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王太子の愛情
眠れる王子様と聖女
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邸の主人が軟禁中のため晩餐会などは無く、一行は食堂で簡単な夕食を済ませると、それぞれ与えられた部屋へと下がった、疲れを感じたメイヴィスは早めに寝支度を整え始める。
・・・・何だか体調が悪いな体がふらつく、思考も鈍って来たようだ・・・・変だな、睡眠薬はまだ盛られていない筈だが、しかし眠いな・・・・
メイヴィスが寝支度を終えた頃に部屋をノックする者がいた、メイドが各部屋に水差しを置いて回っているらしい。
・・・・遂に睡眠薬を盛りに来たのか?・・・
メイヴィスが疑りつつメイドを部屋の中へ入れると、メイドは水差しを寝台横の小机の上に置いて、部屋の中を一通り確認すると退出した。
・・・・変だな、奴等の計画では私に睡眠薬を盛る筈では、この水がそうなのか?、だがこれでは余りにも杜撰過ぎる、しかし眠いな、もう眠りそうだ・・・・
メイヴィスが訝しく思っていると、グリードが焦った様子で部屋に入って来て、急いでメイヴィスを連れ出して別の部屋へ押し込んだ。
「殿下、今夜はこの部屋で過ごして下さい。どうやら今回の睡眠薬は経口摂取ではなく経皮吸収だったらしく、湯浴みの際に薬を盛られていた様です」
「もう盛られていたのか」
・・・・そうか、睡眠薬の影響で体調不良になっているのか、道理で、もう眠くて目が開けられない・・・・
グリードはもうほぼ眠りに落ちているメイヴィスを寝台に寝かせて上掛けを掛けると部屋から出ていった。
◆◇◆◇◆◇
最後の巡回治癒を無事に終える事が出来たシャーロットとアリーは、やり遂げた満足感で一杯だった。アリーの部屋には執事のマオに頼んで用意して貰ったオードブルとワインが有り、二人はささやかな慰労会を開いていた。
「お疲れ様でした!、乾杯」
「良く頑張りました、乾杯!」
「は~、最後の巡回治癒が終わっちゃった。聖女として地方教会に行く事はもう無いと考えると何だか寂しい」
シャーロットは満足しつつも聖女としての活動期間が残り少なくなる事にも思いが及ぶ。
「あ~、私はともかく、シャーロットは本当に最後だもんね」
アリーは聖女の期間が満了する二十歳を過ぎても活動を継続するつもりだが、王族になるシャーロットにとってはこれが最後だ。
「ずっと神殿で活動していたから、それが無くなるのは想像がつかない。これから私どうなっちゃうのかな・・・・」
「シャーロット、今はそんな事は考えないの!、さっ呑むわよ」
アリーは気落ちして不安になっているシャーロットのグラスにワインを継ぎ足す、アルコールに弱いシャーロットは既に赤い顔をしている。
「ちょっ、アリー。そんなに呑めないから!、酔ったらお喋り出来ないし!」
仲の良いアリーと遅くまでお喋りしてワインをかなり呑んだシャーロットは、ほろ酔い状態で部屋へと戻った。部屋に入ったシャーロットは何処と無く違和感がある事に気付くが、何処が変なのかは分からない。
自分の荷物もちゃんと有り、荒らされてもいないし、部屋も間違えていない、部屋の中には目立つ異変は無かった。シャーロットは気の所為だと思い、酔ってフラフラしながら夜着に着替えて寝台へ行く。
シャーロットが寝台へ行くと既に誰かが寝ていた、不審に思い怯えながらもそっと上掛けを捲る。そして露わになった寝台に眠るメイヴィスの姿を見て、シャーロットの酔いが一気に吹き飛んだ。
「!!」
・・・・えっ?、メイヴィス殿下?、どうしてこの部屋に殿下が?、もしかして私を待っていたのかしら、卒業旅行と思っていたら、まさかの婚前旅行だったの?、なんて、ふざけてる場合じゃ無いのよ!
