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第22話 隠居生活も悪くないけどさ
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「助かった、ククル」
礼を言いながら、俺は白紙の手紙をくしゃりと握り潰す。
「リーク様に結婚の話は早いかと。おそらく、バシーク様も同じでしょう」
「いや、親父なら案外乗り気だと思うよ」
「それなら、なおのことこの手の話はお受けできませんね。私の方でも、なるべく根回しはしておきます。特にコラットル家」
さすがは頼りになるスーパーメイドだ。俺のことをいちばんに考えてくれている。うん? 俺のためだよな? 俺のためだよね?
「それにしても、……リーク様の次のお仕事は建築ですか」
聞き耳を立ててくれたのは感心しないが、おかげで話が早い。
「条件はこの紙に書いてあるらしい。おまえもあとで目を通しといてくれ。力を借りることになると思うから」
そう言って、プロジェクトの書類をククルに渡す。
「かしこまりました。……………………ん? あの、リーク様。ここの数字、間違っていませんか?」
ククルが示す部分を「ん?」と、覗き込む俺。
「え? あれ? は? はあぁあぁあぁぁぁッ?」
☆
俺は竜巻の如く回れ右。ちょっと数秒前まで、結婚だのなんだのと揉めていたボスのもとへと戻ってくる。
「テスラ様ぁッ! これはどういうことですかぁッ?」
「なんだ、リーク。バシーク卿から、急ぎの手紙があったのではないのか?」
「それは、急ぎではないとわかりました!」
急ぎの手紙は、くしゃくしゃに丸めてククルに捨てといてもらったわ。っていうか、手紙自体が偽物だけどな!
「そんなことより、この普請の予算が『5億ルク』ってなんすか! あの規模だと、全然足りないでしょう! 大きな会社をひとつつくったらお仕舞いですよ! 国を挙げた一大プロジェクトじゃないんですか!」
正確には初年度の予算が5億ルクだ。全然足りない。ラーズイッド家も、その昔、城郭都市化しようとしたことがあるから、見積もりに関してはそこそこ相場を知っていた。実家のある小さな町でさえ初年度の費用が10億ぐらいかかるというから、断念した。
とにもかくにも5億じゃ話にならない。特に、初年度というのはもっとも金がかかる。なぜなら道具や人材を揃えるための初期投資がハンパないから!
そんな俺の熱く濁った想いをテスラにぶつける。が、彼女は「ふむ」と、偉そうにふんぞり返って、威圧的に足と腕を組んだ。
「さっきも言ったが、どこかの誰かさんのおかげで、予定が狂ってしまったのだ。急に予算を割けと言われても対応ができん」
「うぐ……ッ!」
それを言われると弱い。
「異議あり! で、ございます。テスラ様」
俺の背後から颯爽と登場したのは、我が相棒ククル。書類を提出し、弁護士の如く追求していく。
「町のど真ん中に建築予定だった図書館の土地が丸々残っていますね? リーク様が郊外にイシュフォルト図書館を移転したおかげで、この土地は不要です。売却なされば4億ルクにはなるかと」
ニタリと笑みを浮かべるククル。だが、テスラもあざ笑うように反論する。
「残念ながら、そこにはデパートと商店街になることが決まった。着工してくれる業者も決まっている。今朝の話だ」
さすがはスーパーメイドと思ったが、テスラも相当な手腕だ。俺やククルが突っ込んでくることを見越して、すでに抑えていたのか。っていうか、行動力あり過ぎだろ、この侯爵。もう少し、貴族らしくゆったりまったりと動けや。
「運送料も、だいぶ削減できたのでは? 本来なら、蔵書をクザンガ山からこちらは運ぶ予定だったのでしょう? 1億冊……でしたか?」
「その資金は、そのままイシュフォルト図書館の管理費に回すことにしている」
「観光名所になります。入場料を取られるといいのでは?」
「ほう、平和の象徴とのたまう建築物で金を取ると?」
「寄付と名目すればよろしいのでは」
「それなら払う側も抵抗がなくなるな。しかし、図書館の所有権は国王陛下にある。私に決定権はない」
先手先手を打つテスラ。ククルがツッコミを入れることを見越していたかの如く、捌いていく。
「かしこまりました。それでは、デパートの計画と図書館の管理費について、のちのち書類を見せてくださいませんか? 必ずや、経費を削減して見せます。もちろんクオリティを落とさずに」
「よかろう。――まあ、躍起になるのもわかるが、こっちもぎりぎりの施策でな。さほど予算を割いてやれる余裕はない」
シルバリオル家は、意外と借金領主らしい。これは悪いことではない。借金ができるということは、信用があるということ。常に限界まで金を動かし、事業を成功させては利益を得ている。テスラは上手く回しているのだ。
「しかし、これではあまりに無謀かと。リーク様を虐めているのですか?」
