上、叔母上、本日はお茶会に招いて頂き、有難うございます」
「ほほほほ、良いのですよメイヴィス、貴方には色々聞きたい話しがありますから」
母上が朗らかに答える。どうやらご機嫌は宜しいようだ。
「さて、私に御婦人方の好奇心を満たせる話しが出来るかどうか」
「あら、貴方にしか答えられない事よ」
軽く交わそうとした私に叔母上が圧力を掛けてきた。
「貴方シャーロット嬢を王太子宮に住まわせているって本当かしら?、ついこの間まで殆ど話もした事なかったのに」
「婚約者との関係改善の王妃命令を遂行した迄です。現在は相思相愛の恋人同士になりました。それで更なる関係発展を図り王太子宮に招いた次第です」
「婚姻式はまだ二年位先でしょう?」
「二年足らずですね。お披露目の為の婚姻式は即位式と同じ日に執り行いますが、婚姻自体は早めにするつもりです。後一年未満ですが、シャーロットは二十歳迄は聖女としての務めが有りますので、それが終わり次第、婚姻して夫婦になります」
私はさも決定事項のように報告して、素知らぬ顔で紅茶を飲んだ。
彼女にまだ話していないのは秘密だ。
「そう、上手くいっているのなら良いのよ、メイヴィス彼女を大切にね」
母上はここで追求を諦めてくれた様だと安心していると、叔母上から別方向の追撃が来た。
「所でメイヴィス、人身売買の組織を摘発したと聞いたわ、詳しく教えなさい」
「ああ、数年前から見目の麗しい貴族令息が幾人か行方不明になっていたのですが、その内の一人を今回保護しまして、関係者を摘発逮捕したのですよ」
「何人もだなんて、かなり大掛かりな犯罪ね、組織は全滅したのかしら?」
「騎士団長グリードの報告によると、捕えたのは我が国だけで活動していた実行犯です。各国を股にかけているので、もしかしたら隣国でも被害者がいるかも知れませんね」
話しながら頭にジャスティンが浮かんだが、隣国に口を出す訳にもいかない。内心、悩ましく思っていると、母上が別の話しをし始めた。
「隣国と言えばどう言った事情で、あなたとナターシャの婚約が解消されたのかしらね?」
「あら、噂ではナターシャ王女が真実の愛だとか、奇跡の恋だとかに出逢って、そちらを取ったとか、メイヴィス貴方振られたのよ」
母上の疑問に噂好きの叔母上が教えてくれる。
「振られたとは・・・ナターシャ王女とは彼女が十歳の時から十年間婚約していたのですよ、婚約期間中に恋人を作るとは立派な浮気では有りませんか」
私は別段気にしていないが、怒った風に言ってみる。
「あら、メイヴィス。婚約する前から好きだったら、貴方の方が浮気相手で当て馬かもよ?」
叔母上の辛辣な言葉が胸に刺さる。
「どちらにせよ、もう私とは関係のない人ですから、真実でも奇跡でも何でも良いので、幸せになって欲しいですね」
「それがどうも進展していないと言うか、何らかの事情で上手く行ってないみたいよ、国と国の婚約を解消しておいて、一体どう言う事かしら」
そう言えばとメイヴィスは思い出した、婚約解消に伴った賠償の最終確認と書面の締結が未だで、もしかするとメイヴィス自身が隣国に赴く可能性がある事を。
ナターシャ王女の件はその時に少しは事情が分かるだろう。ウィリーを同行させれば、ジャスティンに合わせてやる事が出来るかも知れないと思考を巡らせる。
「それでシャーロット嬢とはどこまで進展しているの?」
急に話しを戻して来た。
「ご安心ください、母上、健全なお付き合いをしております。・・・そう言えば捜査の進展についてグリードから報告を受ける予定が有りました・・・」
これ以上シャーロットとの事を聞かれると不味い事になりそうな予感がした私は、この場を立ち去ることにした。
母上と叔母上の私を見る視線が痛い。
「母上、叔母上、名残惜しいですが、私はこの辺で失礼します」
優秀な指揮官たる者は戦局を見誤ってはならない、御婦人方には敵わないと悟った私は、速やかに撤退をしたのだった。
「母上、叔母上、本日はお茶会に招いて頂き、有難うございます」
