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幸せにする為に
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案内された部屋には本棚、ベッド、机に椅子クローゼット等必要なもの全て揃っておりそれぞれ私好みのものばかりが収納されている。
本棚には花の、特に氷の薔薇についての本が、机と椅子とベッドは愛用している店舗のものを。
クローゼットの中には氷の薔薇が刺繍されたドレスの色違いが数着、淡い色のドレスが数着、お忍び用のワンピースすら3着もある。
靴は別に用意して居るらしい。
いきなり連れてこられたとは言え、これ程の待遇。
ここまでしてもらって本当に良いのだろうか。
「どや?気に入った?」
「はい・・・とても。しかし良いのですか?ここまでして頂いて」
「当たり前や!好きな人の為やったらこれくらい朝飯前やし気に入って貰えたんなら嬉しいわ」
照れくさそうに笑う彼にこちらも思わず微笑む。
助けてくれた時と比べ格好良い姿ではなく非常に愛らしい。
そう、犬猫の様に。
***
シャルロットちゃんが笑ってくれた、それも俺に釣られて。
こないに近くでそれを拝めるなんて最高や、可愛過ぎるホンマにはよ結婚したい。
シャルロットちゃんは俺のお嫁さんやでってお披露目したい・・・彼女のウェディングドレス姿、想像しただけでも綺麗や。
っと、現実逃避しとる暇やないな。
これからちゃんと心から俺の方に振り向いて貰わなあかんからもっと近付いて行かんとならん。
前倒しで皇太子としてやるべき事を半年分前倒しで終わらせたんもこの為や。
半年で振り向いてくれるかは別やけどそれ以上の前倒しは無理やった、俺の能力じゃまだ足らん・・・悔しいが。
時間が多少あるだけましと考えた方がええか。
「ほな部屋に着いたし城内案内するわ、疲れとったら夕食の時間まで別行動したるけど」
「いえ、案内お願いします」
「そか、けど無茶せんでな?」
夕食までの時間潰しとして主に使う場所や庭を案内し分からない場所があるかどうかを聞く。
せやけど彼女は一回見て聞いた場所は即覚えとるから一々聞く必要も無い、なら何故聞くか。
一言でもええから多く会話したいから、その一言に尽きる。
前世全く女性とお付き合い(男性ともやけど)したことない童貞からしたらそらいきなり大胆な事出来へんしこれでも頑張っとる。
主にオカンと妹には笑い話のネタにされとるがシャン兄もレオ兄も同意は得られたしなんなら似たようなものだと聞いとる・・・兄弟揃って変わらん。
オトンに至っては知っての通りオカンの尻に敷かれとるので言うまでもあらへんし。
「ウー様」
「ん?何やシャルロットちゃん」
「この辺で氷の薔薇を育てたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「おっ、この辺?構わんけどこない端っこでええんか?中央にとかでもええんやで?」
「成長したら部屋から見れますので」
「あ、そか。あの部屋から覗くとちょうどええ感じに育ったら見れる・・・けど、成長速度イマイチよう分からんから婚姻後かもしれへんで?」
「いえ、その前に必ず咲きます。氷の薔薇は種から特別なので種を植えてから1週間で蕾が、2週間で花が咲きますので」
「なら3週間目で枯れへんの?」
「そこが最も面白い所で水さえ与えれば綺麗に輝き2年は持ちます。2年目には花、蔓、葉は枯れてしまいますが全て水に戻りますので処理には手間がないんです」
「へぇ、おもろいなぁ」
「それに氷の薔薇は心を映す鏡とも呼ばれ、育てる方によって育ち方も色も違います情熱のある人が育てれば赤く、深く愛のある人が育てれば黒く、明るい人が育てれば黄色く色付くとされています」
絵の具みたいやと思ったのは言うまでもあらへんな、けどゲームじゃ知りえなかった事が現実で聞けるなんておもろいなぁ。
・・・やとしたらシャルロットちゃんが育てていた城の氷の薔薇は透明で綺麗やったけどあれはどんな人という意味なんやろ。
気になる。
「“透明”はどんな意味の人なん?」
「透明、ですか?真実の人です」
真実・・・ほなやっぱあのゲーム内での本当の主人公は彼女なのでは?
“2週目”の主人公がもう1人選べる彼女の視点でのもしもの物語。
今はもう関係あらへんけど。
せやったら1周目でもっと彼女に慈悲くれても良かったんとちゃう!?
