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1.浮気
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「...え?」
メーリン・シャンティは愕然とした。
なぜなら、目の前で自分の婚約者が、妹と浮気しているところを見てしまったからだ。
_____
_煌びやかなパーティー会場。
その会場でただ一人、メーリン・シャンティは憂鬱な表情を浮かべていた。
「メーリン! 早く来なさい。
せっかくシャルネがドレスを着てるんだから...貴方はその引き立て役でしょ!?」
「そうだよ、お姉さま! 何のためにお姉さまに地味なドレスを着させたか分かってる!?」
「お姉ちゃんなんだから、しっかりしなさい。」
...家族がいるからこそ、メーリン・シャンティは憂鬱だった。
ずっと前から、メーリンは家族に虐げられている。
(きっと、家族は虐めているつもりはないんだろうけど...。
...私からしたら、迷惑で仕方がない。)
そんなメーリンにも、心の支えである人物がいた。
「メーリン...無理しなくていいんだからね?
僕はメーリンの味方だよ。」
そっと優しく声をかけるのは、メーリンの婚約者である、カイト・ラートン。
「...ありがとう、カイト。
でも、カイトがいてくれる限り、大丈夫だよ!」
(ただ、正直に言うと...。
今日のパーティーは、いつにも増して嫌な予感がしてたまらない。
特に、カイトがよそよそしい気がする...。)
_____
メーリンの嫌な予感は外れたのか、何事もなくパーティーは進んでいく。
家族も外面は良いため、基本的には問題は起きない。
(...お願いだから、楽しいパーティーにさせて、)
妹が言った。
「ねえ、せっかくだから...私、カイトさんとお喋りしてみたいわ!」
その妹の一言に、カイトはちらっとこちらを見た。
きっと、姉を虐める妹とお喋りしていいものか迷っているのだろう。
「あら、いいじゃない!
シャルネはカイトさんとあんまり喋ってなかったものね!」
(...たしかに、母の言う通り、妹はカイトとあまり喋ったことがない。
まぁ...ちょっとだけなら良いのかしら? ここで断るのも不自然だよね、?)
「わかったわ。
...絶対に変なことは言わないでよ?」
妹は少し不満だったのか、
「ぶー!!お姉さまのケチー!」
と言われた。
妹の我儘はそれだけじゃなく、カイトとパーティーを二人っきりで回りたいというのだ。
メーリンは、それはさすがに...と思ったが、両親が「お姉ちゃんなら少しは我慢しなさいよ」と言ってくるので、仕方なく了承してしまった。
「ありがと!お姉さま。 さ、カイトさん、一緒に回りましょ~?」
「あ、うん...。
ごめんね、メーリン 行ってくるね!」
(少し心配だったけど...カイトはしっかりしてるし、大丈夫だよね、?)
_____
メーリンは両親と一緒に回っていて、そろそろ合流しようとカイトとシャルネを探していた。
だけど、探しても見つからない。
メーリンと両親は、手分けして探すことにした。
少し時間が経ったあとに、カイトとシャルネを見つけた。
「あ、いたいた。
カイト、シャル.....え?」
メーリン・シャンティは愕然とした。
なぜなら、目の前で自分の婚約者が、妹と浮気しているところを見てしまったからだ。
パーティー会場の誰も居ない廊下で、婚約者は妹とキスをしていた。
メーリンはまず先に、怒りが沸いてきた。
「ちょっと、カイト!!
何してるの!? なんで、私の妹とキスしてるの!?」
「あぁ、お姉さま? やっと来たの?」
メーリンには、妹の声は聞こえなかった。
最愛の婚約者が、妹に手を出すなんて、メーリンにとって意味が分からなかったのだ。
「あぁ...。 だって、君を愛すのだから、君の妹も愛すのは当然だろう?」
...え? どういうこと?
妹も愛す? 確かに、妹も愛すのかもしれないけど、キスするのは誰が見ても浮気でしょ、?
続いて妹が、
「今のキスはちょっとした挨拶だったんですよ? 誤解しないで、お姉さま!」
(...挨拶? 意味が分からない。)
メーリンの頭が真っ白になっていると、両親がやって来た。
「やっといた! 探したのよ!」
「お母様!お父様! 聞いてよ、お姉さまがね?
たったキスくらいで、騒ぐんですよ。
キスくらい、挨拶ですよね?」
「あら、メーリン!!
そうよ、シャルネはカイトさんへの恋愛感情なんてないんだから、挨拶に決まってるでしょ?」
「そうだ、シャルネの言う通りだ。
キスくらいで、騒ぐな、みっともない。」
(たったキスくらい?
私にとっては、キスが挨拶だなんて思えない。
...え? 私がおかしいの?)
「そうだよ、メーリン!
僕とシャルネさんの間には、恋愛感情なんてない。 僕は、ただシャルネさんと仲良くなりたくて...!
きっと、僕がシャルネさんと仲良くなれば、メーリンも仲良くなれると思うんだ!」
「...仲良くなるために、キスをしたんですか?」
「そうに決まってるだろ!! 僕が愛しているのは、メーリンだけさ!」
...意味が分からない。
メーリンは、倫理観がない家族に絶望した。
(なんで、私が? もう、いやだ!!)
