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1章
5話「旅の中で伝わる信頼」
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オルターナ奪還へ向かうオルターナ部隊としてガイアとフェランドは平原を騎士達と駆けて行く。ディークとハイクは平原を駆けれるのが嬉しいのか気合いが入っているのか走り方に力が入っている。
軍師騎士のアベルゾと共にガイアとフェランドに同行してくれている騎士のメンツはバランスよく構成された構成になっている。メンツの中でもアベルゾと同等のレベルの騎士は彼、ルーデリッシュという騎士。
「アベルゾ」
「どうでしたか?」
「やはり危惧していた様にオルターナの国境は崩されている。突破するのは無理だ」
「どうかしたんですか?」
「オルターナに通じる道をルーデリッシュに先行して確認してもらってきたんですが……殆どの道が封鎖か崩されている状態のようです」
「それじゃ簡単にはオルターナへは行けない、って事ですか」
「えぇ、どうにか通れる道を探す必要があるのですが……」
「ガイア! アベルゾさん!」
「フェランド? どうした?」
「どうしたのですか?」
「この老人が通り道を教えてくれるそうです。オルターナの住民だそうです」
「オルターナをお救いしてくれると聞きました。私の知識で良ければお役に立てればと思いますが……」
「詳しくお話して下さりませんか? ガイア君、いいですね?」
「はい。お願いします」
老人の手によりオルターナへ繋がる道を示している地図に通り抜け出来る道を書き足される。そのルートは緩やかな曲線を描いた道ではあるが幅を考えると谷底だと言うのは分かってしまう。
老人が書き足す作業を終わるとアベルゾは地図を確認するとルーデリッシュに何かを話をし始める。ガイアとフェランドはこの道を通ってオルターナに向かう事を認識するとアベルゾは静かにガイアとフェランドに振り向く。
「この谷底に罠がないとも限りませんがルーデリッシュに先行して確認してもらいます。私達は慎重に進んでルーデリッシュに合流して突破しましょう」
「はい。了解しました」
「まずはルーデリッシュさんに負担を掛けてしまうのが申し訳ないですが。俺達もある程度距離を稼いで合流をするしかないですね」
「ルーデリッシュの事を少しお話しておくべきですね。貴方方はまだ彼や他の騎士達の事は知らないでしょう?」
「あ、そうですね。名前と身分だけはお話して覚えてはいますが……」
「でも、今考えたら総団長も無理をしたんじゃないか? って思います」
「恐らく総団長は今回の奪還にある種の賭けをしているんだと思います。貴方方に希望を託す意味もありますが、オルターナが奪還した後の行動に何かを賭けているのだと思います。だから主力に近い騎士達を同行させたんだと思いますよ」
アベルゾの顔には少し冷静を無理に繕う表情が浮かんでいたのだが、すぐにフェランドとガイアに静かに視線を向けて言葉を口にする。それは騎士としてではない、軍師としてでもない、1人の人間として思っている事から出た言葉である。
「私は正直希望を担うのはエヴァ様と総団長だけだと思っていました。でも、だからこそ貴方方の存在がこうして希望を増やす意味合いでは私にも希望を与えていると言っても過言ではありません。貴方方がこの先、オルガスタンを希望で包んでいくのであればそれの協力が出来ればきっと自分に自信を持てると思うんです」
「アベルゾさんが自分に自信に持ててない? そんなの冗談じゃ……」
「アベルゾさんはそんな事を言うなんて思いませんでした。でも、そんなに自信無さそうには見えませんけれど」
「ははっ、そんな風に見えていましたか。ですが、私は軍師騎士として肩書を頂いておりますが剣の方はそんなんでもないんですよ? 皆さんより知識が豊富なだけですよ」
軍師とあって説明をしながらもアベルゾはどこかに視線を向けて細める。するとガイアとフェランドの背後にスッと何かの気配が現れて2人を襲い始める。
ガイアとフェランドは剣を引き抜こうとするが間に合わない、攻撃を受ける! と思った2人への攻撃を阻止したのはアベルゾの剣だった。ガキンと剣に金属音が響き2人の背後に陣取ったアベルゾは襲い掛かってきた気配の主を見つめる。
襲ってきた気配はモンスターであり、姿を確認すると豹の様なしなやかな身体を持って、鋭い牙と爪を使っての攻撃を得意とする「ボル」と呼ばれるモンスターであった。アベルゾの剣に爪を食い込ませているボルは唸り声を上げながら剣を折ろうとするがアベルゾは冷静に動きながらボルの身体を横一線に切り裂いた。
「っ」
「凄い……」
「大丈夫ですか?」
「アベルゾさん、剣に自信ないって嘘じゃないですか?」
「ボルを一撃なんて普通に考えれば出来ないですよ」
「ふふっ、あのボルは爪攻撃と牙攻撃しかありませんから、物理攻撃は剣で塞げますからね。気配を感知して先制攻撃を凌げればそう怖がる事はありませんから」
「でも、普通に腕もあるじゃないですか。自信持ててないなんて嘘ですよ~」
「アベルゾさん、色々と俺達に足りない部分を指導してはもらえませんか? 俺もフェランドもまだまだ足りない部分が多いし、それに俺達はもっと強くなりたいんです」
「私の知識とルーデリッシュがいる時は彼に剣を学ぶのがいいです。他の騎士にも学ぶべき点は多くあります。彼らとの交流も大事ですよ」
「「はいっ」」
アベルゾの言葉にガイアとフェランドも大きく頷く。そして、ルーデリッシュが先行して向かった抜け道である谷底への道へ向かう為の移動を開始する。
静かな森の中を愛馬であるディークとハイクに乗ったガイアとフェランドは警戒を最大にしながらも谷底に続く崖道を走っていく。アベルゾと2人の騎士がガイアとフェランドの背後を守り、それ以外の騎士がガイアとフェランドの先頭を守る様に走っている。
谷底へ無事に着いてルーデリッシュが合流を示した場所へと向かっているとパラパラと小石類が頭上から落ちてくる。それで異変に気付いて騎士達が顔を上に向ける。
「ドルフィンドだ! 頭上に注意しろ!」
「鳥類系のモンスターです。飛行タイプですので狙うは翼を集中して攻撃して下さい」
「ガイア、飛べ!」
「飛ばせよ!」
「おいおい、ありかそれ」
「やるなぁ」
フェランドの剣にディークの背から飛び上がって片足を乗せたガイアをフェランドはハイクに乗ったままブンッ! っと腕を回してガイアを空へと吹き飛ばす。その行動に他の騎士達も驚きながらもサポートする様に攻撃をし始める。
ドルフィンドは大きな翼を広げて身体を巨大の様に見せ付けているが騎士達はそんなのにも動じない。剣で翼を攻撃していき徐々に翼の機能を奪っていき地上へと落とすとドルフィンドは成す術もなく撃破される。
1頭のドルフィンドは撃破されたが、残りは3頭。騎士達はそれぞれ1頭ずつに分かれて攻撃を開始、ガイアとフェランドもドルフィンドの攻撃を回避しながら翼に適切に攻撃をしていく。
「最後の1頭!!」
「終わりだぁ!!」
「よーし、敵もいないようだな。新人、大丈夫か?」
「はい。馬上での攻撃にはまだまだ慣れてませんが、慣れていかないと」
「そう気負う必要はない。まずは愛馬との呼吸を合わせる必要があるんだ。騎士と愛馬の呼吸は大事だから気を付けておけよ」
「はい」
「ガイア君、フェランド君」
「なんですか?」
「??」
アベルゾの背後から合流地点で待っている筈のルーデリッシュが姿を見せる。どうしてここにいるんだろうかとガイアとフェランドは首を傾げる。
ルーデリッシュが口元に指先を持って行き「静かに」とのジェスチャーをすると、その場にいる全員が静かになった。アベルゾが小声で現状を説明し始める。
「オルターナの国境は超えているそうなんですが、モンスターの軍隊が正規ルートで移動をし始めているのが確認された様です。その軍団を率いているのは魔族だとは思います」
「それは見逃すのは出来ないとは思いますが、戦力差があるから無理に挑めないですか」
「それに俺達はオルターナ奪還だから、軍隊がオルターナを離れている以上今が奪還のタイミングだと思います。アベルゾさんはどう見ますか?」
「私も同意です。出来る限り明るい内に谷を移動して闇に身を隠して国内へと入る必要があるでしょう。そこで国内内部へ侵入する騎士を選ばないといけません」
「俺達が行きましょうか」
「俺達が一番適任だと思いますので」
「レン、ウォッル、君達が行ってくれますか?」
「侵入は得意ですから、ウォッルと俺に任せてください」
「内部から門を解放して入れる様にします。なら先行します」
金髪の短い髪を持つレン、茶髪の短い髪を持つウォッルは剣の柄を撫でながら馬でオルターナ国内への侵入を行いに行く。ガイアとフェランドは先行していく2人を見送りアベルゾとルーデリッシュへと視線を向ける。
国内にまず入らないといけないのが最低条件ではあるが、まずその前に近場にまで移動が必須条件。ガイアとフェランドはアベルゾとルーデリッシュに頷いて移動を開始し始める。
そして、オルターナ国内にレン達が入ったの頃合いを計ってガイア達は国外の門近くまで移動すると合図を待つ。闇に染まった空にギギギっと静かな音が響き始めると同時に門が開き始める。
「それでは入っていきましょう。国内もモンスターが溢れているでしょうから警戒しながら行きましょう」
「先行したレンさんとウォッルさんとの合流もしないと」
「夜の間にどれだけ国内の状況を把握出来るか、それが鍵になる」
「よし、行こう。迅速行動だ」
アベルゾを背後に、先頭にルーデリッシュ、中央にガイアとフェランドの姿があった。中心地を通らないで外周を回って行きながらまずはレンとウォッルの回収をしていく必要があるとアベルゾの判断で動き始める。
出来る限り戦闘は避けて体力を温存して移動をしていく。そして、オルターナの城内ではガイアとフェランド達の姿を映した鏡が妖しい光を放っていくと1人の女性がその鏡に手を添えて口元に冷笑を浮かべる。
オルターナを支配する魔物「デデル」がガイア達を捕捉していた。いよいよオルターナの国内に入ったガイアとフェランドはこの先に待っている戦いに身を飛び込ませていくのであった――――。
軍師騎士のアベルゾと共にガイアとフェランドに同行してくれている騎士のメンツはバランスよく構成された構成になっている。メンツの中でもアベルゾと同等のレベルの騎士は彼、ルーデリッシュという騎士。
「アベルゾ」
「どうでしたか?」
「やはり危惧していた様にオルターナの国境は崩されている。突破するのは無理だ」
「どうかしたんですか?」
「オルターナに通じる道をルーデリッシュに先行して確認してもらってきたんですが……殆どの道が封鎖か崩されている状態のようです」
「それじゃ簡単にはオルターナへは行けない、って事ですか」
「えぇ、どうにか通れる道を探す必要があるのですが……」
「ガイア! アベルゾさん!」
「フェランド? どうした?」
「どうしたのですか?」
「この老人が通り道を教えてくれるそうです。オルターナの住民だそうです」
「オルターナをお救いしてくれると聞きました。私の知識で良ければお役に立てればと思いますが……」
「詳しくお話して下さりませんか? ガイア君、いいですね?」
「はい。お願いします」
老人の手によりオルターナへ繋がる道を示している地図に通り抜け出来る道を書き足される。そのルートは緩やかな曲線を描いた道ではあるが幅を考えると谷底だと言うのは分かってしまう。
老人が書き足す作業を終わるとアベルゾは地図を確認するとルーデリッシュに何かを話をし始める。ガイアとフェランドはこの道を通ってオルターナに向かう事を認識するとアベルゾは静かにガイアとフェランドに振り向く。
「この谷底に罠がないとも限りませんがルーデリッシュに先行して確認してもらいます。私達は慎重に進んでルーデリッシュに合流して突破しましょう」
「はい。了解しました」
「まずはルーデリッシュさんに負担を掛けてしまうのが申し訳ないですが。俺達もある程度距離を稼いで合流をするしかないですね」
「ルーデリッシュの事を少しお話しておくべきですね。貴方方はまだ彼や他の騎士達の事は知らないでしょう?」
「あ、そうですね。名前と身分だけはお話して覚えてはいますが……」
「でも、今考えたら総団長も無理をしたんじゃないか? って思います」
「恐らく総団長は今回の奪還にある種の賭けをしているんだと思います。貴方方に希望を託す意味もありますが、オルターナが奪還した後の行動に何かを賭けているのだと思います。だから主力に近い騎士達を同行させたんだと思いますよ」
アベルゾの顔には少し冷静を無理に繕う表情が浮かんでいたのだが、すぐにフェランドとガイアに静かに視線を向けて言葉を口にする。それは騎士としてではない、軍師としてでもない、1人の人間として思っている事から出た言葉である。
「私は正直希望を担うのはエヴァ様と総団長だけだと思っていました。でも、だからこそ貴方方の存在がこうして希望を増やす意味合いでは私にも希望を与えていると言っても過言ではありません。貴方方がこの先、オルガスタンを希望で包んでいくのであればそれの協力が出来ればきっと自分に自信を持てると思うんです」
「アベルゾさんが自分に自信に持ててない? そんなの冗談じゃ……」
「アベルゾさんはそんな事を言うなんて思いませんでした。でも、そんなに自信無さそうには見えませんけれど」
「ははっ、そんな風に見えていましたか。ですが、私は軍師騎士として肩書を頂いておりますが剣の方はそんなんでもないんですよ? 皆さんより知識が豊富なだけですよ」
軍師とあって説明をしながらもアベルゾはどこかに視線を向けて細める。するとガイアとフェランドの背後にスッと何かの気配が現れて2人を襲い始める。
ガイアとフェランドは剣を引き抜こうとするが間に合わない、攻撃を受ける! と思った2人への攻撃を阻止したのはアベルゾの剣だった。ガキンと剣に金属音が響き2人の背後に陣取ったアベルゾは襲い掛かってきた気配の主を見つめる。
襲ってきた気配はモンスターであり、姿を確認すると豹の様なしなやかな身体を持って、鋭い牙と爪を使っての攻撃を得意とする「ボル」と呼ばれるモンスターであった。アベルゾの剣に爪を食い込ませているボルは唸り声を上げながら剣を折ろうとするがアベルゾは冷静に動きながらボルの身体を横一線に切り裂いた。
「っ」
「凄い……」
「大丈夫ですか?」
「アベルゾさん、剣に自信ないって嘘じゃないですか?」
「ボルを一撃なんて普通に考えれば出来ないですよ」
「ふふっ、あのボルは爪攻撃と牙攻撃しかありませんから、物理攻撃は剣で塞げますからね。気配を感知して先制攻撃を凌げればそう怖がる事はありませんから」
「でも、普通に腕もあるじゃないですか。自信持ててないなんて嘘ですよ~」
「アベルゾさん、色々と俺達に足りない部分を指導してはもらえませんか? 俺もフェランドもまだまだ足りない部分が多いし、それに俺達はもっと強くなりたいんです」
「私の知識とルーデリッシュがいる時は彼に剣を学ぶのがいいです。他の騎士にも学ぶべき点は多くあります。彼らとの交流も大事ですよ」
「「はいっ」」
アベルゾの言葉にガイアとフェランドも大きく頷く。そして、ルーデリッシュが先行して向かった抜け道である谷底への道へ向かう為の移動を開始する。
静かな森の中を愛馬であるディークとハイクに乗ったガイアとフェランドは警戒を最大にしながらも谷底に続く崖道を走っていく。アベルゾと2人の騎士がガイアとフェランドの背後を守り、それ以外の騎士がガイアとフェランドの先頭を守る様に走っている。
谷底へ無事に着いてルーデリッシュが合流を示した場所へと向かっているとパラパラと小石類が頭上から落ちてくる。それで異変に気付いて騎士達が顔を上に向ける。
「ドルフィンドだ! 頭上に注意しろ!」
「鳥類系のモンスターです。飛行タイプですので狙うは翼を集中して攻撃して下さい」
「ガイア、飛べ!」
「飛ばせよ!」
「おいおい、ありかそれ」
「やるなぁ」
