婚約者は、真実の愛だと言って他の令嬢と浮気をしました。そうして私は婚約破棄されましたが…存分に後悔してください。

久遠りも

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「......婚約破棄をしてくれ、頼む。」

「...っえ?
......すみません、もう一度言ってもらっても......?」

「...だから、婚約破棄をしてくれ!
真実の愛を...見つけてしまったんだ!!
......もう彼女とは恋愛を始めている、後は君と婚約破棄をするだけなんだ!!
...僕はもう、君の気持ちに応えることはできない!」

婚約者が言ったその言葉に、私は呆然とした。
...真実のお相手とは、もう恋愛を始めている...って言った?
......実質浮気じゃない...!

「...で、ですが!
もう両親に結婚の挨拶も済ませていますでしょう!?
......今更、どう説明すれば...! ...考え直してはいただけませんでしょうか...!?」

今まで、私は必死に勉学や作法に取り組んできた。
...それも全て、婚約者のため。 ......なのに、今更そんなことを言われても......!!

「...だが、仕方ないだろう!?
好きじゃない相手と結婚なんかできるものか!」

彼の一言が、私の心にズキズキと刺さった。
......もう私のことは好きじゃない...のですね。

「...わかりました。
婚約破棄、しましょう。」

「あぁ、そうさせてもらう。
家は、彼女の家に同居するのでそのままお前が使って大丈夫だ。」

そうして、彼は出て行ってしまった。
......一人、広くなった部屋を見て、なんだか虚しくなってしまった。

_____


私が身勝手な理由で婚約破棄されたことを両親に伝えると、両親は怒りで赤くなっていた。
彼の両親も、「なんて息子は馬鹿なことをしたのか」と悲しんでいるようで、結納金になるはずだったお金をくれたらしい。


(......だけど、お金じゃ心は満たされないのよね。)

両親も私に気を遣ってか、新しい縁談を持ち掛けてくれた。


そうして、縁談の中で気になる男性が出来た。
紳士的な男性で、なにより誠実そうだった。

こうして、縁談の話は進み、私は気になる男性と婚約することが出来た。

...正直、元婚約者の傷は癒えないけれど......失恋は新しい恋で埋めろって言うし......?

_____

あのあと......私は今の婚約者と愛し合っています。
「この人と支え合っていきたい」そう思えるような男性でした。



......あまり元婚約者のことは話したくないのですが...。
『真実の愛』のお相手は、色々な男性に貢いでもらっていたんですって。
元婚約者も『真実の愛』を囁かれて勘違いしてしまった男性の一人だったらしいです。
...なので、すぐに玉砕して『真実の愛』は終わってしまったようです。
......自業自得というか...ただ馬鹿な人でしたね。
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