シャーロットは心の中で自分にツッコミを入れた、酔いは覚めたが頭は働かない。しかし、よくよく見ると殿下は石像の如く眠っていて身動き一つしない。シャーロットは彼が普通の状態では無い事に気付いた。
シャーロットは今度こそ本当に酔いが覚めて頭が働き出す、魔力を巡らせてメイヴィスの体調を確認して見るが、深い眠りについている以外は何処も悪く無い様だ。
「まさか睡眠薬?、王族に薬を盛るなんて、本当にそんな馬鹿な事をする人が居るのかしら」
彼は王太子で、一年半後には即位して王になる人なのだ、この人に何かあったら国の未来もめちゃくちゃになるのに、シャーロットは今迄の人生の中で一番腹が立っていた!!
憤ると同時にメイヴィスが心配になる、きっと今迄にも何度か危険な事があったに違いない、もしかしたら生命に危機が及ぶ事もあったかも知れない、彼の伴侶になる筈の自分がそんな事すら想像も出来ていなかったなんて・・・・
・・・・シャーロット姫、私が貴女を護ります・・・・
孤児院でメイヴィスから贈られた言葉が甦り、シャーロットの瞳が潤んで涙がこぼれだす。脳裏に浮かぶのはその時の彼の姿だ。
穏やかな笑顔で子供達を見ていたメイヴィス、おどけた風にシャーロットを抱き上げて額に口付けるメイヴィス、たった数時間前の彼なのに、遠い世界の出来事のようだ。
メイヴィスは身動き一つしない。もしこれが睡眠薬では無く毒薬だったなら、彼はもう死んでいたかも知れない。
シャーロットは胸が苦しくなり、夜着の上から彼がくれた琥珀色のペンダントを ぎゅっと握った。
・・・・何という事だろう、私はこの人の隣に立つと云うのに、彼を取り巻く環境を少しも理解していなかった。・・・・彼の優しさに包まれるだけで、彼からの愛情を受け取るだけで、何一つ彼に返してはいなかったのだ・・・・彼が私を護ってくれるのなら、私も彼を護るのだ・・・・
シャーロットは強い決意を抱いた。
睡眠薬を投与されたと仮定して、今夜この邸の誰かが彼に危害を加える可能性がある。シャーロットは寝台の横に椅子を持って来て座ると、眠るメイヴィスの右手を両手で ぎゅっと 握り締める。
「殿下、私が一晩中起きて見張ります」
シャーロットが触れてもピクリとも動かないその姿は、名のある彫刻家が作ったどんな石像よりも、はるかに美しい彫像に見える。この人を誰にも傷付けさせはしない、私が護る。
シャーロットの眠れない夜が始まった。
・・・・何だか体調が悪いな体がふらつく、思考も鈍って来たようだ・・・・変だな、睡眠薬はまだ盛られていない筈だが、しかし眠いな・・・・
メイヴィスが寝支度を終えた頃に部屋をノックする者がいた、メイドが各部屋に水差しを置いて回っているらしい。
・・・・遂に睡眠薬を盛りに来たのか?・・・
メイヴィスが疑りつつメイドを部屋の中へ入れると、メイドは水差しを寝台横の小机の上に置いて、部屋の中を一通り確認すると退出した。
・・・・変だな、奴等の計画では私に睡眠薬を盛る筈では、この水がそうなのか?、だがこれでは余りにも杜撰過ぎる、しかし眠いな、もう眠りそうだ・・・・
メイヴィスが訝しく思っていると、グリードが焦った様子で部屋に入って来て、急いでメイヴィスを連れ出して別の部屋へ押し込んだ。
「殿下、今夜はこの部屋で過ごして下さい。どうやら今回の睡眠薬は経口摂取ではなく経皮吸収だったらしく、湯浴みの際に薬を盛られていた様です」
「もう盛られていたのか」
・・・・そうか、睡眠薬の影響で体調不良になっているのか、道理で、もう眠くて目が開けられない・・・・
グリードはもうほぼ眠りに落ちているメイヴィスを寝台に寝かせて上掛けを掛けると部屋から出ていった。
◆◇◆◇◆◇
最後の巡回治癒を無事に終える事が出来たシャーロットとアリーは、やり遂げた満足感で一杯だった。アリーの部屋には執事のマオに頼んで用意して貰ったオードブルとワインが有り、二人はささやかな慰労会を開いていた。
「お疲れ様でした!、乾杯」
「良く頑張りました、乾杯!」
「は~、最後の巡回治癒が終わっちゃった。聖女として地方教会に行く事はもう無いと考えると何だか寂しい」