「そういうわけではない。リークなら、なんとかやってくれるだろうと期待しているだけだ。それに、金には不自由させているが、人材に関しては特筆すべき部分があるはずだ」
「特筆すべきこと……ですか?」
ククルが書類に視線を落とす。
「うむ、無償の労働力を用意する」
先日のイシュフォルト図書館立てこもり事件に関与したファンサ及び43名の生徒が、俺の仕事を無償で手伝ってくれるらしい。
なんでも、あの件を罪に問わない代わりに1日6時間程度の奉仕活動を命じてあるそうだ。期限は1年。投獄されることを思えば、かなりの温情処置である。図書館存続派なのでモチベーションも高い。心強い労働力だ。
「それでも全然足りないっすよ。そもそも、魔法での建築は禁止でしょう? 魔法産業禁止法に抵触してしまいます。連中がどれだけ役に立つか……」
「魔法がなければ腕力を使えばいいじゃないか」
「テスラ様と一緒にしないでください。学院の連中はヒョロガリばかりです」
基本、頭脳と魔法の得意なエリートなのである。肉体労働に関しては期待できない。魔法で身体を強化するのもダメだろうし。
「おまえはそうでもなさそうだがな」
「純粋な腕力なら、テスラ様の方が上ですよ」
「ほう? それは、腕力じゃなければ自分の方が上だと?」
「あ、揚げ足を取らないでください! ――とにかく、5億ルクは少ないかと――」
俺が、そう言ったところで、テスラは制するように言葉をかぶせる。
「いいか、リーク」
「はい?」
「この世で、もっとも偉大なスキルが何かわかるか?」
「まさか『腕力』とか言いませんよね? 力で従わせろとか?」
「違う。――この世でもっとも偉大なのは『知恵』だ。物事を『できない』で終わらせるな。『どうしたらできるのか』を考えろ」
「どうしたらできるか……? じゃあ、テスラ様なら可能だっていうんですか?」
「できるかどうかはわからんが、やるしかあるまい」
自信満々に告げるテスラ様。ああ、この人だったら自分で石材を採掘して、手刀で叩き割って積み上げていくんだろうな。こんちくしょうが。
「奉公人とは、お客様ではないぞ。リークは修行に来たのだろう? あと、おまえが領主に相応しいか――シルバリオル家の婿に相応しいかを見定めるという意味もある」
婿になる気はないですが。そもそも結婚話なんて降って湧いた話だろうが。
「まあ。不可能だというのなら仕方あるまい。それだけの男だったというわけだ。代わりの仕事は……そうだな、牛の乳搾りでもやるか? 屋敷のガーデニングでもやるか? まあ、当面仕事はないし、遊んで暮らすのもいいんじゃないか? ――観光気分のぼっちゃんには荷が重すぎたようだな。はっはっは」
ぶちっと血管が切れるかと思った。んで、隣のメイドはぶちっと血管が切れていた。
礼を言いながら、俺は白紙の手紙をくしゃりと握り潰す。
「リーク様に結婚の話は早いかと。おそらく、バシーク様も同じでしょう」
「いや、親父なら案外乗り気だと思うよ」
「それなら、なおのことこの手の話はお受けできませんね。私の方でも、なるべく根回しはしておきます。特にコラットル家」
さすがは頼りになるスーパーメイドだ。俺のことをいちばんに考えてくれている。うん? 俺のためだよな? 俺のためだよね?
「それにしても、……リーク様の次のお仕事は建築ですか」
聞き耳を立ててくれたのは感心しないが、おかげで話が早い。
「条件はこの紙に書いてあるらしい。おまえもあとで目を通しといてくれ。力を借りることになると思うから」
そう言って、プロジェクトの書類をククルに渡す。
「かしこまりました。……………………ん? あの、リーク様。ここの数字、間違っていませんか?」
ククルが示す部分を「ん?」と、覗き込む俺。
「え? あれ? は? はあぁあぁあぁぁぁッ?」
☆
俺は竜巻の如く回れ右。ちょっと数秒前まで、結婚だのなんだのと揉めていたボスのもとへと戻ってくる。
「テスラ様ぁッ! これはどういうことですかぁッ?」
「なんだ、リーク。バシーク卿から、急ぎの手紙があったのではないのか?」
「それは、急ぎではないとわかりました!」
急ぎの手紙は、くしゃくしゃに丸めてククルに捨てといてもらったわ。っていうか、手紙自体が偽物だけどな!
「そんなことより、この普請の予算が『5億ルク』ってなんすか! あの規模だと、全然足りないでしょう! 大きな会社をひとつつくったらお仕舞いですよ! 国を挙げた一大プロジェクトじゃないんですか!」
正確には初年度の予算が5億ルクだ。全然足りない。ラーズイッド家も、その昔、城郭都市化しようとしたことがあるから、見積もりに関してはそこそこ相場を知っていた。実家のある小さな町でさえ初年度の費用が10億ぐらいかかるというから、断念した。
とにもかくにも5億じゃ話にならない。特に、初年度というのはもっとも金がかかる。なぜなら道具や人材を揃えるための初期投資がハンパないから!
そんな俺の熱く濁った想いをテスラにぶつける。が、彼女は「ふむ」と、偉そうにふんぞり返って、威圧的に足と腕を組んだ。
「さっきも言ったが、どこかの誰かさんのおかげで、予定が狂ってしまったのだ。急に予算を割けと言われても対応ができん」
「うぐ……ッ!」
それを言われると弱い。
「異議あり! で、ございます。テスラ様」
俺の背後から颯爽と登場したのは、我が相棒ククル。書類を提出し、弁護士の如く追求していく。
「町のど真ん中に建築予定だった図書館の土地が丸々残っていますね? リーク様が郊外にイシュフォルト図書館を移転したおかげで、この土地は不要です。売却なされば4億ルクにはなるかと」
ニタリと笑みを浮かべるククル。だが、テスラもあざ笑うように反論する。
「残念ながら、そこにはデパートと商店街になることが決まった。着工してくれる業者も決まっている。今朝の話だ」
さすがはスーパーメイドと思ったが、テスラも相当な手腕だ。俺やククルが突っ込んでくることを見越して、すでに抑えていたのか。っていうか、行動力あり過ぎだろ、この侯爵。もう少し、貴族らしくゆったりまったりと動けや。
「運送料も、だいぶ削減できたのでは? 本来なら、蔵書をクザンガ山からこちらは運ぶ予定だったのでしょう? 1億冊……でしたか?」
「その資金は、そのままイシュフォルト図書館の管理費に回すことにしている」
「観光名所になります。入場料を取られるといいのでは?」
「ほう、平和の象徴とのたまう建築物で金を取ると?」
「寄付と名目すればよろしいのでは」
「それなら払う側も抵抗がなくなるな。しかし、図書館の所有権は国王陛下にある。私に決定権はない」
先手先手を打つテスラ。ククルがツッコミを入れることを見越していたかの如く、捌いていく。
「かしこまりました。それでは、デパートの計画と図書館の管理費について、のちのち書類を見せてくださいませんか? 必ずや、経費を削減して見せます。もちろんクオリティを落とさずに」
「よかろう。――まあ、躍起になるのもわかるが、こっちもぎりぎりの施策でな。さほど予算を割いてやれる余裕はない」
シルバリオル家は、意外と借金領主らしい。これは悪いことではない。借金ができるということは、信用があるということ。常に限界まで金を動かし、事業を成功させては利益を得ている。テスラは上手く回しているのだ。
「しかし、これではあまりに無謀かと。リーク様を虐めているのですか?」
「そういうわけではない。リークなら、なんとかやってくれるだろうと期待しているだけだ。それに、金には不自由させているが、人材に関しては特筆すべき部分があるはずだ」
「特筆すべきこと……ですか?」
ククルが書類に視線を落とす。
「うむ、無償の労働力を用意する」
先日のイシュフォルト図書館立てこもり事件に関与したファンサ及び43名の生徒が、俺の仕事を無償で手伝ってくれるらしい。
なんでも、あの件を罪に問わない代わりに1日6時間程度の奉仕活動を命じてあるそうだ。期限は1年。投獄されることを思えば、かなりの温情処置である。図書館存続派なのでモチベーションも高い。心強い労働力だ。
「それでも全然足りないっすよ。そもそも、魔法での建築は禁止でしょう? 魔法産業禁止法に抵触してしまいます。連中がどれだけ役に立つか……」
「魔法がなければ腕力を使えばいいじゃないか」
「テスラ様と一緒にしないでください。学院の連中はヒョロガリばかりです」
基本、頭脳と魔法の得意なエリートなのである。肉体労働に関しては期待できない。魔法で身体を強化するのもダメだろうし。
「おまえはそうでもなさそうだがな」
「純粋な腕力なら、テスラ様の方が上ですよ」
「ほう? それは、腕力じゃなければ自分の方が上だと?」
「あ、揚げ足を取らないでください! ――とにかく、5億ルクは少ないかと――」
俺が、そう言ったところで、テスラは制するように言葉をかぶせる。
「いいか、リーク」
「はい?」
「この世で、もっとも偉大なスキルが何かわかるか?」
「まさか『腕力』とか言いませんよね? 力で従わせろとか?」
「違う。――この世でもっとも偉大なのは『知恵』だ。物事を『できない』で終わらせるな。『どうしたらできるのか』を考えろ」
「どうしたらできるか……? じゃあ、テスラ様なら可能だっていうんですか?」
「できるかどうかはわからんが、やるしかあるまい」
自信満々に告げるテスラ様。ああ、この人だったら自分で石材を採掘して、手刀で叩き割って積み上げていくんだろうな。こんちくしょうが。
「奉公人とは、お客様ではないぞ。リークは修行に来たのだろう? あと、おまえが領主に相応しいか――シルバリオル家の婿に相応しいかを見定めるという意味もある」
婿になる気はないですが。そもそも結婚話なんて降って湧いた話だろうが。
「まあ。不可能だというのなら仕方あるまい。それだけの男だったというわけだ。代わりの仕事は……そうだな、牛の乳搾りでもやるか? 屋敷のガーデニングでもやるか? まあ、当面仕事はないし、遊んで暮らすのもいいんじゃないか? ――観光気分のぼっちゃんには荷が重すぎたようだな。はっはっは」
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