29 / 94
第29話 森の精霊たちとのお話 2
しおりを挟む
「それじゃあ、大精霊様が寝た時期にあった出来事とかが分かれば教えてくれないかな?」
大精霊がわざわざ眠りにつくなんて、間違いなく特別な要因があったのだろう……しかし今の所それが全く分からないんだよね。
なのでとりあえず時期を絞る所から始めようと思いますー。
だって流石に600から1000年の誤差は、人類にとっては誤差じゃ済まないからね……!?
「うーん、なにがあったかなー?」
「人間をたくさん襲っていた黒いのがいなくなったあと辺りじゃないー?」
「えー、大精霊様と仲良かった人間を見かけなくなった時期だと思うよー」
「大精霊様と仲良かった人間?」
黒いのが居なくなったあと……ってことは闇滅大戦後だよね……この子たちの時間感覚の緩さを考えると、それで考えても範囲が広くなってしまいそうなんだよねー。
それに大精霊様と仲良かった人間というのも気になる……人物が分かれば、もっと上手く絞り込めるかな?
私がそう考えている間にも精霊たちの話は続く。
「確かに、その時期かも知れないねー」
「いたねー、金色の髪のキラキラした男の人」
「よく一緒に遊んでくれたよねー」
うん……? いや、誰だ!?
下級精霊たちの『ちょっと子供向け過ぎて一緒には遊ぶには気が引ける遊び』に付き合える聖人みたいな男性は……!!
しかも精霊たちがしっかり覚えているってことは一度や二度じゃ済まない数を付き合ってあげているよね!?
「なんていう名前だっけー?」
「クリみたいな名前だったー」
「クリフじゃなかったけ?」
わーあ、遊んでもらっていたわりに名前は覚えてないんだねー。
でもこの子たちって緩そうだから納得できてしまう……。
アレ、待てよ……?
クリっぽい名前で金髪……聖人みたいなよく出来た人柄で大精霊と仲が良くて、少なくとも600年以上前の人間か…………まさか。
「もしかしてクリスハルトじゃない……?」
「そう!!」
「その人だよー」
「よく分かったね!!」
うん、自分でもよく分かったと思うよー! しかし……ふ、古い……!!
クリスハルト様って1000年くらい前の人間なんだけど!?
これが正解なら、大精霊様は1000年間も寝てたことになるよ……!?
さっきの話を聞いて1000年だけはないだろうと密かに思っていたけど、よりにもよってそれが正解だったとは……。
これだと普通に調べて情報を得るのは難しそうだな……600年前でもキツイのに1000年前ってね……どうしよう。
「……ところで大精霊様はなんで寝ちゃったのか分かる?」
とりあえずダメ元で、その理由を知ってるかどうか精霊たちに聞いてみる。
「ぜんぜん」
「分かんないー」
「どうしてかなー?」
ですよねー!!
相変わらず回答がゆるーい、でも可愛いから許しちゃうー!! そう考えないとムリ!!
しかし、そうなるとどうしようかな。
…………うん、じゃあ一応これも聞いておこうか。
「大精霊様が寝ちゃったことと、この森の魔力が減ったことって関係あると思う?」
「うーん、ありそうだけど……」
「分かんないー」
「でも、眠ったあとから段々と魔力が減ってきたんだよねー」
やっぱり、こちらも分からないか……。
でも眠り始めてから魔力が減ってきたのなら、関係性はかなり高そうに見える。
「あとねー、今はまた寝てるけど少し前に一回だけ大精霊様が起きたんだよー」
「でもスグ寝ちゃったんだよね」
「しかも寝る前に見かけた時、物凄く機嫌が悪かったんだー」
最近一度、起きたね……その時期もハッキリさせておきたいな。
「じゃあ、それも100年くらい前のことなの?」
「それは20年くらい前かなー」
「10年前じゃない?」
「えー、もっと最近だよー」
最近か……これはもしかしたら、アルフォンス様が呪われた時のことじゃないかな?
