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ヤンキー聖女の恐怖 再び
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モー子とマーアの二人が王城に足を運んでいる一方で。
俺とミミックの二人は、馬車を乗り継いで街まで戻ってきた。
目的はただ一つ!
「脱獄を無かったことにするためっ!」
俺は大きく胸を開き、
「聖女を王都へ連れていくっ!」
力強く空へと拳を伸ばした。
「脱獄というより、罪そのものを無かったことにするつもりだよね」
「……そうだな」
イケメンミミックの言う通り、俺の冤罪を晴らすためでもある。
田舎で療養している聖女を王都へと連れていき、国の一大事にも関わらず、静観を決め込んでいる教会を動かそうっ! って魂胆だ。
……ってか、こういうのは刑務所の外にいる奴等がすることじゃねぇの?
モー子とか、半日はサッカーの練習で、もう半日は寝て過ごしてただけだぞ? その辺にいる学生と、たいして変わらねぇ生活だったぞ?
それとマーア?
お前、頭の回転は速いくせに、仲間を助けようという心意気は全然無いよな。パッションが足りねぇ。鎧の上から胸をどついてやりたくなる。……痛そうだから勘弁してやるが。
「それで、聖女様を連れてくるために帰ってきたんだよね?」
「あぁ。この街から徒歩で三日くらいの村で農作業でもしているはずだ」
「中身がデュラハン君ってのが気になるところだけど、まぁ、大丈夫かな?」
「デュラハンだと何か問題があるのか?」
口調はともかく、性格的には特に問題は無かった気がするんだが?
「デュラハンだから、というよりも、彼女の性格が少しヤンチャなところが問題かな? 教会の人達にバレないと良いんだけど」
「あー……まぁ、大丈夫だろ」
むしろ、俺が側にいて大丈夫かどうかの方が心配だ。
「この一ヶ月でどれだけ改善されてるか。だなぁ」
そんな心配を胸に、俺とミミックは村まで行ってくれる馬車へと乗り込んだ。
「到着っ!」
特に話すようなこともない三日間の馬車旅を終えた俺とミミックの二人。
早速、村の中へと移動し、聖女がどこにいるのかを聞き込んだ。わけなんだが……
「おらになんか用だべさ?」
「「エセ方言口調になってるっ!?」」
聖女の口調がおかしかった。
いや、おかしいのは口調だけじゃない。
「おらの畑さで採れた、新鮮トマトじゃい」
差し出されるのは、今にも果肉が爆発するんじゃないかと心配になるほど、パンパンに皮の張ったトマト。
「食うてみ、食うてみ」
俺らの反応が楽しみなのか、イモっ娘聖女はズイズイと進めてくる。
「い、いただきます」
堪えかねて、俺はパンパンなトマトへと口をつける。
まさしくそれは、爆弾の一言だ。
赤い果肉から吹き出てくる透明な果肉。
それは洗礼された甘さのジュースであり、壁の役割をしていた果肉の適度な苦味が、さらにジュースの甘さを際立たせていく。
俺が口にしたのは、本当にトマトなのだろうか。
そんな疑問さえ抱かされるほどの甘さと、口の中を一気に駆け巡る衝撃。
まさしく、
「トマト爆弾」
ネーミングセンスはともかく、その名に恥じないだけの破壊力が、そのトマトに備わっていた。
「って、違うっ!」
あぶねぇ……ジャンルが異世界ギャグから異世界グルメに転向するところだった。いや、俺が心配してもしょうがねぇが。
「おい、聖女」
「なんだべ? まさかっ!」
「おう、そうだよ。そのまさかだよ」
「このトマトさがっ! 世界を狙う時が来ただべさぁ~!」
「おうっ! こいつは、農業界を転覆させられるほどの……いや、違げぇからっ!」
のんびりスローライフをする気もねぇからっ!
