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第三章 王太子の恋人 メイヴィス×シャーロット
王太子殿下は悩ましい
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「母上、叔母上、ご機嫌は如何でしょうか、お待たせして居ないと良いのですが・・・」
私は、御婦人方との茶会に予定より早めに合流した。
「メイヴィス、もう少し遅くても良い位ですよ、女性は話し好きですからね」
母上は優しく微笑み、叔母上は相変わらずの元気さで迎えてくれた。
「メイヴィス!、相変わらず美男子ね、煌く太陽だと囁かれているのも頷けるわ」
「叔母上、何ですか、煌く太陽とは?」
聞いた事のない形容詞に、つい質問してしまう。
「知らないのかしら、貴方の黄金色の髪と琥珀色の瞳が太陽の輝きを思わせるから、貴族女性達からそう呼ばれているのよ。因みにダルトンは、夜を思わせる色を持っているから、夜の天使と呼ばれているわ」
・・・夜の天使・・・恐らく堕天使と言いたいのだろうが、王族にそんな事を言えば不敬罪を問われかねないから、言えないのだろうなとメイヴィスは思い、ふともう一人の弟王子を思い出す。
「イオニスにはそう言った二つ名は無いのですか?」
母上は苦笑し、叔母上は面白そうな顔をした。
「勿論あるわよ、イオニスは虹の妖精よ」
・・・虹の妖精・・・イオニスは乳白色の珍しい髪色をしており、それで白猫とも呼ばれているが、普段は好きな色をメッシュで入れているので、カラフルな髪色からの連想だろう。
「所で叔母上、私に何かお話しが有ると伺ったのですが、どう言ったお話しでしょうか?」
問い掛けると叔母上は母上と目配せし、表情を引き締めて話出した。
「以前貴方の依頼でグレーシー王子妃に薄めた媚薬を手配した事があったでしょう?、最近、グレーシーから又あれが欲しいとお願いされたのよ。あれを使ったときの事が忘れられなくて、もう一度試したいそうよ」
「でも、薄めていたのよね?もう一度試したい程、効果が有ったのかしら?」
母上が不思議そうに言う、もっともだ。叔母上の媚薬は効かないが、実際にグレーシーが服用したのは強力な媚薬だからかなり気持ち良かったのだろう。問題は誰にそれを使うつもりなのかだ。
まさか、私か?
最近やたらとグレーシーが私に近づいて来て、体が触れそうになる事がある、狙われているのか?
一応、気を付けておく事にしよう。
「叔母上、あれはほとんど害のない物なので、渡してやっても良いですよ。別の誰かから強い媚薬を手に入れる方が問題ですから」
「分かったわ。所で貴方、新しい婚約者と交流してるのかしら?、社交界でサッパリ噂を聞かないのだけれど、どうなっているの?」
「彼女は普段、神殿に居ますからね、中々交流は持てて居ません。まあ焦らなくてもどうせ結婚するのだから、結婚後にお互いを知れば、自然と距離が縮まるかと」
そう言って、私はお茶を一口飲む。
「メイヴィス!」
「貴方、なんて事を!」
叔母上と母上が同時に私を咎めた。
そこから私は、女性へのアプローチの方法で有るとか、女性が心地良く感じるエスコートの仕方だとか、女性が喜ぶ贈り物の選び方だとか、二人から色々と享受され、執務の時間を潰された。
◆◇◆◇◆◇
グレーシーはあの時の夢のような時間が忘れられずに、何度も思い返していた。思い返す度に胸も体も熱くなり、じんわりと秘所が潤う。
『あの時のメイヴィス様は、凄かった』
もう一度だけでも良いから、メイヴィス様に抱かれたい。その思いは日々強まり、遂には友人に媚薬を頼んだ。
そして、それを使う事を夢想する。
『今度の仮面舞踏会が、絶好の機会だわ、仮装するから誰だか分からないし、休憩の為の部屋もある。給仕にお小遣いを握らせて服を濡らさせて、部屋へ誘導するのよ。メイヴィス様は私のものよ』