一度だけって言ってるし、一応緩くて広い時間軸の中に含まれているし……。
色々予想を立てといてアレだけど、正直この子たちの緩さを考えると、全然予想に自信は持てないんだよね!! しかし前提条件がないと話も進まないから、そこはそういう前提ということにしておきましょう。
という感じで、もう少しその時の状況を掘り下げておこうかなー。
「ねぇ、その時になにか特別なことがあったとか、大精霊様の細かい様子なんか覚えていたりしない?」
「うーん、あったかな?」
「なんかねー、機嫌が悪そうだったよー」
「そうだね、せっかく起きたのに話し掛けるのが怖かったもん」
うーん、機嫌が悪かったね……さっきも言ってたけど、そんなに?
あとそれはアルフォンス様のことが合った後なのか前なのか……分からないな。
「あとねー、寝る直前に何かブツブツ言ってたよー」
「あれも怖かったねー」
「ねー」
ブツブツ何か言ってた……? うーん、そこは気になるなー。
「その内容は分かったりする?」
私が聞いてみると精霊たちは一生懸命、頭を抱えて考え出した。
うんうん、可愛いなー。
「んーと、『なんで』とか?」
「えーと、『どうして』……とか?」
「『許さない』とかも?」
「…………そうなんだ」
え……なにその、そこはかとなく不穏な言葉は……。
特に許さないって……何を?
心の中で戸惑っていると、ある精霊が突然思い付いたように声を上げた。
「あー思い出したー!! 『滅ぼす』って言ってたよ!」
滅ぼす!? えっ何を!? だいぶ過激じゃない?
そこからつられて他の子も思い出したのか、次々に精霊たちが声を上げ始めた。
「うん、思い出したよ『殺すー』って言ってたー!」
「あとあと『裏切り者』もー!!」
ちょ、そんな危ない言葉を明るくいうの止めてくれない!?
そもそもあまり意味が分かってないでしょ……!?
これ止めた方がいいよね?
あっ、でもそこに意外と重要な情報が…………あったとしても、なかったということにしておこう!!
「そうなんだ、教えてくれてありがとうねー!」
お礼を言ってこの話題は切り上げ!! いや、だって怖いもの……!!
当時の大精霊様が理性的な状態じゃなかったことが分かっただけで十分な収穫ってことで……ね?
少し焦った私とは対照的に、お礼を言われた精霊たちは照れている様子で、それがまた可愛らしい。
ああ、いいねー、純粋だねー、また1000年後もそのままでいてね?
まっ、それは置いておいて話をまとめておこうかな。
まず大精霊様は何らかの理由で眠りに付き、寝てる間に何故か森のマナ魔力の減少が発生した。そして目覚めたときには何かに対して激しく怒っており、その後また眠りに付き今も眠っている。
大精霊の謎の長い眠りに、大精霊が住む地の魔力の減少……どちらも私が知る限り前例のない話だ。
そこに加えて加護を与えた森を呪った問題まである……。
どこがどうなってどう絡んでいるんだろうか……はたまた、一つ一つの出来事は無関係?
どうしよう、行き詰まってきたな……。
あとどの情報が必要で何を聞けばいいだろう……?
うーん…………。
「「「「あーっ!!」」」」
精霊たちが急に揃って声を上げた。
えっ!? 何ごと……!!
「大精霊様が起きたよー!!」
「お、起きたの……?」
そんなことまで分かるんだね……。
へぇー精霊って凄いな……。
「こっちに来るよー!」
「向かって来てるよー!」
は、向かって来てる……!?
えっ待って……意識を集中して魔力の気配を探る。
すると大きな魔力を持った存在が、結構な速さでコチラに向かって来ているのを感じ取れた。
あ……分かりやすく、来てるね!!
……どうしよう!?
「急にどうしたんだろうねー」
「あー、もしかして旅人さんに会いに来たとかー?」
うーん……口には出さないけど否定し切れないな……。
出来れば顔を合わせるのは避けたいので、ここから退避したいけど…………もう間に合いそうにもないんだよねー!!