「お前の顔と権力の出番なんだよっ!」
俺は本題へと、適宜ツッコミを入れながら、王都の現状を説明し始めた。
俺とミミックの二人は、馬車を乗り継いで街まで戻ってきた。
目的はただ一つ!
「脱獄を無かったことにするためっ!」
俺は大きく胸を開き、
「聖女を王都へ連れていくっ!」
力強く空へと拳を伸ばした。
「脱獄というより、罪そのものを無かったことにするつもりだよね」
「……そうだな」
イケメンミミックの言う通り、俺の冤罪を晴らすためでもある。
田舎で療養している聖女を王都へと連れていき、国の一大事にも関わらず、静観を決め込んでいる教会を動かそうっ! って魂胆だ。
……ってか、こういうのは刑務所の外にいる奴等がすることじゃねぇの?
モー子とか、半日はサッカーの練習で、もう半日は寝て過ごしてただけだぞ? その辺にいる学生と、たいして変わらねぇ生活だったぞ?
それとマーア?
お前、頭の回転は速いくせに、仲間を助けようという心意気は全然無いよな。パッションが足りねぇ。鎧の上から胸をどついてやりたくなる。……痛そうだから勘弁してやるが。
「それで、聖女様を連れてくるために帰ってきたんだよね?」
「あぁ。この街から徒歩で三日くらいの村で農作業でもしているはずだ」
「中身がデュラハン君ってのが気になるところだけど、まぁ、大丈夫かな?」
「デュラハンだと何か問題があるのか?」
口調はともかく、性格的には特に問題は無かった気がするんだが?
「デュラハンだから、というよりも、彼女の性格が少しヤンチャなところが問題かな? 教会の人達にバレないと良いんだけど」
「あー……まぁ、大丈夫だろ」
むしろ、俺が側にいて大丈夫かどうかの方が心配だ。
「この一ヶ月でどれだけ改善されてるか。だなぁ」
そんな心配を胸に、俺とミミックは村まで行ってくれる馬車へと乗り込んだ。
「到着っ!」
特に話すようなこともない三日間の馬車旅を終えた俺とミミックの二人。
早速、村の中へと移動し、聖女がどこにいるのかを聞き込んだ。わけなんだが……
「おらになんか用だべさ?」
「「エセ方言口調になってるっ!?」」
聖女の口調がおかしかった。
いや、おかしいのは口調だけじゃない。
「おらの畑さで採れた、新鮮トマトじゃい」
差し出されるのは、今にも果肉が爆発するんじゃないかと心配になるほど、パンパンに皮の張ったトマト。
「食うてみ、食うてみ」
俺らの反応が楽しみなのか、イモっ娘聖女はズイズイと進めてくる。
「い、いただきます」
堪えかねて、俺はパンパンなトマトへと口をつける。
まさしくそれは、爆弾の一言だ。
赤い果肉から吹き出てくる透明な果肉。
それは洗礼された甘さのジュースであり、壁の役割をしていた果肉の適度な苦味が、さらにジュースの甘さを際立たせていく。
俺が口にしたのは、本当にトマトなのだろうか。
そんな疑問さえ抱かされるほどの甘さと、口の中を一気に駆け巡る衝撃。
まさしく、
「トマト爆弾」
ネーミングセンスはともかく、その名に恥じないだけの破壊力が、そのトマトに備わっていた。
「って、違うっ!」
あぶねぇ……ジャンルが異世界ギャグから異世界グルメに転向するところだった。いや、俺が心配してもしょうがねぇが。
「おい、聖女」
「なんだべ? まさかっ!」
「おう、そうだよ。そのまさかだよ」
「このトマトさがっ! 世界を狙う時が来ただべさぁ~!」
「おうっ! こいつは、農業界を転覆させられるほどの……いや、違げぇからっ!」
のんびりスローライフをする気もねぇからっ!
「お前の顔と権力の出番なんだよっ!」
俺は本題へと、適宜ツッコミを入れながら、王都の現状を説明し始めた。
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