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3. 家族との決別 (前編)
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_前日、メーリン・シャンティはひょんなことからリベルバ・リメールのお飾りの妻(仮)となった。
_____
「...さて、と。
お飾りの妻になることを承諾してくれたのはいいんだけど...。」
「まずは、君の婚約者に婚約破棄をしてもらわなければね。」
(...そうだった。 まずは、カイトと婚約破棄しないといけないんだった。)
リベルバ辺境伯は、一応メーリンに問いかけた。
「...カイト君、だっけ? カイト君には、未練はない?」
(...私にとっては、今更カイトなんてどうでもいいのだけど...。)
「未練など、ありませんよ。 ...それよりも、私はカイトと家族から逃げたい。」
その言葉を聞くと、リベルバ辺境伯は満足したように、
「ん、わかった。 じゃ、カイト君に婚約破棄を告げにいこっか?」
(...そんなこと、本当にできるのかしら...。)
私が不安になっているのを察したのか、リベルバ辺境伯は、
「任せて。 これでも、辺境伯だし。」
という謎の発言を残して、私たちは会場に戻った。
_____
_私とリベルバ辺境伯は、カイトを探していた。
「カイト君とやらは、どこにいるんだい?」
「...多分、私の家族と一緒にいると思いますが.....。」
「...あ、 あの人かい?」
リベルバ辺境伯が指さした先には、カイトがいた。
「そ、そうです!その人です!」
メーリンがそう言うと、リベルバ辺境伯は、
「分かった。 メーリンは来なくていい。 ...僕が伝えてくるね?」
_____
(...リベルバ辺境伯、大丈夫かな...。)
あれから、30分ほど経っているが、一向に帰ってくる様子がない。
「ただいま。
最後に、家族が話したいって言っているけど、君は話したい?」
気づくと、リベルバ辺境伯が帰ってきていた。
「...わかりました。 少しだけ、なら。」
私は、家族と元婚約者のところへ向かった。
「め、メーリン...!!」
私に気づいてからすぐに声を上げたのは、元婚約者のカイトだった。
(...元婚約者なのだから、多少傷つけても良いわよね...??)
「...何ですか? 元婚約者さん。」
そう言って見せると、カイトはショックを受けた様子だった。
「い、いやだ!! 僕は婚約破棄しない...!!」
(なにをいまさら...。)
「もともと浮気をしたのは貴方でしょう?
...あぁ、失礼。『妹と仲良くなるための行為』...でしたっけ??」
「うるさいっ!!君が何と言おうと、絶対に婚約破棄なんてしないからな......!!」
(...できれば人のいないところで話したかったわね...。)
メーリンたちの周りには、見物客が出来ていた。
メーリンが元婚約者の我儘っぷりに呆れていると、今まで傍観していたリベルバ辺境伯が話した。
「君に拒否権なんてないね。 だって、僕はこれからメーリンと婚約するのだから。」
突然の発表に、私たち家族以外の、パーティーの参加者までもがざわめいた。
...もちろん、メーリンの家族も例外ではなかった。
「り、リベルバ辺境伯!!! その話は本当ですか!?
それなら、我が家に結納金などは...!?」
(...娘のことには一切触れないのね。)
父親のふざけた態度に、リベルバ辺境伯はキッ、と睨んで。
「...結納金? メーリンをそれだけ苦しめておきながら、図々しくないですかね?」
リベルバ辺境伯の美貌も相まって、誰もが恐怖で動けなくなった。
「...あぁ、そうだ。
この場でメーリンに謝罪したら...少しくらいは用意しますけど。」
__リベルバ辺境伯の言葉に、メーリンの家族は...?
_____
「...さて、と。
お飾りの妻になることを承諾してくれたのはいいんだけど...。」
「まずは、君の婚約者に婚約破棄をしてもらわなければね。」
(...そうだった。 まずは、カイトと婚約破棄しないといけないんだった。)
リベルバ辺境伯は、一応メーリンに問いかけた。
「...カイト君、だっけ? カイト君には、未練はない?」
(...私にとっては、今更カイトなんてどうでもいいのだけど...。)
「未練など、ありませんよ。 ...それよりも、私はカイトと家族から逃げたい。」
その言葉を聞くと、リベルバ辺境伯は満足したように、
「ん、わかった。 じゃ、カイト君に婚約破棄を告げにいこっか?」
(...そんなこと、本当にできるのかしら...。)
私が不安になっているのを察したのか、リベルバ辺境伯は、
「任せて。 これでも、辺境伯だし。」
という謎の発言を残して、私たちは会場に戻った。
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_私とリベルバ辺境伯は、カイトを探していた。
「カイト君とやらは、どこにいるんだい?」
「...多分、私の家族と一緒にいると思いますが.....。」
「...あ、 あの人かい?」
リベルバ辺境伯が指さした先には、カイトがいた。
「そ、そうです!その人です!」
メーリンがそう言うと、リベルバ辺境伯は、
「分かった。 メーリンは来なくていい。 ...僕が伝えてくるね?」
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(...リベルバ辺境伯、大丈夫かな...。)
あれから、30分ほど経っているが、一向に帰ってくる様子がない。
「ただいま。
最後に、家族が話したいって言っているけど、君は話したい?」
気づくと、リベルバ辺境伯が帰ってきていた。
「...わかりました。 少しだけ、なら。」
私は、家族と元婚約者のところへ向かった。
「め、メーリン...!!」
私に気づいてからすぐに声を上げたのは、元婚約者のカイトだった。
(...元婚約者なのだから、多少傷つけても良いわよね...??)
「...何ですか? 元婚約者さん。」
そう言って見せると、カイトはショックを受けた様子だった。
「い、いやだ!! 僕は婚約破棄しない...!!」
(なにをいまさら...。)
「もともと浮気をしたのは貴方でしょう?
...あぁ、失礼。『妹と仲良くなるための行為』...でしたっけ??」
「うるさいっ!!君が何と言おうと、絶対に婚約破棄なんてしないからな......!!」
(...できれば人のいないところで話したかったわね...。)
メーリンたちの周りには、見物客が出来ていた。
メーリンが元婚約者の我儘っぷりに呆れていると、今まで傍観していたリベルバ辺境伯が話した。
「君に拒否権なんてないね。 だって、僕はこれからメーリンと婚約するのだから。」
突然の発表に、私たち家族以外の、パーティーの参加者までもがざわめいた。
...もちろん、メーリンの家族も例外ではなかった。
「り、リベルバ辺境伯!!! その話は本当ですか!?
それなら、我が家に結納金などは...!?」
(...娘のことには一切触れないのね。)
父親のふざけた態度に、リベルバ辺境伯はキッ、と睨んで。
「...結納金? メーリンをそれだけ苦しめておきながら、図々しくないですかね?」
リベルバ辺境伯の美貌も相まって、誰もが恐怖で動けなくなった。
「...あぁ、そうだ。
この場でメーリンに謝罪したら...少しくらいは用意しますけど。」
__リベルバ辺境伯の言葉に、メーリンの家族は...?
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