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4.家族との決別(後編)

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「...あぁ、そうだ。
この場でメーリンに謝罪したら...少しくらいは用意しますけど。」

私も家族も、その周りにいる人々までが。
リベルバ辺境伯の言葉に驚いた。 ...いや、驚いたというよりかは、恐怖の方があるのかもしれない。

「ッ...それは、どういう意味で...?」
わざと父がとぼけるように言うと、リベルバ辺境伯は迫真の表情で、
「分かっているんだろ、謝罪するのか...しないのか。 早くはっきりさせてくださいよ。」

 (...別に、私としては謝罪なんて求めていないのだけれど...。)

もともと、シャンティ家はこれから路頭に迷う可能性のある男爵家だ。 ...なんせ、姉の婚約者が、姉の義妹と浮気をしていたという事実が今明るみに出てしまったからだ。

「...メーリン。」
父が謝るのかと、そう思った時に。
「お父さま!! お姉さまに謝る必要なんてありませんわ!!! 
辺境伯の力を借りないと何もできない、非力なお姉さまになんて!」
義妹が、謝罪を阻んだ。

「...そうだな、謝ることはしない。」

非道な家族の決断に、私は少しショックだった。
...ただ、私以上に怒っていたのは、リベルバ辺境伯だった。

「...そう。 じゃあこのことは、貴族...社交界みんなに知らせていいんですよね?
...まぁ、辺境伯の妻が決まるのだから、当然だよ? 貴方たちの非道っぷりは、あくまでですよ?」

家族たちは、この空気に耐え切れなくなったようで、
「うっ...うるさいぞ!! 位が高いからって、偉そうにしやがって!!」
「覚えてなさい~~~~!!」
と漫画のような捨て台詞を吐いて、逃げて行った。


リベルバ辺境伯は少し残念そうに、
「あーあ。 行っちゃったね。」
「...そうですね。」
とだけ、言っておいた。

 (...この件で、リベルバ辺境伯を怒らせてはいけないのだと身に染みて分かった......。)
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