乙女ゲーやから悪役に多少厳しいのかもしれへんけど彼女の場合そこまで主人公に手出しせぇへんし当たり前の事しか言っとらんのに酷い目にあうという。
酷ない??幾らハルシオン国の国王に溺愛されとったとしても需要は取れてへんし。
その分今世のこの世界で沢山愛でるけども。
本棚には花の、特に氷の薔薇についての本が、机と椅子とベッドは愛用している店舗のものを。
クローゼットの中には氷の薔薇が刺繍されたドレスの色違いが数着、淡い色のドレスが数着、お忍び用のワンピースすら3着もある。
靴は別に用意して居るらしい。
いきなり連れてこられたとは言え、これ程の待遇。
ここまでしてもらって本当に良いのだろうか。
「どや?気に入った?」
「はい・・・とても。しかし良いのですか?ここまでして頂いて」
「当たり前や!好きな人の為やったらこれくらい朝飯前やし気に入って貰えたんなら嬉しいわ」
照れくさそうに笑う彼にこちらも思わず微笑む。
助けてくれた時と比べ格好良い姿ではなく非常に愛らしい。
そう、犬猫の様に。
***
シャルロットちゃんが笑ってくれた、それも俺に釣られて。
こないに近くでそれを拝めるなんて最高や、可愛過ぎるホンマにはよ結婚したい。
シャルロットちゃんは俺のお嫁さんやでってお披露目したい・・・彼女のウェディングドレス姿、想像しただけでも綺麗や。
っと、現実逃避しとる暇やないな。
これからちゃんと心から俺の方に振り向いて貰わなあかんからもっと近付いて行かんとならん。
前倒しで皇太子としてやるべき事を半年分前倒しで終わらせたんもこの為や。
半年で振り向いてくれるかは別やけどそれ以上の前倒しは無理やった、俺の能力じゃまだ足らん・・・悔しいが。
時間が多少あるだけましと考えた方がええか。
「ほな部屋に着いたし城内案内するわ、疲れとったら夕食の時間まで別行動したるけど」
「いえ、案内お願いします」
「そか、けど無茶せんでな?」
夕食までの時間潰しとして主に使う場所や庭を案内し分からない場所があるかどうかを聞く。
せやけど彼女は一回見て聞いた場所は即覚えとるから一々聞く必要も無い、なら何故聞くか。
一言でもええから多く会話したいから、その一言に尽きる。
前世全く女性とお付き合い(男性ともやけど)したことない童貞からしたらそらいきなり大胆な事出来へんしこれでも頑張っとる。
主にオカンと妹には笑い話のネタにされとるがシャン兄もレオ兄も同意は得られたしなんなら似たようなものだと聞いとる・・・兄弟揃って変わらん。
オトンに至っては知っての通りオカンの尻に敷かれとるので言うまでもあらへんし。
「ウー様」
「ん?何やシャルロットちゃん」
「この辺で氷の薔薇を育てたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「おっ、この辺?構わんけどこない端っこでええんか?中央にとかでもええんやで?」
「成長したら部屋から見れますので」
「あ、そか。あの部屋から覗くとちょうどええ感じに育ったら見れる・・・けど、成長速度イマイチよう分からんから婚姻後かもしれへんで?」
「いえ、その前に必ず咲きます。氷の薔薇は種から特別なので種を植えてから1週間で蕾が、2週間で花が咲きますので」
「なら3週間目で枯れへんの?」
「そこが最も面白い所で水さえ与えれば綺麗に輝き2年は持ちます。2年目には花、蔓、葉は枯れてしまいますが全て水に戻りますので処理には手間がないんです」
「へぇ、おもろいなぁ」
「それに氷の薔薇は心を映す鏡とも呼ばれ、育てる方によって育ち方も色も違います情熱のある人が育てれば赤く、深く愛のある人が育てれば黒く、明るい人が育てれば黄色く色付くとされています」
絵の具みたいやと思ったのは言うまでもあらへんな、けどゲームじゃ知りえなかった事が現実で聞けるなんておもろいなぁ。
・・・やとしたらシャルロットちゃんが育てていた城の氷の薔薇は透明で綺麗やったけどあれはどんな人という意味なんやろ。
気になる。
「“透明”はどんな意味の人なん?」
「透明、ですか?真実の人です」
真実・・・ほなやっぱあのゲーム内での本当の主人公は彼女なのでは?
“2週目”の主人公がもう1人選べる彼女の視点でのもしもの物語。
今はもう関係あらへんけど。
せやったら1周目でもっと彼女に慈悲くれても良かったんとちゃう!?
乙女ゲーやから悪役に多少厳しいのかもしれへんけど彼女の場合そこまで主人公に手出しせぇへんし当たり前の事しか言っとらんのに酷い目にあうという。
酷ない??幾らハルシオン国の国王に溺愛されとったとしても需要は取れてへんし。
その分今世のこの世界で沢山愛でるけども。
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