元婚約者が浮気してくれたおかげで、私は良縁に恵まれ、好きな人と結婚することができました。今では感謝しかありません。

1.

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「なぁ、愛してるよ。」
「...ですが、貴方には婚約者がいるでしょう......！？
私も愛していますが...！」
「いやいや、冗談きついよ。
あんな婚約者、ただのお飾りさ。
...愛しているのは、君だけ。」

「えぇ、私も愛していますわ！
そんな婚約者なんて、すぐに別れて...私と一緒になりましょう？」
「あぁ、すぐにでも。　あんなやつ、婚約しているだけでも気持ち悪い。」

......そうなんですね？
愛していたのは、私だけだったと。
それで、私とは婚約破棄すると？

......誠に突然ですが、たった今...婚約者が浮気していることを知ってしまいました。
...ですが、すぐには問い詰めずに、証拠をたくさん集めてから、婚約破棄したいと思います。


そうして調べていくと、色々な浮気の証拠が出てきます。
...あまり知りたくありませんでしたが...なんと3人の女性に手を出していたそうで。

私もそれを知って優しくなれるほど善人ではないので......
3人の女性と仲良くなって、3人の女性を集めて...彼を私の婚約者だと明かそうと思います。

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3人の女性と順調に仲良くなれています。

～家～

私が家に戻ると、彼はもう帰ってきていたようです。

「おかえり！」

部屋に入ると、彼は抱き着いてきました。
...今までなら、こんなスキンシップも幸せだったのにな。
浮気していることを知ると、一気に冷めてしまいます。

「そしてね、プレゼントがあるんだ！
じゃ～ん。」

そして彼の手には、キキョウの花束がありました。

「花言葉は、「永遠の愛」だよ？
一生愛し続けるね。」

...よくそんなに浮気しておいて、「永遠の愛」なんてほざけますね。

......まぁ、でもいいです...だって明日は、婚約破棄する日。
3人の浮気相手を集めて、私たちがラブラブだってことを見せつける。
そして、混乱の中で...婚約破棄する。

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夕方。

「わぁ～！　上品な家ですのね！」
「そんなことをありませんわよ、普通の家です。」

私は、家に3人の浮気相手を集めることに成功していた。
そして、せっかくだから、婚約者がくれたキキョウの花を飾っておくことにした。

「あら？　この花は...何て花ですの？」

「キキョウという花ですわ！
私の彼が...キキョウの花束ををくれましたの！
......花言葉は、「永遠の愛」なんですって、ロマンチックですよね～！」

そうすると、婚約者がちょうど帰って来た。

「ただいま...ッ！？」
部屋に入るやいなや、驚いたでしょうね。　だって、浮気相手が全員いるんですもの。
3人の女性も、驚いていました。
なんで、友達の婚約者が浮気相手！？と。

「あら、おかえりなさい。
...顔色が悪いけれど、どうかしたの？」

「......あぁ、なんでもないんだ。
ちょっと、部屋で休んできても良いかな？」

「...ちょっと待って。
その前に、キスしましょう？」

婚約者の返答を聞かずに、私は彼の頬に唇を落とした。

婚約者は焦りだしました。

「ちょ、なにやってるんだ！？！？」
だって、浮気相手には「もうすぐ婚約破棄する」と伝えているのに...ラブラブな現場を見せつけてしまったんですものね？

それより大変そうだったのは、3人の浮気相手でした。

「なんで、なんでなのよ...！！！　愛しているのは私だけじゃなかったの...！？！？」
「「もうすぐ婚約破棄する」んじゃなかったの！？？！」
「おかしい、おかしいわよ！？！？」

ここが私の家で、私もいると言うのに。
3人の浮気相手は取り乱しました。

「あら、どうしましたの？
...まぁ、全て知ってるんですけどね。　貴方が、3人の女性と浮気していたこと。」

「ッ...！？　な、なんでそれを......！！」

...逆によくあれでバレていないと思っていましたね...。

「まぁ、あとは勝手に痴話喧嘩しといてください。
貴方との婚約は今日をもって解消します。　良かったですね？婚約破棄出来て。」

あとは私の知ったことではない。

家をそのまま出て行った。
...凄い大声が聞こえた気がしましたけど、元婚約者、大丈夫なのかしらね？


女性の嫉妬って...怖いですね～。

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浮気相手の中の1人には、結婚していたようで...。
少し可哀想なので、事情を話すことにしました。



「そうだったんですね...妻は、浮気していたんですね？」

「...残念ながら、そうなりますね。」

「わかりました、妻とは離婚します。」

......そこから、お互いに浮気された者同士仲良くなり...二人で悲しみを分かち合ったりした。


「君が...好きなんだ。
元妻の、浮気から好きになるなんて、不憫だと分かっている。
だけど、君が僕の気持ちに応えてくれたら...僕は君を一生愛し続ける。」

「...嬉しいです！
私は、幸せ者ですわ…！」


＿こうして、浮気された経験のある二人は、生涯愛し合ったという。

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