ああ、まいったな……。
「大精霊様だー」
近くで止まった気配と歓声を上げる精霊達の声につられ私は顔を上げた、空を仰げばそこには人ならざる神秘的な雰囲気を湛えた存在の姿があった。
燃えるように鮮やかな緑色の髪は美しく風に揺れ、木漏れ日のような輝きを持つ金色の瞳は間違いなくこちらを見据えている。
これが大地の大精霊……地の力を持って豊穣を司り、世の土を植物を意のままに操る圧倒的な存在。
えーと…………ここで会うのは予定外なので、いったん戻って計画を立て直したいのですがダメですかね!?
大精霊がわざわざ眠りにつくなんて、間違いなく特別な要因があったのだろう……しかし今の所それが全く分からないんだよね。
なのでとりあえず時期を絞る所から始めようと思いますー。
だって流石に600から1000年の誤差は、人類にとっては誤差じゃ済まないからね……!?
「うーん、なにがあったかなー?」
「人間をたくさん襲っていた黒いのがいなくなったあと辺りじゃないー?」
「えー、大精霊様と仲良かった人間を見かけなくなった時期だと思うよー」
「大精霊様と仲良かった人間?」
黒いのが居なくなったあと……ってことは闇滅大戦後だよね……この子たちの時間感覚の緩さを考えると、それで考えても範囲が広くなってしまいそうなんだよねー。
それに大精霊様と仲良かった人間というのも気になる……人物が分かれば、もっと上手く絞り込めるかな?
私がそう考えている間にも精霊たちの話は続く。
「確かに、その時期かも知れないねー」
「いたねー、金色の髪のキラキラした男の人」
「よく一緒に遊んでくれたよねー」
うん……? いや、誰だ!?
下級精霊たちの『ちょっと子供向け過ぎて一緒には遊ぶには気が引ける遊び』に付き合える聖人みたいな男性は……!!
しかも精霊たちがしっかり覚えているってことは一度や二度じゃ済まない数を付き合ってあげているよね!?
「なんていう名前だっけー?」
「クリみたいな名前だったー」
「クリフじゃなかったけ?」
わーあ、遊んでもらっていたわりに名前は覚えてないんだねー。
でもこの子たちって緩そうだから納得できてしまう……。
アレ、待てよ……?
クリっぽい名前で金髪……聖人みたいなよく出来た人柄で大精霊と仲が良くて、少なくとも600年以上前の人間か…………まさか。
「もしかしてクリスハルトじゃない……?」
「そう!!」
「その人だよー」
「よく分かったね!!」
うん、自分でもよく分かったと思うよー! しかし……ふ、古い……!!
クリスハルト様って1000年くらい前の人間なんだけど!?
これが正解なら、大精霊様は1000年間も寝てたことになるよ……!?
さっきの話を聞いて1000年だけはないだろうと密かに思っていたけど、よりにもよってそれが正解だったとは……。
これだと普通に調べて情報を得るのは難しそうだな……600年前でもキツイのに1000年前ってね……どうしよう。
「……ところで大精霊様はなんで寝ちゃったのか分かる?」
とりあえずダメ元で、その理由を知ってるかどうか精霊たちに聞いてみる。
「ぜんぜん」
「分かんないー」
「どうしてかなー?」
ですよねー!!
相変わらず回答がゆるーい、でも可愛いから許しちゃうー!! そう考えないとムリ!!
しかし、そうなるとどうしようかな。
…………うん、じゃあ一応これも聞いておこうか。
「大精霊様が寝ちゃったことと、この森の魔力が減ったことって関係あると思う?」
「うーん、ありそうだけど……」
「分かんないー」
「でも、眠ったあとから段々と魔力が減ってきたんだよねー」
やっぱり、こちらも分からないか……。
でも眠り始めてから魔力が減ってきたのなら、関係性はかなり高そうに見える。
「あとねー、今はまた寝てるけど少し前に一回だけ大精霊様が起きたんだよー」
「でもスグ寝ちゃったんだよね」
「しかも寝る前に見かけた時、物凄く機嫌が悪かったんだー」
最近一度、起きたね……その時期もハッキリさせておきたいな。
「じゃあ、それも100年くらい前のことなの?」
「それは20年くらい前かなー」
「10年前じゃない?」
「えー、もっと最近だよー」
最近か……これはもしかしたら、アルフォンス様が呪われた時のことじゃないかな?
一度だけって言ってるし、一応緩くて広い時間軸の中に含まれているし……。
色々予想を立てといてアレだけど、正直この子たちの緩さを考えると、全然予想に自信は持てないんだよね!! しかし前提条件がないと話も進まないから、そこはそういう前提ということにしておきましょう。
という感じで、もう少しその時の状況を掘り下げておこうかなー。
「ねぇ、その時になにか特別なことがあったとか、大精霊様の細かい様子なんか覚えていたりしない?」
「うーん、あったかな?」
「なんかねー、機嫌が悪そうだったよー」
「そうだね、せっかく起きたのに話し掛けるのが怖かったもん」
うーん、機嫌が悪かったね……さっきも言ってたけど、そんなに?
あとそれはアルフォンス様のことが合った後なのか前なのか……分からないな。
「あとねー、寝る直前に何かブツブツ言ってたよー」
「あれも怖かったねー」
「ねー」
ブツブツ何か言ってた……? うーん、そこは気になるなー。
「その内容は分かったりする?」
私が聞いてみると精霊たちは一生懸命、頭を抱えて考え出した。
うんうん、可愛いなー。
「んーと、『なんで』とか?」
「えーと、『どうして』……とか?」
「『許さない』とかも?」
「…………そうなんだ」
え……なにその、そこはかとなく不穏な言葉は……。
特に許さないって……何を?
心の中で戸惑っていると、ある精霊が突然思い付いたように声を上げた。
「あー思い出したー!! 『滅ぼす』って言ってたよ!」
滅ぼす!? えっ何を!? だいぶ過激じゃない?
そこからつられて他の子も思い出したのか、次々に精霊たちが声を上げ始めた。
「うん、思い出したよ『殺すー』って言ってたー!」
「あとあと『裏切り者』もー!!」
ちょ、そんな危ない言葉を明るくいうの止めてくれない!?
そもそもあまり意味が分かってないでしょ……!?
これ止めた方がいいよね?
あっ、でもそこに意外と重要な情報が…………あったとしても、なかったということにしておこう!!
「そうなんだ、教えてくれてありがとうねー!」
お礼を言ってこの話題は切り上げ!! いや、だって怖いもの……!!
当時の大精霊様が理性的な状態じゃなかったことが分かっただけで十分な収穫ってことで……ね?
少し焦った私とは対照的に、お礼を言われた精霊たちは照れている様子で、それがまた可愛らしい。
ああ、いいねー、純粋だねー、また1000年後もそのままでいてね?
まっ、それは置いておいて話をまとめておこうかな。
まず大精霊様は何らかの理由で眠りに付き、寝てる間に何故か森のマナ魔力の減少が発生した。そして目覚めたときには何かに対して激しく怒っており、その後また眠りに付き今も眠っている。
大精霊の謎の長い眠りに、大精霊が住む地の魔力の減少……どちらも私が知る限り前例のない話だ。
そこに加えて加護を与えた森を呪った問題まである……。
どこがどうなってどう絡んでいるんだろうか……はたまた、一つ一つの出来事は無関係?
どうしよう、行き詰まってきたな……。
あとどの情報が必要で何を聞けばいいだろう……?
うーん…………。
「「「「あーっ!!」」」」
精霊たちが急に揃って声を上げた。
えっ!? 何ごと……!!
「大精霊様が起きたよー!!」
「お、起きたの……?」
そんなことまで分かるんだね……。
へぇー精霊って凄いな……。
「こっちに来るよー!」
「向かって来てるよー!」
は、向かって来てる……!?
えっ待って……意識を集中して魔力の気配を探る。
すると大きな魔力を持った存在が、結構な速さでコチラに向かって来ているのを感じ取れた。
あ……分かりやすく、来てるね!!
……どうしよう!?
「急にどうしたんだろうねー」
「あー、もしかして旅人さんに会いに来たとかー?」
うーん……口には出さないけど否定し切れないな……。
出来れば顔を合わせるのは避けたいので、ここから退避したいけど…………もう間に合いそうにもないんだよねー!!
