悪役令嬢は自分の従者と恋をしたい。

久遠りも

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告白

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…もう、いいや。ツリパーと、終わりにしよう。

「…私は、ツリパーの事が好きだよ。」

…これで、終わりだ。
もうこれ以上、何も話さない。
…そう思っていたんだけどな。

気づけば口が勝手に動いていた。
「…ツリパー以外の人と婚約なんて、考えられない。
ねえ、ツリパー。好き。
一緒に、逃げようよ。」

涙も勝手に、出てきてしまっていた。



「…初めて、俺の前で泣いてくれましたね。

…俺も、クルル様の事、好きです。
敬愛とか、そんなんじゃなくて。
クルル様の事、諦めるなんて、そんなことできない。」

「…私も、好きだよ、大好き。」

「…あまり口を突っ込みたくないのですが…。
多分、あのカセンってやつ。」
「うん?」

「『婚約しない』って言えばすぐ引き下がりますよ?」

え、

「嘘」
「嘘じゃないです」

「…あの感じ、めちゃくちゃ軽く婚約しようって言ってましたし、
多分他の人にも言って回ってるんじゃないですか、??」
「…そうなの?」
「多分ですけど。」

…さっきの告白は何だったの???


「…じゃあ今すぐにでも婚約しないって言うわ。」
「そうしましょう。」

「…そして俺と婚約すると。」
「」

私が恥ずかしさで何も言えなくなり、ツリパーが追い打ちをかけるように、
「せっかく、両想いになったんですしね?」
「…そうね。」

「…というか、私たちの両親は?
どうやって説得するの??」
私がそう言うと、ツリパーは「忘れてた」という様子で。
「…まぁ、大丈夫じゃないですかね?」
…適当だなぁ。

ツリパーは呟く。
「元々、俺の親は応援してくれてたし。」
「何それ、初耳。」
「言ってないですもん」


今、やっと。
私達は両想いになった。
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