悪役令嬢は自分の従者と恋をしたい。

久遠りも

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憂鬱

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※今回からまたクルル視点になります~!



…はぁ。
「少し休んでから来ても良い」と言ったのは私だけれど…
あまりにも来ない!!!
…あれから3時間も経っているのに、、、

…でも、ツリパーが悩んでいると思ったら、部屋に行くのも何か申し訳ない…!

私がもやもやしていると、ツリパーがいそいそと部屋から出てきた。
「あ、ツリパー。」
「すみません、あの後寝過ごしまして…、、」
え?寝過ごした?
…ツリパーが悩んでると思って、部屋に行くのも躊躇っていたのに??

「私の心配していた時間を返して…!!!!!!」
「え?
俺なんかしましたっけ?」
寝過ごしてたでしょ!?

「コホン…
まぁいいわ。」
本題は、こっちだ。

「実は、私に手紙なんてほとんど来ないけれど、朝起きたら手紙が来ていたの。
『パーティー招待』だって。」
「…なんでクルル様に?」
「…本当に謎なのよ。
まぁ正直、パーティーなんて行きたくないけど。」

ツリパーが怪しみながら、
「ちなみに、手紙の差出人は?」
「…わからないのよ。」
「…わからない??」

「書いてあったのは、場所と日時。それとパーティー招待の文字だけ。」
ツリパーは困惑していた。
「えぇ?何故そんなことを?」
「これ、日時が今日なんだけれど…、行った方が良いと思う?」

私の従者は三十秒ほど迷った後に、
「…行った方がいいんじゃないですか?
…もし仮に危険なことが起きれば、俺が守りますし。」
(…かっこいいわね。)

「…そう。
ツリパーがそういうのなら、仕方ないわね。」

…知っている人が誰か一人くらい居ればいいのだけれど。
でも、本当に何故、何も情報を書かなかったのだろう。
差出人くらい、載せてくれても良かったのに。




_パーティー会場に着いた。
私達は恐る恐る中に入ると、どうやら普通のパーティー会場のようだった。
名の知れている貴族も普通にいるし。


「なんか、普通のパーティーっぽいですね?」
「…そうね。」
ぎこちなく歩いていると、話しかけられた。

「やぁ、茨の姫。」
…誰?しかも、茨の姫って何?
「…おっと、失礼。
僕はカセン。このパーティーの主催者さ。
あとこの国の結構偉い人だ。でも若いよ??まだ二十五歳!!」

…カセンの年齢は置いといて、パーティーの主催者?
「…ということは、貴方が私に手紙を出したのね?」
「そうさ~!!」
…何このノリ、掴めないわね。

「というか、さっきの茨の姫って何??」
「あれ、知らないのかい?
君の愛称だよ♡」
…愛称でたまるか。

「…まぁ、いいわ。
…今まで貴方たちと交流なんてなかったのに、いきなり何?」

「あぁ、話が早いね。
僕がここに君を呼んだ目的は、君と婚約をしたいからさ!!」
…え??
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