ああ、まいったな……。
「大精霊様だー」
近くで止まった気配と歓声を上げる精霊達の声につられ私は顔を上げた、空を仰げばそこには人ならざる神秘的な雰囲気を湛えた存在の姿があった。
燃えるように鮮やかな緑色の髪は美しく風に揺れ、木漏れ日のような輝きを持つ金色の瞳は間違いなくこちらを見据えている。
これが大地の大精霊……地の力を持って豊穣を司り、世の土を植物を意のままに操る圧倒的な存在。
えーと…………ここで会うのは予定外なので、いったん戻って計画を立て直したいのですがダメですかね!?
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

異世界召喚されたけど必要ないと言われて魔王軍の領地に落とされた私は『魔物使い』の適性持ちですよ?
はむ
ファンタジー
勝手に異世界に召喚しといて必要ないって分かると魔王軍の領地に落とすなんて信じられない!
でも『魔物使い』の適正持ってる私なら…
生き残れるんじゃない???
りゅうはきっと、役に立つ。ピュアクール幼児は転生AI?!最強知識と無垢な心を武器に、異世界で魂を灯すためにばんがります!
ひつじのはね
ファンタジー
経験値はゼロ、知識は無限大!
無邪気な無表情で周囲を振り回す、ピュアクール美幼児は転生AI?!
突如異世界で『意識』が芽生えたAI『リュウ』は、いつの間にか幼児となっていて――!
最強の知識を持ちながら、AIゆえに無垢で純粋な心を持つリュウ。初めての感情と五感に戸惑いながら、幼子として、人として異世界で生きていこうと奮闘する。
……AIゆえに、幼子ゆえに、ちょっとばかりトンデモ幼児ではあったとしても。
一方、トンデモ幼児を拾ってしまった苦労人、冒険者のリトにもどうやら重い事情があるようで……?
大切に慈しむような、二人の不器用で穏やかな日々。成長していく絆と共に、互いの宿命が交差していく――。
*更新は毎週日曜予定です。
本来タイトル『りゅうはきっと、役に立つ。ピュアクール幼児は転生AI?!最強知識と無垢な心を武器に、異世界で魂を灯すためにばんがります! ――デジタル・ドラゴン花鳥風月――』です。
サブタイトルが入らなかった……!
旧タイトル『デジタル・ドラゴン ~迷えるAIは幼子としてばんがります~』
※挿絵(羊毛写真)あり。挿絵画像のある話には「*」印をつけています。苦手な方はご注意ください。
小型オンリーテイマーの辺境開拓スローライフ 小さいからって何もできないわけじゃない!
渡琉兎
ファンタジー
◆『第4回次世代ファンタジーカップ』にて優秀賞受賞!
◇2025年02月18日に1巻発売!
◆05/22 18:00 ~ 05/28 09:00 HOTランキングで1位になりました!5日間と15時間の維持、皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!!
誰もが神から授かったスキルを活かして生活する世界。
スキルを尊重する、という教えなのだが、年々その教えは損なわれていき、いつしかスキルの強弱でその人を判断する者が多くなってきた。
テイマー一家のリドル・ブリードに転生した元日本人の六井吾郎(むついごろう)は、領主として名を馳せているブリード家の嫡男だった。
リドルもブリード家の例に漏れることなくテイマーのスキルを授かったのだが、その特性に問題があった。
小型オンリーテイム。
大型の魔獣が強い、役に立つと言われる時代となり、小型魔獣しかテイムできないリドルは、家族からも、領民からも、侮られる存在になってしまう。
嫡男でありながら次期当主にはなれないと宣言されたリドルは、それだけではなくブリード家の領地の中でも開拓が進んでいない辺境の地を開拓するよう言い渡されてしまう。
しかしリドルに不安はなかった。
「いこうか。レオ、ルナ」
「ガウ!」
「ミー!」
アイスフェンリルの赤ちゃん、レオ。
フレイムパンサーの赤ちゃん、ルナ。
実は伝説級の存在である二匹の赤ちゃん魔獣と共に、リドルは様々な小型魔獣と、前世で得た知識を駆使して、辺境の地を開拓していく!

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる