恐怖耐性を上げ過ぎると、恐怖の対象になるようです
『恐怖耐性』ーー書いて字の如く、恐怖に対する耐性を付けるためのスキルだ。これがあれば、どんなに醜い魔物が現れても体が強張る事がなくなる。
俺は幼少の頃に魔物の群れに囲まれてしまい、以来魔物の顔を見る度に緊張で剣が振るえなくなっていた。
「騎士の家系に生まれたというのに……っ!」
そんな、「期待外れもいいところだ」と言わんばかりの台詞を浴びせられ続けてきた。
そんな俺に、たまたま偶然にも、『恐怖耐性』なるスキルを習得出来る機会に恵まれた。
俺は必死にスキルのレベルを上げ、上げて、上げまくった。
その結果……あまりの可愛いさに、剣を振ることが出来なくなってしまった。
なにあの、ゴブリン! 瞳がクリクリしていて可愛いんだけどっ!!
銀狼なんてっ! ゴールデンレトリバーじゃねぇかっ!! いや、銀色の毛並みだからシルバーレトリバーってかっ!!
ともかく、恐怖耐性を上げると、魔物が……いや、魔物に限らず、『恐怖』の対象全てが、可愛く見えてくるようだ。
その可愛らしさに魅了された俺は、逆に魔物達に恐怖される対象になってしまったようなんだが……
なぜ、アイツ等は、俺に出会った瞬間に武器を捨ててまで逃げ出すのだろうか?
恐怖耐性がレベル百を越える前までは、嬉々として襲ってきていたくらいなのだが……?
これは、『恐怖耐性』に頼った俺の日常を綴った物語である。
あぁ……いつになったら、ゴブリンにハグ出来るのだろうか…………。
俺は幼少の頃に魔物の群れに囲まれてしまい、以来魔物の顔を見る度に緊張で剣が振るえなくなっていた。
「騎士の家系に生まれたというのに……っ!」
そんな、「期待外れもいいところだ」と言わんばかりの台詞を浴びせられ続けてきた。
そんな俺に、たまたま偶然にも、『恐怖耐性』なるスキルを習得出来る機会に恵まれた。
俺は必死にスキルのレベルを上げ、上げて、上げまくった。
その結果……あまりの可愛いさに、剣を振ることが出来なくなってしまった。
なにあの、ゴブリン! 瞳がクリクリしていて可愛いんだけどっ!!
銀狼なんてっ! ゴールデンレトリバーじゃねぇかっ!! いや、銀色の毛並みだからシルバーレトリバーってかっ!!
ともかく、恐怖耐性を上げると、魔物が……いや、魔物に限らず、『恐怖』の対象全てが、可愛く見えてくるようだ。
その可愛らしさに魅了された俺は、逆に魔物達に恐怖される対象になってしまったようなんだが……
なぜ、アイツ等は、俺に出会った瞬間に武器を捨ててまで逃げ出すのだろうか?
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