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ここには居られないから
いつかの
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初めて世界というものが見えたのは、灰色の空の下だった。空襲で焼け野原になった大地と、くすんだ空の間に、世界はあった。明るい茶色の髪が輝いていて、まるで同胞には見えない美しさを放っていた。皆逃げるのに必死なのに、その人だけは空を見ていた。両腕は力無く垂れ、空を見上げる目から涙を零す。
私はただ、見つめていた。その場から動けなかった。私と彼の間だけ時間が止まってしまったから。捕らわれた私は永遠を繰り返すためにどんな存在にでもなれた。怖いものなんてなくなってしまって、そしてとてもとても怖くなった。ただ彼を失うことが、手に入れてもいないのに失うことが恐ろしい。
粉塵が届くほど近くに落とされた爆弾が、もう少し私達に近づいて破片が彼の頭の形を壊した時、この世界もまた壊れたのだ。
私はただ、見つめていた。その場から動けなかった。私と彼の間だけ時間が止まってしまったから。捕らわれた私は永遠を繰り返すためにどんな存在にでもなれた。怖いものなんてなくなってしまって、そしてとてもとても怖くなった。ただ彼を失うことが、手に入れてもいないのに失うことが恐ろしい。
粉塵が届くほど近くに落とされた爆弾が、もう少し私達に近づいて破片が彼の頭の形を壊した時、この世界もまた壊れたのだ。
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