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悪役令嬢は従者に恋をする
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_私は悪役令嬢、恋なんて知らない。
いや、知ってはいけない。
…悪役令嬢として振舞っていかなくてはならないから。
ひどく、昔のトラウマが、蘇った。
「_?
クルル様?起きてますか?」
目が覚めると、そんな健気な従者が私を起こしに来ていた。
(夢、か…。)
「クルル様!起きてるなら返事をしてくださいよ!!」
「え、えぇ。
おはよう、ツリパー。」
そんなことを私が言うと、彼は安心したように笑い、
「おはようございます。クルル様。」
(…今日もツリパーが眩しい、。)
「今日は友人様とお茶会でしょう?
急いで準備してください!」
「…別に、あんな子、友人でもなんでもない。」
ツリパーは呆れたように笑い、
「そんなこと言ってるから仲良く出来ないんですよ?」
「…事実を言っただけ。」
(…実際、あの子が私に近づいたら、得があるから近づいてることなんて分かっている。
もう本当の友達なんて、私に出来るのかなぁ…。)
なんてぼーっと考えていると、ツリパーに怒られた。
「つべこべ考えてないで早く準備してください!
別に友達だろうが友達じゃなかろうが俺には関係無いんです~~!!」
「…ツリパーのそういうところ、好きだよ。」
…、ツリパーが、従者じゃなくて、友達とか、恋人だったら。
…それはどれだけ嬉しい事か。
お互いに、恋人になれないことは理解している。
だからこそ、憂鬱。
これが、両片思い。というやつなのかな。
「そうですか、俺もクルル様が好きですよ。
…ありがとうございます。」
…あぁ、そんなに、悲しそうな顔をしないでよ。
私達はあくまで、主人と従者の関係。
私が貴方を見放したら、もうそれで終わり。
…でも、それを出来ていない。
なぜなら、貴方が好きだから。
「…ありがとう、私も嬉しいよ。」
…お茶会の準備、しないと。
~作者コメント~
この系統のお話、めちゃくちゃ好きなんです!!!!!!!
いつか書きたいと思ってました!!!!
皆さんに少しでも「美しいな」「綺麗な物語だな」と思っていただければ幸いです!
いや、知ってはいけない。
…悪役令嬢として振舞っていかなくてはならないから。
ひどく、昔のトラウマが、蘇った。
「_?
クルル様?起きてますか?」
目が覚めると、そんな健気な従者が私を起こしに来ていた。
(夢、か…。)
「クルル様!起きてるなら返事をしてくださいよ!!」
「え、えぇ。
おはよう、ツリパー。」
そんなことを私が言うと、彼は安心したように笑い、
「おはようございます。クルル様。」
(…今日もツリパーが眩しい、。)
「今日は友人様とお茶会でしょう?
急いで準備してください!」
「…別に、あんな子、友人でもなんでもない。」
ツリパーは呆れたように笑い、
「そんなこと言ってるから仲良く出来ないんですよ?」
「…事実を言っただけ。」
(…実際、あの子が私に近づいたら、得があるから近づいてることなんて分かっている。
もう本当の友達なんて、私に出来るのかなぁ…。)
なんてぼーっと考えていると、ツリパーに怒られた。
「つべこべ考えてないで早く準備してください!
別に友達だろうが友達じゃなかろうが俺には関係無いんです~~!!」
「…ツリパーのそういうところ、好きだよ。」
…、ツリパーが、従者じゃなくて、友達とか、恋人だったら。
…それはどれだけ嬉しい事か。
お互いに、恋人になれないことは理解している。
だからこそ、憂鬱。
これが、両片思い。というやつなのかな。
「そうですか、俺もクルル様が好きですよ。
…ありがとうございます。」
…あぁ、そんなに、悲しそうな顔をしないでよ。
私達はあくまで、主人と従者の関係。
私が貴方を見放したら、もうそれで終わり。
…でも、それを出来ていない。
なぜなら、貴方が好きだから。
「…ありがとう、私も嬉しいよ。」
…お茶会の準備、しないと。
~作者コメント~
この系統のお話、めちゃくちゃ好きなんです!!!!!!!
いつか書きたいと思ってました!!!!
皆さんに少しでも「美しいな」「綺麗な物語だな」と思っていただければ幸いです!
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