フェランドの剣にディークの背から飛び上がって片足を乗せたガイアをフェランドはハイクに乗ったままブンッ! っと腕を回してガイアを空へと吹き飛ばす。その行動に他の騎士達も驚きながらもサポートする様に攻撃をし始める。
ドルフィンドは大きな翼を広げて身体を巨大の様に見せ付けているが騎士達はそんなのにも動じない。剣で翼を攻撃していき徐々に翼の機能を奪っていき地上へと落とすとドルフィンドは成す術もなく撃破される。
1頭のドルフィンドは撃破されたが、残りは3頭。騎士達はそれぞれ1頭ずつに分かれて攻撃を開始、ガイアとフェランドもドルフィンドの攻撃を回避しながら翼に適切に攻撃をしていく。
「最後の1頭!!」
「終わりだぁ!!」
「よーし、敵もいないようだな。新人、大丈夫か?」
「はい。馬上での攻撃にはまだまだ慣れてませんが、慣れていかないと」
「そう気負う必要はない。まずは愛馬との呼吸を合わせる必要があるんだ。騎士と愛馬の呼吸は大事だから気を付けておけよ」
「はい」
「ガイア君、フェランド君」
「なんですか?」
「??」
アベルゾの背後から合流地点で待っている筈のルーデリッシュが姿を見せる。どうしてここにいるんだろうかとガイアとフェランドは首を傾げる。
ルーデリッシュが口元に指先を持って行き「静かに」とのジェスチャーをすると、その場にいる全員が静かになった。アベルゾが小声で現状を説明し始める。
「オルターナの国境は超えているそうなんですが、モンスターの軍隊が正規ルートで移動をし始めているのが確認された様です。その軍団を率いているのは魔族だとは思います」
「それは見逃すのは出来ないとは思いますが、戦力差があるから無理に挑めないですか」
「それに俺達はオルターナ奪還だから、軍隊がオルターナを離れている以上今が奪還のタイミングだと思います。アベルゾさんはどう見ますか?」
「私も同意です。出来る限り明るい内に谷を移動して闇に身を隠して国内へと入る必要があるでしょう。そこで国内内部へ侵入する騎士を選ばないといけません」
「俺達が行きましょうか」
「俺達が一番適任だと思いますので」
「レン、ウォッル、君達が行ってくれますか?」
「侵入は得意ですから、ウォッルと俺に任せてください」
「内部から門を解放して入れる様にします。なら先行します」
金髪の短い髪を持つレン、茶髪の短い髪を持つウォッルは剣の柄を撫でながら馬でオルターナ国内への侵入を行いに行く。ガイアとフェランドは先行していく2人を見送りアベルゾとルーデリッシュへと視線を向ける。
国内にまず入らないといけないのが最低条件ではあるが、まずその前に近場にまで移動が必須条件。ガイアとフェランドはアベルゾとルーデリッシュに頷いて移動を開始し始める。
そして、オルターナ国内にレン達が入ったの頃合いを計ってガイア達は国外の門近くまで移動すると合図を待つ。闇に染まった空にギギギっと静かな音が響き始めると同時に門が開き始める。
「それでは入っていきましょう。国内もモンスターが溢れているでしょうから警戒しながら行きましょう」
「先行したレンさんとウォッルさんとの合流もしないと」
「夜の間にどれだけ国内の状況を把握出来るか、それが鍵になる」
「よし、行こう。迅速行動だ」
アベルゾを背後に、先頭にルーデリッシュ、中央にガイアとフェランドの姿があった。中心地を通らないで外周を回って行きながらまずはレンとウォッルの回収をしていく必要があるとアベルゾの判断で動き始める。
出来る限り戦闘は避けて体力を温存して移動をしていく。そして、オルターナの城内ではガイアとフェランド達の姿を映した鏡が妖しい光を放っていくと1人の女性がその鏡に手を添えて口元に冷笑を浮かべる。
オルターナを支配する魔物「デデル」がガイア達を捕捉していた。いよいよオルターナの国内に入ったガイアとフェランドはこの先に待っている戦いに身を飛び込ませていくのであった――――。
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