目の前の家族と婚約者から逃げるように、メーリンはとっさに会場から抜け出してしまった。
メーリン・シャンティは愕然とした。
なぜなら、目の前で自分の婚約者が、妹と浮気しているところを見てしまったからだ。
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_煌びやかなパーティー会場。
その会場でただ一人、メーリン・シャンティは憂鬱な表情を浮かべていた。
「メーリン! 早く来なさい。
せっかくシャルネがドレスを着てるんだから...貴方はその引き立て役でしょ!?」
「そうだよ、お姉さま! 何のためにお姉さまに地味なドレスを着させたか分かってる!?」
「お姉ちゃんなんだから、しっかりしなさい。」
...家族がいるからこそ、メーリン・シャンティは憂鬱だった。
ずっと前から、メーリンは家族に虐げられている。
(きっと、家族は虐めているつもりはないんだろうけど...。
...私からしたら、迷惑で仕方がない。)
そんなメーリンにも、心の支えである人物がいた。
「メーリン...無理しなくていいんだからね?
僕はメーリンの味方だよ。」
そっと優しく声をかけるのは、メーリンの婚約者である、カイト・ラートン。
「...ありがとう、カイト。
でも、カイトがいてくれる限り、大丈夫だよ!」
(ただ、正直に言うと...。
今日のパーティーは、いつにも増して嫌な予感がしてたまらない。
特に、カイトがよそよそしい気がする...。)
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メーリンの嫌な予感は外れたのか、何事もなくパーティーは進んでいく。
家族も外面は良いため、基本的には問題は起きない。
(...お願いだから、楽しいパーティーにさせて、)
妹が言った。
「ねえ、せっかくだから...私、カイトさんとお喋りしてみたいわ!」
その妹の一言に、カイトはちらっとこちらを見た。
きっと、姉を虐める妹とお喋りしていいものか迷っているのだろう。
「あら、いいじゃない!
シャルネはカイトさんとあんまり喋ってなかったものね!」
(...たしかに、母の言う通り、妹はカイトとあまり喋ったことがない。
まぁ...ちょっとだけなら良いのかしら? ここで断るのも不自然だよね、?)
「わかったわ。
...絶対に変なことは言わないでよ?」
妹は少し不満だったのか、
「ぶー!!お姉さまのケチー!」
と言われた。
妹の我儘はそれだけじゃなく、カイトとパーティーを二人っきりで回りたいというのだ。
メーリンは、それはさすがに...と思ったが、両親が「お姉ちゃんなら少しは我慢しなさいよ」と言ってくるので、仕方なく了承してしまった。
「ありがと!お姉さま。 さ、カイトさん、一緒に回りましょ~?」
「あ、うん...。
ごめんね、メーリン 行ってくるね!」
(少し心配だったけど...カイトはしっかりしてるし、大丈夫だよね、?)
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メーリンは両親と一緒に回っていて、そろそろ合流しようとカイトとシャルネを探していた。
だけど、探しても見つからない。
メーリンと両親は、手分けして探すことにした。
少し時間が経ったあとに、カイトとシャルネを見つけた。
「あ、いたいた。
カイト、シャル.....え?」
メーリン・シャンティは愕然とした。
なぜなら、目の前で自分の婚約者が、妹と浮気しているところを見てしまったからだ。
パーティー会場の誰も居ない廊下で、婚約者は妹とキスをしていた。
メーリンはまず先に、怒りが沸いてきた。
「ちょっと、カイト!!
何してるの!? なんで、私の妹とキスしてるの!?」
「あぁ、お姉さま? やっと来たの?」
メーリンには、妹の声は聞こえなかった。
最愛の婚約者が、妹に手を出すなんて、メーリンにとって意味が分からなかったのだ。
「あぁ...。 だって、君を愛すのだから、君の妹も愛すのは当然だろう?」
...え? どういうこと?
妹も愛す? 確かに、妹も愛すのかもしれないけど、キスするのは誰が見ても浮気でしょ、?
続いて妹が、
「今のキスはちょっとした挨拶だったんですよ? 誤解しないで、お姉さま!」
(...挨拶? 意味が分からない。)
メーリンの頭が真っ白になっていると、両親がやって来た。
「やっといた! 探したのよ!」
「お母様!お父様! 聞いてよ、お姉さまがね?
たったキスくらいで、騒ぐんですよ。
キスくらい、挨拶ですよね?」
「あら、メーリン!!
そうよ、シャルネはカイトさんへの恋愛感情なんてないんだから、挨拶に決まってるでしょ?」
「そうだ、シャルネの言う通りだ。
キスくらいで、騒ぐな、みっともない。」
(たったキスくらい?
私にとっては、キスが挨拶だなんて思えない。
...え? 私がおかしいの?)
「そうだよ、メーリン!
僕とシャルネさんの間には、恋愛感情なんてない。 僕は、ただシャルネさんと仲良くなりたくて...!
きっと、僕がシャルネさんと仲良くなれば、メーリンも仲良くなれると思うんだ!」
「...仲良くなるために、キスをしたんですか?」
「そうに決まってるだろ!! 僕が愛しているのは、メーリンだけさ!」
...意味が分からない。
メーリンは、倫理観がない家族に絶望した。
(なんで、私が? もう、いやだ!!)
目の前の家族と婚約者から逃げるように、メーリンはとっさに会場から抜け出してしまった。
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