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サンドラ姫の大いなる勘違い〜サンドラ視点
しおりを挟む剣は良い。
努力すればしただけ答えてくれる。
我は守られるより守りたい質じゃ。
我が国の善良な民たちを、この手で直接守りたい。
そして我が従者のイグナスも。
男にしては低い身長、華奢な体型で、外見もチャコールグレーの髪と瞳に浅黒い肌。凡庸な顔立ち。
何もかもぼんやりと目立たない奴じゃ。
だからか小さな頃は常に誰かにいじめられていた様子で、いつもどこかを怪我していた。
まだ我が幼い頃、隠れるように泣いていたのを見たことがある。
イグナスは、いくら問い詰めても決していじめた奴を言わぬから、結局仇を討ってやれなかったが、今思い出しても腹わたが煮えくり返る。
7つも年上とは思えぬ童顔で、我に従順なイグナスは、すっかり我が守ってやりたい可愛い存在なのである。
そんな彼も、今では我ほどではないが相当強くなった。それはひとえに彼の努力の賜物だと思う。
イグナスは今でも、我の剣の相手が務まらなくなるといけないからと、我が眠る早朝や深夜に剣の訓練をしているらしい。
本当に健気で愛い奴じゃ。
我はイグナスを一生側に置いて守ってやりたい。
だから、我より強い良き男を婿にしなければ。
弱い奴では我が、イグナスと婿殿ふたりも守ってやらねばならなくなるからな。
我はあまり器用ではないゆえ、どちらかを見捨てねばならなくなったら婿殿に申し訳がないからな。
我も13歳にもなった事だし、イグナスのためにも本格的に婿殿を探さねばなるまいな。
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