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チョココロネを昔尻で潰したときの絶望感はそれはもう……
シリアル注意!
しおりを挟む──くそっ!くそっ!何で私がこんな目に─
殺してやる─あの女──
キョンシーside
「……すみません、スズ様…」
なるべく音を出さないように起き上がるとベッドから降りる
「キョンシー…さん…」
「っ!」
「…謝ったら……罰ゲーム…だよ…」
「……ふふ」
寝言、ですか…
ホッとすると同時に笑いが漏れる
帰ってきて朝になったらスズ様に罰ゲームをお願いしよう
きっと本人は驚くだろうが…
──・──・──
「やっほーキョンシー君、お昼ぶり」
「来たわね、死隷。さっさと昨日の話の続きを…ちょっと!?」
「………」
私はどう反応すれば良いのだろうか?
今私の目の前にはラン様が昨日と同じ様に座りながら膝にマヤ様を乗せている
…手をお腹に回しながら
もしかしたら邪魔だったかもしれない
次からは気を付けよう
「はいはい、少し待ってねマヤ
キョンシー君、今回は結構ハードな内容だけど…大丈夫かい?」
「はい」
…どうやら今回は少し面倒事の様だ
「彼女を殺して欲しいんだ」
[メリア・コウレイ]
年齢 26
ギルドランクD 属性 氷 スキル有り
ある程度の魔法は使える
プライドが高く親の金を使い好き勝手している
罪状
・ギルド員に魔法攻撃
・兵士に致命傷を与え逃亡
「逃亡…と言うことは何かしたんですか?」
「うん、スズちゃんに攻撃した女だよ」
「…そうですか」
とりあえず情報が欲しい、流石にこれだけでは大変だ
「いくつか質問しても良いですか?」
「うん、て言うか本当は昨日も教えようと思ったのに君がさっさと行っちゃうから驚いたよ
私が知っている範囲なら話すよ」
「はい、よろしくお願いします。まず逃亡したのは何時ですか?」
「つい1時間前だよ」
なら遠くには逃げてない
「現在の場所は分かりますか?」
「いや、でもこの街にいるはず、表門も裏門もすでに閉まっているから」
この街…これは時間が掛かる…
「では、行ってきます」
「あ!ちょっと待って、マヤも連れていってくれないかな?」
「はあ!?何でよ!?」
「…丁重に断らせて頂きます」
「ちょっと!?」
すみません、ラン様マヤ様
──・──・──
「…居ない」
あれから30分、全く見付からない
下水道や地下道に隠れているのだろうか…?プライドが高い女性が…?
「…他に何か人間が隠れる所…」
……駄目だ、どんなに考えても分からない
この手は使いたくなかったが…しょうがない
適当に路地裏にいる男を見付けると背後に移動し布で軽く首を締める
「ちっ!何だよあの女…っぐあ!!?な!?」
「…騒がないで下さい、貴方の首が折れますよ?」
ポッキリと
「っっ!!」
静かになりましたね
「…私は一人の女を捜しています、プライドが高そうで金髪の…」
「そ、それならさっき合った!っぐえ!?」
「静かにして下さい、その女は何処に行きましたか?」
「ひっ!が、学園だ…」
「………学園?」
嫌な予感がする
「あ、ああ…あんたも知らねえか?今日雷帝の鉄槌に転生者が入ったって話
あの女その転生者に命を救われたらしいからお礼を言いたいって、転生者が何処にいるかと
聞かれたから学園に転入したはずだがこの時間は遅いから止めとけって話したんだ
そしたら突然豹変してあんたには関係ないだろって…」
「………」
忘れていた人間は…
「あの目は恩人を見る目と言うよりどっちかと言うと…復讐する目だnグハッ!」
布を取り男を気絶させると学園の方に走る
そうだ、人間の中でも特にプライドが高い人間は逃げるとか隠れるより先に何よりも復讐を優先する…何故忘れていたのだろうか
「…スズ様」
──・──・──
やっと学園が見えてきた…どうしてスズ様の近くを離れてしまったのだろうか
自分に腹が立つ
部屋の窓から中に入る
すぐにでも安否を確認したいが我慢して室内に他の気配がないか確認する
「んん…」
「……」
スズ様だけか…
とりあえずホッとするとスズ様の傍に行く
…こんな事をしていたら時間が過ぎてあの女性が来るそんな可能性があるのにどうして私は貴女から離れられないのでしょうか?
起こさないように気を付けながらスズ様の頭を撫でる…
本当はあの女性が来る前に私がスズ様から出来るだけ遠ざけて害が無い場所で殺した方が良いんですが…
どうしてだろうか?今はスズ様の傍を離れたくない、だけど傷付けたくない…どっちだろうか?
