恐怖耐性を上げ過ぎると、恐怖の対象になるようです

シバトヨ

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反逆の恐怖

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「さてと……まず、おめぇを呼んだ理由からだな」
 はい、お願いします。
 俺は、顎で指された椅子に腰掛け、盗賊団の……じゃなく、協会の支部長である男から話を聞くことにした。
「の、前にだな。……王都の様子はどうだったんだ?」
「どうって言われてもなぁ」
 王都で過ごしたのは一ヶ月ほどだが、全部刑務所内で過ごしている。外の様子なんか……
「あ、王城なら行ったな」
「……中の様子はどうだったんだ?」
「若い国王に、その妹とは会ったな」
「で?」
「えーっと……国のピンチ? みたいな話を聞いたぞ?」
 なにが、どう、ピンチなのかは、色々ありすぎて覚えてねぇけど。
「そうか……まぁ、だいたいは分かった」
 あの説明でだいたいが分かるのか?
「もう一つ質問だ」
 支部長はただでさえ鋭い眼光をさらに尖らせる。
「……クラネルという名前に聞き覚えはねぇか?」
「クラネル……クラネル…………あぁ、刑務所で俺に尋問していた奴の名前だな」
「……マジかぁ」
 俺の返答に、左手で顔を覆う支部長。
「そいつが一連の犯人だ」
「………………」
 一連って?

 事情の知らない俺に、支部長は懇切丁寧に説明をし始める。
「まず、前国王の施。これは、クラネルの部下が食事に細工をしたのが原因だ」
「ちょっと待て」
 そこから? そこからなのか?
「……国王の死は一般市民には知らされてねぇからな。その死因なら、現場を調べた人間でもねぇ限り、知らねぇだろうな」
「……なるほど」
 上から口止めをされている。ということか。
「で、王の息子が即位。そこまでは知っているな?」
「まぁ、死因はともかく、本人から聞いたからな」
「おう。それでだ。人略も政略の基礎も身に付いていないヒヨッ子王子から国を巻き上げる」
「国を巻き上げる……?」
「その中心人物が、クラネルって野郎だ。アイツはな……」
 俺は緊迫してきた話に喉をならす。

「魔王の座を狙う魔人だ……っ!」
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