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舞踏会に招待されました⑵
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昼食をエイミー様と一緒にいただいて、エイミー様の部屋で歓談中。
エイミー様は恋愛物語の本を読むのが好きで、その知識を元に人間観察と未来予測をするのが趣味らしい。
このカップルはゴールインするとか、近いうち破局するとか。
エイミー様はあまり王女らしくないせいか、緊張せずに話せたし、私も読書が趣味なので、話題に困ることはなかった。
ところで、とエイミー様は話を切り出した。
「カスミは随分アレク兄様にご執心のようだけど、どこまで進んでいるの?」
私は意味が分からずキョトンとしてしまう。
「進んでるって、何ですか?」
「いやですわ、婚約者として付き合っていらっしゃるのでしょ?手を繋ぐとか、キスとか、まあアレク兄様の事だからその先なんてまだでしょうけど」
王女とは思えない下世話な会話に若干引きつつ私は答えた。
「いやですわって、こちらこそ嫌ですよ。私はローランド様に対して、そんな邪な願望は抱いていませんよ。ローランド様に好きになって欲しいとかの見返りは必要ないんです。ただ、傍にいさせて欲しいだけです」
エイミー様は感心したように聞いていたが、更に追求してきた。
「それじゃ、アレク兄様が邪な気持ちを貴女に抱いていたら嫌いになるの?」
「まさか。畏れ多くてすごく戸惑うでしょうけれど。自分で良ければ喜んで気持ちを受け取りますよ」
「なるほど。興味深い発言ですわね」
「……相性抜群て感じだけど、このままじゃ、お互い見返りを期待しなさそうーーヤバいわ」
エイミー様はまた小声で何か言っていたけど、これ以上この話題になるのは困るので私は聞き返さなかった。
話が終わりかけたところで私はハッとしてエイミー様に尋ねた。
「あの、エイミー様、うっかり聞き流しそうになったのですが、今、ローランド様をお兄様と言わなかったですか?」
「あら、知りませんでしたの?アレク兄様ったらカスミに何も言っていないのね。アレク兄様は王と王妃の御子で、第一王子なんですのよ。……でもあのお姿ですからお嫁さんの来てがなくてね。跡継ぎを望めないから王位継承権を放棄なさったのです」
エイミー様はわずかに瞼を下げた。
「ええっ……真の王子様だったのですね……やはりあの気品は、お血筋のせいなのでしょうね」
私は複雑な気持ちで呟いた。
「血筋もあるでしょうけど、アレク兄様は降籍する前に帝王学は納めていたし、公爵となるために貴族としてのマナーや領地経営なども学んでいるから、その努力は並外れたものだと思うわ。それが言動に現れているんでしょうね」
それを聞いて、私は胸が締め付けられるような気がした。
(そんなに努力家で優秀なのに、この世界の美醜感のせいで王位を継げないなんて……ほんとなら王太子様だったのだわ)
切ないローランド様の過去を聞いて、ますます片時も離れず傍に居たい、今すぐ会いたいと思った。
エイミー様は恋愛物語の本を読むのが好きで、その知識を元に人間観察と未来予測をするのが趣味らしい。
このカップルはゴールインするとか、近いうち破局するとか。
エイミー様はあまり王女らしくないせいか、緊張せずに話せたし、私も読書が趣味なので、話題に困ることはなかった。
ところで、とエイミー様は話を切り出した。
「カスミは随分アレク兄様にご執心のようだけど、どこまで進んでいるの?」
私は意味が分からずキョトンとしてしまう。
「進んでるって、何ですか?」
「いやですわ、婚約者として付き合っていらっしゃるのでしょ?手を繋ぐとか、キスとか、まあアレク兄様の事だからその先なんてまだでしょうけど」
王女とは思えない下世話な会話に若干引きつつ私は答えた。
「いやですわって、こちらこそ嫌ですよ。私はローランド様に対して、そんな邪な願望は抱いていませんよ。ローランド様に好きになって欲しいとかの見返りは必要ないんです。ただ、傍にいさせて欲しいだけです」
エイミー様は感心したように聞いていたが、更に追求してきた。
「それじゃ、アレク兄様が邪な気持ちを貴女に抱いていたら嫌いになるの?」
「まさか。畏れ多くてすごく戸惑うでしょうけれど。自分で良ければ喜んで気持ちを受け取りますよ」
「なるほど。興味深い発言ですわね」
「……相性抜群て感じだけど、このままじゃ、お互い見返りを期待しなさそうーーヤバいわ」
エイミー様はまた小声で何か言っていたけど、これ以上この話題になるのは困るので私は聞き返さなかった。
話が終わりかけたところで私はハッとしてエイミー様に尋ねた。
「あの、エイミー様、うっかり聞き流しそうになったのですが、今、ローランド様をお兄様と言わなかったですか?」
「あら、知りませんでしたの?アレク兄様ったらカスミに何も言っていないのね。アレク兄様は王と王妃の御子で、第一王子なんですのよ。……でもあのお姿ですからお嫁さんの来てがなくてね。跡継ぎを望めないから王位継承権を放棄なさったのです」
エイミー様はわずかに瞼を下げた。
「ええっ……真の王子様だったのですね……やはりあの気品は、お血筋のせいなのでしょうね」
私は複雑な気持ちで呟いた。
「血筋もあるでしょうけど、アレク兄様は降籍する前に帝王学は納めていたし、公爵となるために貴族としてのマナーや領地経営なども学んでいるから、その努力は並外れたものだと思うわ。それが言動に現れているんでしょうね」
それを聞いて、私は胸が締め付けられるような気がした。
(そんなに努力家で優秀なのに、この世界の美醜感のせいで王位を継げないなんて……ほんとなら王太子様だったのだわ)
切ないローランド様の過去を聞いて、ますます片時も離れず傍に居たい、今すぐ会いたいと思った。
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