「ほほほほ、良いのですよメイヴィス、貴方には色々聞きたい話しがありますから」
母上が朗らかに答える。どうやらご機嫌は宜しいようだ。
「さて、私に御婦人方の好奇心を満たせる話しが出来るかどうか」
「あら、貴方にしか答えられない事よ」
軽く交わそうとした私に叔母上が圧力を掛けてきた。
「貴方シャーロット嬢を王太子宮に住まわせているって本当かしら?、ついこの間まで殆ど話もした事なかったのに」
「婚約者との関係改善の王妃命令を遂行した迄です。現在は相思相愛の恋人同士になりました。それで更なる関係発展を図り王太子宮に招いた次第です」
「婚姻式はまだ二年位先でしょう?」
「二年足らずですね。お披露目の為の婚姻式は即位式と同じ日に執り行いますが、婚姻自体は早めにするつもりです。後一年未満ですが、シャーロットは二十歳迄は聖女としての務めが有りますので、それが終わり次第、婚姻して夫婦になります」
私はさも決定事項のように報告して、素知らぬ顔で紅茶を飲んだ。
彼女にまだ話していないのは秘密だ。
「そう、上手くいっているのなら良いのよ、メイヴィス彼女を大切にね」
母上はここで追求を諦めてくれた様だと安心していると、叔母上から別方向の追撃が来た。
「所でメイヴィス、人身売買の組織を摘発したと聞いたわ、詳しく教えなさい」
「ああ、数年前から見目の麗しい貴族令息が幾人か行方不明になっていたのですが、その内の一人を今回保護しまして、関係者を摘発逮捕したのですよ」
「何人もだなんて、かなり大掛かりな犯罪ね、組織は全滅したのかしら?」
「騎士団長グリードの報告によると、捕えたのは我が国だけで活動していた実行犯です。各国を股にかけているので、もしかしたら隣国でも被害者がいるかも知れませんね」
話しながら頭にジャスティンが浮かんだが、隣国に口を出す訳にもいかない。内心、悩ましく思っていると、母上が別の話しをし始めた。
「隣国と言えばどう言った事情で、あなたとナターシャの婚約が解消されたのかしらね?」
「あら、噂ではナターシャ王女が真実の愛だとか、奇跡の恋だとかに出逢って、そちらを取ったとか、メイヴィス貴方振られたのよ」
母上の疑問に噂好きの叔母上が教えてくれる。
「振られたとは・・・ナターシャ王女とは彼女が十歳の時から十年間婚約していたのですよ、婚約期間中に恋人を作るとは立派な浮気では有りませんか」
私は別段気にしていないが、怒った風に言ってみる。
「あら、メイヴィス。婚約する前から好きだったら、貴方の方が浮気相手で当て馬かもよ?」
叔母上の辛辣な言葉が胸に刺さる。
「どちらにせよ、もう私とは関係のない人ですから、真実でも奇跡でも何でも良いので、幸せになって欲しいですね」
「それがどうも進展していないと言うか、何らかの事情で上手く行ってないみたいよ、国と国の婚約を解消しておいて、一体どう言う事かしら」
そう言えばとメイヴィスは思い出した、婚約解消に伴った賠償の最終確認と書面の締結が未だで、もしかするとメイヴィス自身が隣国に赴く可能性がある事を。
ナターシャ王女の件はその時に少しは事情が分かるだろう。ウィリーを同行させれば、ジャスティンに合わせてやる事が出来るかも知れないと思考を巡らせる。
「それでシャーロット嬢とはどこまで進展しているの?」
急に話しを戻して来た。
「ご安心ください、母上、健全なお付き合いをしております。・・・そう言えば捜査の進展についてグリードから報告を受ける予定が有りました・・・」
これ以上シャーロットとの事を聞かれると不味い事になりそうな予感がした私は、この場を立ち去ることにした。
母上と叔母上の私を見る視線が痛い。
「母上、叔母上、名残惜しいですが、私はこの辺で失礼します」
優秀な指揮官たる者は戦局を見誤ってはならない、御婦人方には敵わないと悟った私は、速やかに撤退をしたのだった。
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