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第七話〜苦い青春⑤〜※
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一枚一枚服を脱ぐ音が聞こえる度に、心臓が激しく波打つ。
目の前で顕になった身体は、思っていたよりもずっと逞しくて色っぽくて。
そんな彼とは対照的な、プニプニのだらしない身体は見られたくなくて、服を脱いだらすぐ布団に潜った。
『絃ちゃん……本当に良いの?』
『やっぱり私相手だと、そんな気にならないか!』
ヘラヘラして冗談めいた口調で返せば、真剣な顔で『そんな事ない』と言う彼に唇を塞がれた。
ほっしーは掛け布団を捲ると、布団ごと私に覆い被さる。
漫画やテレビでの知識しかないけど、この後どうするのかくらい私だって知っている。
どんな反応をすれば、相手を喜ばせる事が出来るのかも。
伊達に友人達の惚気話を聞いてきた訳ではない。
今まで誰とも付き合った事のない、耳年増のモテない女を舐めるなよ。
どれだけほっしーの事で拗らせてると思ってるんだ。
相手に合わせて舌を絡ませ、腕は広い背中に回せばいい。
時々自分から漏れる甘い声は、驚くほど自然に口から出たもの。
考えていた演技なんて、これっぽっちも必要なかった。
『気持ちいい?』
『……うん』
『絃ちゃん濡れてる』
『……そんな事、わざわざ実況せんでいい!』
『そっか……』
私達は彼氏彼女じゃない。
それなら、カッコつける必要も甘い雰囲気も一切必要ない。
彼のおでこに軽くデコピンすると、ハハッとほっしーは力無く笑った。
『そろそろ挿れるね』
多分、彼は慣れている。
だって、財布の中にちゃんと持ってるんだもの。
アレを。
『いっっっ……!』
たぁぁーーい!!
いたい、痛い、イタイ。
覚悟はしてたけど、流石にこんなに痛いのは聞いてない!
こじ開けるような痛みで、眉間に深い皺が寄る。
『え、もしかして初めて?』
腰をゆっくり沈めながら、ほっしーは目を見開き、ごくりと生唾を飲んだ。
むしろ、今の今まで処女だってバレなかったのに驚きなんだけど。
お兄ちゃんのエッチな漫画、こっそり熟読しておいて良かった。
まさかこんなところで役立つとは。
『初めてだけど大丈夫。気にしないで』
『知ってたら、もっと優しくしたのに』
『充分優しくしてくれたよ』
『っっ……!』
銀色のほわほわした柔らかい髪に手を伸ばすと、ハッと息を呑んだほっしーが、涙を堪えるみたいに眉根を寄せる。
どうして君がそんなに辛そうな顔をするの?
処女だから、私の身体を心配してくれたとか?
優しいほっしー。
大丈夫だよ。
〝責任取れ〟なんて口が裂けても言わないから、安心して。
君が少しでも辛い事忘れて楽になってくれたら、私はそれだけで幸せなんだ。
『お願い。やめないで?』
可愛い女子みたいに上目遣いでおねだりすれば、彼はゆるゆると抽送を始めた。
『んっ……ぁ、あ、あぁっ……!』
覆い被さる温もりが優しくて心地良い。
まるで彼女になったみたいな気分。
初めてが好きな人と出来て良かった。
最初で最後のこの瞬間――今のうちに思う存分堪能しておこう。
目の前で顕になった身体は、思っていたよりもずっと逞しくて色っぽくて。
そんな彼とは対照的な、プニプニのだらしない身体は見られたくなくて、服を脱いだらすぐ布団に潜った。
『絃ちゃん……本当に良いの?』
『やっぱり私相手だと、そんな気にならないか!』
ヘラヘラして冗談めいた口調で返せば、真剣な顔で『そんな事ない』と言う彼に唇を塞がれた。
ほっしーは掛け布団を捲ると、布団ごと私に覆い被さる。
漫画やテレビでの知識しかないけど、この後どうするのかくらい私だって知っている。
どんな反応をすれば、相手を喜ばせる事が出来るのかも。
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今まで誰とも付き合った事のない、耳年増のモテない女を舐めるなよ。
どれだけほっしーの事で拗らせてると思ってるんだ。
相手に合わせて舌を絡ませ、腕は広い背中に回せばいい。
時々自分から漏れる甘い声は、驚くほど自然に口から出たもの。
考えていた演技なんて、これっぽっちも必要なかった。
『気持ちいい?』
『……うん』
『絃ちゃん濡れてる』
『……そんな事、わざわざ実況せんでいい!』
『そっか……』
私達は彼氏彼女じゃない。
それなら、カッコつける必要も甘い雰囲気も一切必要ない。
彼のおでこに軽くデコピンすると、ハハッとほっしーは力無く笑った。
『そろそろ挿れるね』
多分、彼は慣れている。
だって、財布の中にちゃんと持ってるんだもの。
アレを。
『いっっっ……!』
たぁぁーーい!!
いたい、痛い、イタイ。
覚悟はしてたけど、流石にこんなに痛いのは聞いてない!
こじ開けるような痛みで、眉間に深い皺が寄る。
『え、もしかして初めて?』
腰をゆっくり沈めながら、ほっしーは目を見開き、ごくりと生唾を飲んだ。
むしろ、今の今まで処女だってバレなかったのに驚きなんだけど。
お兄ちゃんのエッチな漫画、こっそり熟読しておいて良かった。
まさかこんなところで役立つとは。
『初めてだけど大丈夫。気にしないで』
『知ってたら、もっと優しくしたのに』
『充分優しくしてくれたよ』
『っっ……!』
銀色のほわほわした柔らかい髪に手を伸ばすと、ハッと息を呑んだほっしーが、涙を堪えるみたいに眉根を寄せる。
どうして君がそんなに辛そうな顔をするの?
処女だから、私の身体を心配してくれたとか?
優しいほっしー。
大丈夫だよ。
〝責任取れ〟なんて口が裂けても言わないから、安心して。
君が少しでも辛い事忘れて楽になってくれたら、私はそれだけで幸せなんだ。
『お願い。やめないで?』
可愛い女子みたいに上目遣いでおねだりすれば、彼はゆるゆると抽送を始めた。
『んっ……ぁ、あ、あぁっ……!』
覆い被さる温もりが優しくて心地良い。
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初めてが好きな人と出来て良かった。
最初で最後のこの瞬間――今のうちに思う存分堪能しておこう。
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