推しが国家侮辱罪で追放されるようなので、悪役令嬢の私が全力で阻止してみせますわ！！！

振り出しに

「レイは、居ても居なくても変わらない存在だ！
いや、むしろ居ない方が良いのではないか？」
「「…は？」」
その言葉は、ライモンドとメリッサを、とてつもなく怒らせてしまう言葉だった。
「居ても居なくても…変わらない？
そんなわけがないだろ。
…レイだって、一人の人間だぞ。」
「一人の人間？
この家ではな、出来損ないは人間として扱われる訳がないんだよ！！」
「いいえ。
それは貴方たちがレイ様をちゃんと見ていなかったからでしょう？」
（レイ様を、推しを、出来損ないなんて言うなんて許せるわけがない。）
だがソレイユは開き直り
「で？それが何だ？
俺にそんなことを言うためにこの家に来たのか？」
「そうですね。
ですがソレイユ様と話していても一向に話が進みません、
…つまり、ソレイユ様との会話には価値がない。
では。」
「お前らとの会話なんてこっちから願い下げだ！！出てけ！」
と言われたときには、二人は城の外から追い出されていた。

「…申し訳ございません。ライモンド様、これでは振り出しに戻ってしまいますわね…。」
ライモンドは申し訳なさそうに、
「いや、こちらこそすまなかった。ついカっとなってしまった。
ただ、これではレイについての手がかりを失ってしまった…。如何したらいいものか。」
メリッサは真剣な眼差しで、
「ですが、少し収穫がありました。」
「あぁ、そうだな。
レイはアルファ家ではとても酷い扱いを受けていたこと。だ。」
「えぇ。あんな言い方、許せませんわ…！！」
「レイは…、俺の前ですら、そんな素振りを見せなかった。
いつも生意気で…笑顔で、そんなレイだったからこそ、その時の俺は心配何て一切していなかった。」
ライモンドは、とても、辛そうだった。
だからこそ、メリッサは次の事を考える。
「でも、なってしまったことは仕方ないですわ。
情報、協力者を集めましょう。」
「だが、どうする？
俺たちが動いていることがバレると、逆に国家侮辱罪とかで捕まってしまうかもしれない。」
「秘密裏に、動けと言うことですね？」
「そういうことだ。」
少しメリッサは考えた後、
「んじゃあ、レイ様が信頼してた、側近…とかはいるのでしょうか？」
「側近…、、、
あ、カルロスという側近はいたな。あいつなら何か知ってそうだ。」
（！！
カルロス…ダイヤの奇跡での攻略対象だわ。
ただ、あの世界線では学園の騎士科に通う、凄腕の剣士だったかしら？）
「何だ、知り合いか？」
「い、いえ。お父様が凄腕の剣士と話していたのを思い出しまして。」
「そうか。
まぁなんにせよ明日からは学校だ。もしかしたら学園で何か手がかりを掴めるかもしれない。
学年が違うが、俺も一応同じ学校だから、何かあったら直ぐに報告してくれ。」
「わかりましたわ。
私も学校で、少し探りを入れてみます。」
「あぁ、よろしく頼む。」


メリッサは
「…学園、前のメリッサはどんな風に暮らしていたのかも、知れるチャンスね。」
と小声で呟いた。