シャーロットは満足しつつも聖女としての活動期間が残り少なくなる事にも思いが及ぶ。
「あ~、私はともかく、シャーロットは本当に最後だもんね」
アリーは聖女の期間が満了する二十歳を過ぎても活動を継続するつもりだが、王族になるシャーロットにとってはこれが最後だ。
「ずっと神殿で活動していたから、それが無くなるのは想像がつかない。これから私どうなっちゃうのかな・・・・」
「シャーロット、今はそんな事は考えないの!、さっ呑むわよ」
アリーは気落ちして不安になっているシャーロットのグラスにワインを継ぎ足す、アルコールに弱いシャーロットは既に赤い顔をしている。
「ちょっ、アリー。そんなに呑めないから!、酔ったらお喋り出来ないし!」
仲の良いアリーと遅くまでお喋りしてワインをかなり呑んだシャーロットは、ほろ酔い状態で部屋へと戻った。部屋に入ったシャーロットは何処と無く違和感がある事に気付くが、何処が変なのかは分からない。
自分の荷物もちゃんと有り、荒らされてもいないし、部屋も間違えていない、部屋の中には目立つ異変は無かった。シャーロットは気の所為だと思い、酔ってフラフラしながら夜着に着替えて寝台へ行く。
シャーロットが寝台へ行くと既に誰かが寝ていた、不審に思い怯えながらもそっと上掛けを捲る。そして露わになった寝台に眠るメイヴィスの姿を見て、シャーロットの酔いが一気に吹き飛んだ。
「!!」
・・・・えっ?、メイヴィス殿下?、どうしてこの部屋に殿下が?、もしかして私を待っていたのかしら、卒業旅行と思っていたら、まさかの婚前旅行だったの?、なんて、ふざけてる場合じゃ無いのよ!
シャーロットは心の中で自分にツッコミを入れた、酔いは覚めたが頭は働かない。しかし、よくよく見ると殿下は石像の如く眠っていて身動き一つしない。シャーロットは彼が普通の状態では無い事に気付いた。
シャーロットは今度こそ本当に酔いが覚めて頭が働き出す、魔力を巡らせてメイヴィスの体調を確認して見るが、深い眠りについている以外は何処も悪く無い様だ。
「まさか睡眠薬?、王族に薬を盛るなんて、本当にそんな馬鹿な事をする人が居るのかしら」
彼は王太子で、一年半後には即位して王になる人なのだ、この人に何かあったら国の未来もめちゃくちゃになるのに、シャーロットは今迄の人生の中で一番腹が立っていた!!
憤ると同時にメイヴィスが心配になる、きっと今迄にも何度か危険な事があったに違いない、もしかしたら生命に危機が及ぶ事もあったかも知れない、彼の伴侶になる筈の自分がそんな事すら想像も出来ていなかったなんて・・・・
・・・・シャーロット姫、私が貴女を護ります・・・・
孤児院でメイヴィスから贈られた言葉が甦り、シャーロットの瞳が潤んで涙がこぼれだす。脳裏に浮かぶのはその時の彼の姿だ。
穏やかな笑顔で子供達を見ていたメイヴィス、おどけた風にシャーロットを抱き上げて額に口付けるメイヴィス、たった数時間前の彼なのに、遠い世界の出来事のようだ。
メイヴィスは身動き一つしない。もしこれが睡眠薬では無く毒薬だったなら、彼はもう死んでいたかも知れない。
シャーロットは胸が苦しくなり、夜着の上から彼がくれた琥珀色のペンダントを ぎゅっと握った。
・・・・何という事だろう、私はこの人の隣に立つと云うのに、彼を取り巻く環境を少しも理解していなかった。・・・・彼の優しさに包まれるだけで、彼からの愛情を受け取るだけで、何一つ彼に返してはいなかったのだ・・・・彼が私を護ってくれるのなら、私も彼を護るのだ・・・・
シャーロットは強い決意を抱いた。
睡眠薬を投与されたと仮定して、今夜この邸の誰かが彼に危害を加える可能性がある。シャーロットは寝台の横に椅子を持って来て座ると、眠るメイヴィスの右手を両手で ぎゅっと 握り締める。
「殿下、私が一晩中起きて見張ります」
シャーロットが触れてもピクリとも動かないその姿は、名のある彫刻家が作ったどんな石像よりも、はるかに美しい彫像に見える。この人を誰にも傷付けさせはしない、私が護る。
シャーロットの眠れない夜が始まった。
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