推しが国家侮辱罪で追放されるようなので、悪役令嬢の私が全力で阻止してみせますわ!!!

久遠りも

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ライモンドとメリッサ、そしてカルロスは、学園の空き教室にて話し合いをしていた。
「…なるほど。
そしてお前が協力者になった、と?」
「はい。その通りです。」
「とりあえず理解した。
じゃあ、お前の持っている情報を全て話せ。」
「レイ様は、強い発達障がいを持っていました。」
「ほう?」
「発達障がいのせいで、読み書きですら、小学3年の時までできませんでした。
最近はレイ様の努力もあり、随分出来ることが増えましたが…」
(確かにゲームの世界でも、とても努力している描写がたくさんあった。
それで、私はレイ様を推しにしたのだ。)
「…ここから先は、捉え方によっては主の侮辱、と言われるかもしれませんが、…」
「構わない。ここは俺とメリッサとお前しかいない。」
「カルロス、とお呼びください。
そのような状態でも、レイ様は、とても努力し、全ての物事に一生懸命でした。
それでも、アルファ家の教育…特に、ピアノや書道、音楽などの所では、レイ様はついていけませんでした。
ですが、別の所で才能が開花しました。それは、絵画です。
絵画を描いている時は、レイ様…とても楽しそうにしていました。」
(そうだ、ゲームでは描かれなかったけど、レイ様のプロフィールには、好きなことが絵を描くこと。と書かれていたはず…!)
「確かに、俺の前でも絵画の専門書を読んでいた気がする。」
「ですが、兄のソレイユ様や、お母様は、『絵画なんてくだらない』と仰っていました。
私は、それがとても許せません!!
…申し訳ございません、少し、感情が高ぶってしまいました。」
「いえ、いいですのよ。
そんなことが、あったのですね?」
カルロスは心苦しそうに
「はい。
レイ様の描く絵画はとても繊細で、魅力的だったにも関わらず…!」
「そうだな。レイの描く絵画は今までに見たことがなかったが、俺も見てみたい。
そのためにも、今はレイを救出する方法を考えるぞ。
では、俺からカルロスに質問しよう。
一つ目、今俺たちの中では、レイは学園で何かあったのではないか。
それとも家で何かがあったのか?それを考えているが、カルロス的にはどう思う?」
「僕は……家で何かがあったのではないかと考えております。」
「ほう。それは何故だ?」
カルロスはまたも、辛そうな表情で
「我が主が捕まったその日、お母さまが、お茶会を開いたのです。
別に、お茶会を開くこと自体は珍しくないのですが…その日はレイ様も誘われていたのです。
これは何かあると思ったのですが、生憎その日は僕が側近たちが集まる会議に呼ばれていたのです。
なので僕は、せめて僕が信頼できる部下をレイ様につけていたのですが…
僕が帰った時には、全て終わっていました。
我が主は、国家侮辱罪で捕まってしまい、信頼できる部下は、その頃には失踪していました。」
「なるほど、計画に邪魔だった部下は口封じ…をしたということですわね?」
「僕はそのような理由から、家族やレイ様に近しい人物がやったのではないかと考えています。」
「確かに、その可能性が高いな。
カルロス、お前はレイを救い出すためのキーパーソンになるかもしれない。
お前の身を守るためにも、何かしてやりたいところだが…、、、」
(あ、この時代にもスマホ、ってあるのかしら?)
「あの、ライモンド様、スマホというものはありますか?」
「ス、マホ?とは何だ?」
「ほら、なんか、電話とかが出来て、写真とかが取れるやつ…」
「…『マッド』のことでしょうか?
電話が出来て、アプリ?という物も入れられるそうです!」
「それです!それ!」
「あぁ、マッドのことか。
あれは高価だが、確かにいつでも連絡が取れるのはいいかもしれない。取り寄せておく。」
「そんな簡単に取り寄せられるんですの…??」
「うむ。明後日には手元にあるよう準備する。
だから、明日は各自情報を集めて、明後日にまた集まろう。」
「わかりましたわ。」「わかりました。」
各々、動きだしたようだ。
(やっぱり、ライモンド様って、、家柄といい、才能といい、財力といい…やっぱり凄い人かもしれないですわ)
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