その時の事を想像して、堪らなくなったグレーシーは、メイヴィスの悩ましい姿を思い描きながら、自分を愛撫しはじめた・・・・・・・・・
私は、御婦人方との茶会に予定より早めに合流した。
「メイヴィス、もう少し遅くても良い位ですよ、女性は話し好きですからね」
母上は優しく微笑み、叔母上は相変わらずの元気さで迎えてくれた。
「メイヴィス!、相変わらず美男子ね、煌く太陽だと囁かれているのも頷けるわ」
「叔母上、何ですか、煌く太陽とは?」
聞いた事のない形容詞に、つい質問してしまう。
「知らないのかしら、貴方の黄金色の髪と琥珀色の瞳が太陽の輝きを思わせるから、貴族女性達からそう呼ばれているのよ。因みにダルトンは、夜を思わせる色を持っているから、夜の天使と呼ばれているわ」
・・・夜の天使・・・恐らく堕天使と言いたいのだろうが、王族にそんな事を言えば不敬罪を問われかねないから、言えないのだろうなとメイヴィスは思い、ふともう一人の弟王子を思い出す。
「イオニスにはそう言った二つ名は無いのですか?」
母上は苦笑し、叔母上は面白そうな顔をした。
「勿論あるわよ、イオニスは虹の妖精よ」
・・・虹の妖精・・・イオニスは乳白色の珍しい髪色をしており、それで白猫とも呼ばれているが、普段は好きな色をメッシュで入れているので、カラフルな髪色からの連想だろう。
「所で叔母上、私に何かお話しが有ると伺ったのですが、どう言ったお話しでしょうか?」
問い掛けると叔母上は母上と目配せし、表情を引き締めて話出した。
「以前貴方の依頼でグレーシー王子妃に薄めた媚薬を手配した事があったでしょう?、最近、グレーシーから又あれが欲しいとお願いされたのよ。あれを使ったときの事が忘れられなくて、もう一度試したいそうよ」
「でも、薄めていたのよね?もう一度試したい程、効果が有ったのかしら?」
母上が不思議そうに言う、もっともだ。叔母上の媚薬は効かないが、実際にグレーシーが服用したのは強力な媚薬だからかなり気持ち良かったのだろう。問題は誰にそれを使うつもりなのかだ。
まさか、私か?
最近やたらとグレーシーが私に近づいて来て、体が触れそうになる事がある、狙われているのか?
一応、気を付けておく事にしよう。
「叔母上、あれはほとんど害のない物なので、渡してやっても良いですよ。別の誰かから強い媚薬を手に入れる方が問題ですから」
「分かったわ。所で貴方、新しい婚約者と交流してるのかしら?、社交界でサッパリ噂を聞かないのだけれど、どうなっているの?」
「彼女は普段、神殿に居ますからね、中々交流は持てて居ません。まあ焦らなくてもどうせ結婚するのだから、結婚後にお互いを知れば、自然と距離が縮まるかと」
そう言って、私はお茶を一口飲む。
「メイヴィス!」
「貴方、なんて事を!」
叔母上と母上が同時に私を咎めた。
そこから私は、女性へのアプローチの方法で有るとか、女性が心地良く感じるエスコートの仕方だとか、女性が喜ぶ贈り物の選び方だとか、二人から色々と享受され、執務の時間を潰された。
◆◇◆◇◆◇
グレーシーはあの時の夢のような時間が忘れられずに、何度も思い返していた。思い返す度に胸も体も熱くなり、じんわりと秘所が潤う。
『あの時のメイヴィス様は、凄かった』
もう一度だけでも良いから、メイヴィス様に抱かれたい。その思いは日々強まり、遂には友人に媚薬を頼んだ。
そして、それを使う事を夢想する。
『今度の仮面舞踏会が、絶好の機会だわ、仮装するから誰だか分からないし、休憩の為の部屋もある。給仕にお小遣いを握らせて服を濡らさせて、部屋へ誘導するのよ。メイヴィス様は私のものよ』
その時の事を想像して、堪らなくなったグレーシーは、メイヴィスの悩ましい姿を思い描きながら、自分を愛撫しはじめた・・・・・・・・・
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