55 / 66
スキルカードの恐怖
しおりを挟む
一ヶ月とちょっとぶりの我が家へと帰ってきた。
中は荒らされていたりするわけでもなく、モー子の姿も見当たらない。
魔力で稼働している保冷箱の中身を確認してみるが、特に腐るものも無く、魔力が切れていても問題はなかった。
再度、俺の魔力を与え、冷気を充填する。これで、今日から一ヶ月はもつはずだ。
ついでに箱の中から適当な飲み物を取り出し、買ってあまり座っていないソファーへと腰を埋めていく。
「………………」
やることねぇ~。
いや、聖女を王都へ連れていく必要もあるし、モー子が家に居ないことを考えると、マーアと一緒に王都へ向かっている可能性もある。
まぁ、あの二人が王都に向かったかどうかは別にしても、俺とミミックは王都に向かう必要はある。
なんせ王国のピンチだからな。あとスキルカードも返して貰わねぇと。
「……そういや」
スキルカードが盗まれた場合とかは、再発行が可能なんだよな?
手数料が必要だが、そこまで高くはなかったはず。
なんでそんな情報を知っているかというと、協会のお姉さんから説明をされているからだ。
冒険者ではよくある話らしく、例えば、魔物から逃げる際に荷物一式を放置して街まで逃げ戻る。とか、盗賊やスリにあって盗まれる。とか。
まぁ、俺の場合は刑務所で保管されているんだろうが、失くしました。と、言ってみれば、再発行されるかもしれねぇ。
もし出来なかったら、王都のイザコザが解決されるまでは保留だな。
「ついでに称号についても確認しておくか」
することのない俺は、一眠りすることにした。
翌朝。
「お久しぶりですね。犯罪者のフィルさん」
「犯罪者じゃないですから。冤罪ですから」
「本当ですかぁ~?」
凄い疑われてるんですけど。俺の記憶が確かなら、……冤罪のはずだ。
「まぁいいですけどね。一ヶ月ほど前も、マーアさんが怪しいとかなんとか言って、王都へ向かいましたよ」
「やっぱ入れ違いになってたか」
まぁ、仕方がない。
本当なら、今も刑務所に居たはずだったからな。色々と問題が起きて、戻れなくなっちまったが。
「それで。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「あぁ。スキルカードの発行をして欲しいんだ」
「……ちょっと上司に相談してきますね」
「…………頼んだ」
これはアレかな?
俺が刑務所を脱獄していることと関係があるのかな?
いやいやっ! スキルカードを失くした奴は、きっとっ! お偉いさんから叱られるんだよなっ!!
そうに違いないっ! なんせ、スキルカードに使われている素材は、それなりの手間と加工の技術が必要だと聞いたしなっ!
うん! ちょっと怒られて、再発行っ! これで間違いなしだっ!
「フィルさん」
「……はい」
「私の上司がお呼びですので、私についてきてください」
「はい?」
別室で叱られるのかな? 講習の面前よりは断然いいんだが……。
中は荒らされていたりするわけでもなく、モー子の姿も見当たらない。
魔力で稼働している保冷箱の中身を確認してみるが、特に腐るものも無く、魔力が切れていても問題はなかった。
再度、俺の魔力を与え、冷気を充填する。これで、今日から一ヶ月はもつはずだ。
ついでに箱の中から適当な飲み物を取り出し、買ってあまり座っていないソファーへと腰を埋めていく。
「………………」
やることねぇ~。
いや、聖女を王都へ連れていく必要もあるし、モー子が家に居ないことを考えると、マーアと一緒に王都へ向かっている可能性もある。
まぁ、あの二人が王都に向かったかどうかは別にしても、俺とミミックは王都に向かう必要はある。
なんせ王国のピンチだからな。あとスキルカードも返して貰わねぇと。
「……そういや」
スキルカードが盗まれた場合とかは、再発行が可能なんだよな?
手数料が必要だが、そこまで高くはなかったはず。
なんでそんな情報を知っているかというと、協会のお姉さんから説明をされているからだ。
冒険者ではよくある話らしく、例えば、魔物から逃げる際に荷物一式を放置して街まで逃げ戻る。とか、盗賊やスリにあって盗まれる。とか。
まぁ、俺の場合は刑務所で保管されているんだろうが、失くしました。と、言ってみれば、再発行されるかもしれねぇ。
もし出来なかったら、王都のイザコザが解決されるまでは保留だな。
「ついでに称号についても確認しておくか」
することのない俺は、一眠りすることにした。
翌朝。
「お久しぶりですね。犯罪者のフィルさん」
「犯罪者じゃないですから。冤罪ですから」
「本当ですかぁ~?」
凄い疑われてるんですけど。俺の記憶が確かなら、……冤罪のはずだ。
「まぁいいですけどね。一ヶ月ほど前も、マーアさんが怪しいとかなんとか言って、王都へ向かいましたよ」
「やっぱ入れ違いになってたか」
まぁ、仕方がない。
本当なら、今も刑務所に居たはずだったからな。色々と問題が起きて、戻れなくなっちまったが。
「それで。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「あぁ。スキルカードの発行をして欲しいんだ」
「……ちょっと上司に相談してきますね」
「…………頼んだ」
これはアレかな?
俺が刑務所を脱獄していることと関係があるのかな?
いやいやっ! スキルカードを失くした奴は、きっとっ! お偉いさんから叱られるんだよなっ!!
そうに違いないっ! なんせ、スキルカードに使われている素材は、それなりの手間と加工の技術が必要だと聞いたしなっ!
うん! ちょっと怒られて、再発行っ! これで間違いなしだっ!
「フィルさん」
「……はい」
「私の上司がお呼びですので、私についてきてください」
「はい?」
別室で叱られるのかな? 講習の面前よりは断然いいんだが……。
0
お気に入りに追加
173
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる