オレの体の部位たちがオレに「ダメ出し」してきた件

咲良きま

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第23話

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まいった。シオンだっけ?…度肝をぬかれた。甚だしく、論点がずれているあたり、右足といい勝負だな。
瞳はどうしていいか分からないって感じで、ぱたぱた、うろうろと飛んでいる。
俺がじっと見つめると、てれたようにもじもじしてつぶやいた。
「意外だった。そんなに、必要としてくれるなんて。
 僕、ちょっと、幸せ感じちゃったよ?」
ふん。なんだよ。
そうだよ、必要だよ。だって、良くも悪くも、変化をくれたのはおまえ達の存在なんだからな。感謝しているよ。
「ゆきぴろ、照れちゃって~。
 か・わ・い・い!」
照れているのは、おまえだろ!
ちゃかすなよ。人がせっかくまじめに言っているんだから。
「…。」
消える時は、ちゃんと挨拶して行けよ。
突然いなくなるなんて、すっげーー、後味悪いからな。
「うん。なるべくそうしたいと思っている。」
なんだよ。約束しないのかよ。
「だって自分の限界なんて、決まっていないでしょ?
 だから、それがいつかなんて、はっきりとは分からないんだ。
 三年の期間だって適当に言ってみたものの、本当はもっと短いかもしれないし、長いかもしれない。」
…。
「でも、ね。
 一つ言えるのは、僕らが君とコンタクトをとれなくなってもずっと一緒にいるってこと。だって僕達は、君自身の体の一部なんだから。
 僕なんて、君の瞳なんだよ?君の見る世界を一番理解しているってこと、それだけは忘れないでね。
 それに、この世は全て移ろい行くものでしょ?確かなものなんてないんだ。
 君の命もいつ尽きるかなんて、分からないし。
 だから、君は今日を大切に生きればいいんだよ。そして、僕らが消えたら、僕らの思い出を大事にしてくれると、嬉しいな。
 いつでも一緒だって分かっているんだから。
 大事なことはそれだけでしょ?」
ああ。そうだな。
だけど、どうしてだろ、不安が込み上げてくる。寂寥感に押しつぶされそうだ。生きていくことって、寂しいな。
「何を言っているんだよ。君はやっと今、リアルに青春できているのに。これからじゃない。
 明日も気合い入れてやってくでしょ?
 学校に行けば、陣さんの姿も見られるし、銀子もいる。そしてイケ面の彼も!
 うじうじなんてしていないで、明日に備えて、ほら、さっさと寝た、寝た!」
そうだな。
考えても何も変わらない。日々、過ぎて行くだけのことだよな。どう生きるのかは自分次第か。
よし、俺は寝るぞ!
また、明日な!
「うん、また明日!
 ゆきぴろ、いい夢みてね!」
俺は、寝る態勢へ。
しかし、シオン、あいつは強烈すぎた。きもい!きもすぎる!
あれも俺なのか?
まぁ、いい。
DAY by day.
俺は明日も力一杯、生きるんだ!
あ、しまった!瞳に、俺とシオンのどこがどう同じタイプなのか問いただすのを、忘れていた!
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