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王子妃は愛されている*

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 カーテン越しに朝日が差し込み、その明るさで目が覚める。
 いつもの様に、横向きに寝ていた私の体を、ダルトン様が、背後から抱きしめていた。
 起きようと身じろぎすると、抱きしめる力がさらに強くなる。


「おはよう、グレース」


 けぶる朝霧のようにかすれて色っぽい声が、吐息と共に私の耳に直接吹き込まれる。


「おはようございます、ダルトン様」


 ダルトン様は背後から私の首筋に顔を埋め、確認するように首筋を嗅いだ。


「あぁ、グレースの香りだ、安心する」


 これは、ダルトン様から贈られた香水で、彼の希望で寝屋では必ずつけている。


 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ


 私の金髪をかき分け、露わになった頸に口づけを降らせている、彼の股間は徐々に硬度が増してきていた。


 密着した肌から、尻に当たる彼の熱を感じて頬が染まる。
 ダルトン様の片手が私の胸をさわさわと撫で、もう一方の手は秘裂に潜りこんだ。


 昨夜、存分に可愛いがられた蜜壺はまだ潤っていて、すぐにでも彼のものを受け入れられそうだ、彼もそれに気づく。


「ふふ、グレース、此処は僕を欲しがってるね、まだ時間もあるし可愛いがってあげるね」


 そう耳元で囁かれ、背後からのし掛かるように体位を変えられる。
 腹の下に枕を入れられ、泥濘んだままの蜜壺へ、彼の楔がゆっくり入ってきた。


 ダルトン様は背後から突くのがお気に入りで、緩やかに抽送しながら背中や頸にキスを落とす。
 そして私を追い立てる様に激しく腰を動かし始め、感じる所を何度も擦り私の快感を高めていく。


「グレース、どう感じてる?、今君の中にいるのは僕だよ、僕なしじゃ生きられなくなるまで、抱いてあげる」


「あっ、あん、あっ、あん、んっ」


 背後からの激しい突き上げに、嬌声が止まらない、彼の肉杭が膨張し胎内に熱いものが吐き出された。


「気持ち良かったよグレース、早く僕達の子供が欲しいな、きっと僕たちに似た可愛い子が生まれるよ、愛してる」


 私は確かに愛されている。


 私の夫であるダルトン殿下には、結婚前から長年の想い人がいる、それは今も変わらない。


 私の名は、、第二王子妃だ。


 夫のダルトン様は公の場では私を王子妃と呼び、そして寝屋ではグレースと呼ぶ、殿下からグレーシーと呼ばれた事は婚姻前に数える位しかない。


 でも私は全然気にしていない。


 例え私、グレーシー本人を愛していなくても、間違いなく私は王子妃だし、毎晩殿下から愛を囁かれ、溢れるほどの子種を注がれている。
 グレースの代わりとしてだけど・・・
 でも殿下は美形だし、きっと可愛い跡継ぎが生まれるはず。


 ダルトン様は、穏やかな優しい性格で、仕事も効率良くこなす出来る王子様だ。青みがかった艶やかな黒髪に、青紺色の輝く瞳をもつ、見惚れる程の美形。


 そんな彼は、想い人と同じ色の髪と瞳を持ち、名前も割と近かった私を見初め?婚姻することにしたらしい。我が家は伯爵家だったため、王家から婚約の打診があった時は、家中がちょっとしたパニックになった。


 今日も夫は、私を仮グレースに見立てて生活している。でも私はへこたれない、だってそれ以外は完璧な王子様で、最高に素敵な夫なのだから。


 私も最近では、名前をグレースに変えてみるのも悪くないかな、と思い始めた。
 そうなったら夫は何か変わるのだろうか?
 もしかしてグレーシーと呼び始めるかも?、なんて想像してみるが、もしそうなったら二人の今の関係性が大きく変わりそうで怖い。


「グレース、愛しているよ」


 寝屋では、今日も夫が優しく囁く。
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