微かだがドアが開く音がする
…すいません、スズ様
「『青火魔法を展開する 嘘画』」
まずはスズ様の姿を消して
「『重力魔法を展開する 浮遊』」
安全な所…クローゼットにスズ様を隠すと数秒して扉が開かれる
「…あなたは昼間の死隷?」
「はい」
入ってきた女性は私を汚物を見るような目で見ると部屋を見回し最後に私を見る
「……あの女は何処」
「あの女…とは?」
「ふざけてんじゃないわよ!」
ふざけているつもりは無いのだが…
「転生者のシラツキ スズって女よ!あの女のせいで私の人生無茶苦茶…」
「滅多なことを口にしないで下さい
あなたにマスターの名前を呼ぶ資格はありません」
「なっー!?ど、何処まで私を苔にすれば済む…」
…キーキー煩い、スズ様が起きてしまいますね
と、思っていたら女性の体内の魔力が動く
「『氷魔法を展開する 氷柱』」
…なら
「『氷魔法を展開する 氷柱』」
同じものを展開しましょう、全く嬉しくないですが私も氷属性を持っているので
「ふん!馬鹿じゃないの?先に出した私が…え?」
女性が出した氷柱よりも一回り大きい氷柱が女性の周りを囲うように浮いている
そして、女性が出した氷柱は私が展開した氷柱が砕いた
「な、何で…」
この反応は私が死隷になったときと何ら変わらない
本当に何も知らないんですね
「魔法は多く使えば使うほど展開される速度が速くなるんですが…知らなかったんですか?」
ついでに威力も上がります
「そ、そんなの知るわけ…!待って!お金ならいくらでもあるわ!だから…」
「……実を言うと私は自分のマスターにはあまり忠実じゃないんです」
少し肩をすくめて見せる
すると、息を呑む音が小さくだが聞こえた
……ふむ、どうやらスズ様が起きた様子。これは早急に終わらせる必要がありますね
「そ、そう!それなら!」
「でも…今回のマスターは私が心からお慕いしている方です
貴方達の様な根性が腐っている人間は今まで何度も見てきました、正直言ってもうお腹いっぱいです
だから…」
死んでください……
一気に展開した氷柱を女性に向けた瞬間
「っだめ!!キョンシーさん!!」
「マスター!?」
いきなりクローゼットが開くとスズ様が女性を守るように前に出る
「『防護魔法を展開する 防御』」
「っ!『氷柱 解除』」
間に合わない!…こうなったら
──・──・──
スズside
「…ケホ…ケホッ…」
キョンシーさんが途中で何本かの氷柱を解除してくれたからそこまで衝撃は無かったけど
大体の氷柱は私に飛んできて防護魔法に弾かれた
見ると少しヒビが入っている
あ、危なかった、キョンシーさんも十分チートだと思う
…でも、飛んできた氷柱の数が少なかった様な…
「……マスター?ご無事ですか?」
「キョンシーさん!」
良かった…月が雲に隠れたせいで全く見えないけどキョンシーさんは無事っぽい
「ちょっと待って、キョンシーさん今明かりを…」
「っ、待って下さいマスター…その前にそこにいる女性を逃げないように縛って下さい」
逃げないように?縛る?…とりあえず手探りで女性を捜す
明るくした方が見えやすいのに…
あれ?気絶してる
まぁそれならやり易くて良いけど
縄は…魔法で出そう
「『創造魔法を展開する 偽造』」
暗くて結びかたとかよく分からないけど…ここは勘だ
とりあえず逃げないようにすれば良いんだから
………これで良いかな?
巻き終わるとタイミング良く月明かりが出てきて女性の顔が見えて驚く
この人はお昼の!?何でここに…まさか、復讐?
「キョンシーさん、この人って…」
「……」
「キョンシーさん!?」
振り向くとそこには、血だらけのキョンシーさんが倒れており、急いで駆け寄る
どうして明かりをつけるのを拒否したのか分かった、傷を隠したかったんだ
だけど、何でこんな傷を…?
氷柱が展開される時はこんな酷い傷は…
「…キョンシーさん、まさか私を庇ったの…?…」
周りを見ると小さな氷の破片が落ちている
…落ち着け私、まずは回復の魔法を
「『光魔法を展開する 小癒』っ!?」
光魔法を展開した瞬間、体に鋭い痛みが走り思わず魔法を中断させてしまった
な、何?今の…でもそれより回復を…!
「『光魔法を展開する 小癒』っ!」
痛い!何これ!?でも傷は…
痛みに耐えながらキョンシーさんの傷を見ると少しずつだが塞がっていってる
何かよく分からないけど回復してるなら我慢!
心なしか肌色も死人の様に青白くなってるし!…って、それはそれで大丈夫なのかな…?
いつも通りだから良しとしよう!
──・──・──
や、やっと終わった…
とりあえず見える範囲の傷は全部塞いだけど…
「…スズ…様…?…」
キョンシーさん!?
「私は…」
「っ~~~!!良かったぁ!キョンシーさん!」
起き上がり困惑した声を漏らすがお構いなしに私はキョンシーさんの首に腕を回して抱き付く
「ス…ズ様?」
言いたいこといっぱいあるんだからね!
「馬鹿!キョンシーさんの馬鹿!本当に馬鹿!!」
もう馬鹿しか言えないぐらい馬鹿って言ってやる!!
「ス、スズ様……」
「馬鹿馬鹿!どうして怪我してるって言わなかったの!?
私がどれだけ心配したか分かる!?もう馬鹿!馬鹿キョンシーさん!」
「………」
「約束したじゃん!わ、私を…もう一人にっしないって!」
「っ…」
あぁ、もう涙と鼻水でぐしゃぐしゃだよ顔…
「そう…でしたね、すみませんスズ様」
「…でも、良かった…」
「スズ様!?」
あれ?何で視界が暗くなったんだろう?
意識も無くなって…きた……
~〇~〇~〇~〇~
今更ですが自分は巨乳も貧乳もいけます( ̄▽ ̄)b
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