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私という化け物〜ローランド視点
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団長執務室に戻り椅子に腰掛ける。
先ほどのカスミの台詞を思い返す。
ほとんど貶される所である私の欠点を、まるで絶賛するような台詞だ。
前からカスミは私を褒める事が多くて、かえって落ち込みそうだったが、本心から言っていたのだろうか?
それなら真逆とも言えるウィリアムがタイプではないと言うのも頷けるが……。
何故かカスミは全幅の信頼を私に抱いているので、あばたもえくぼという奴かもしれない。
父上との会話で、カスミにもっと選択肢をと言った自分の台詞を思い出す。
余計な事を言わず、さっさとカスミを自分の物にしてしまう事が今なら可能だというのに。
だが、結婚した後、自分の物になった後でカスミが他の男に本当の愛情を自覚し、出て行くと言われたら……。
その時こそ、カスミが言ってくれた物静かで優しいーー私ではいられなくなるだろう。
何もかもめちゃくちゃにしてしまうかもしれない。
神力を宿す、私という化け物は、ホンモノの化け物になってしまうだろうーーー。
ならば、今度の舞踏会で、高貴で美しい男たちと交流させて、カスミのお眼鏡に叶う奴を見つけ早めに手放した方がマシかもしれない……。
考えに耽っていたところ、執務室の扉が鳴った。
返事をすると、扉が開き、花が綻ぶような笑顔を浮かべてカスミが入って来た。
「お帰りなさい!ローランド様!」
待っていた、会えて嬉しいと言外で言っているようなこの笑顔……。
もう、手放すなんて遅すぎる気がする……。
こっそりとため息をつく。
「カスミ。今度貴族が集まる舞踏会があるんだが、王がそなたを招待したいそうだ」
どうか、行きたくないと言って欲しい、そんな思いを込めて伝えだが、カスミはあっさり「行ってみたいです」と言った。
たくさんの選択肢をと言った自分へのしっぺ返しかと自嘲していたら、
「ローランド様が行くのなら」
と付け加えられた。
「ローランド様がダンスを踊っているところが見てみたいです」という。
ああ、こんなに可愛いカスミを、私は目の前で他の男に取られるのかもしれない、と恐怖した。
先ほどのカスミの台詞を思い返す。
ほとんど貶される所である私の欠点を、まるで絶賛するような台詞だ。
前からカスミは私を褒める事が多くて、かえって落ち込みそうだったが、本心から言っていたのだろうか?
それなら真逆とも言えるウィリアムがタイプではないと言うのも頷けるが……。
何故かカスミは全幅の信頼を私に抱いているので、あばたもえくぼという奴かもしれない。
父上との会話で、カスミにもっと選択肢をと言った自分の台詞を思い出す。
余計な事を言わず、さっさとカスミを自分の物にしてしまう事が今なら可能だというのに。
だが、結婚した後、自分の物になった後でカスミが他の男に本当の愛情を自覚し、出て行くと言われたら……。
その時こそ、カスミが言ってくれた物静かで優しいーー私ではいられなくなるだろう。
何もかもめちゃくちゃにしてしまうかもしれない。
神力を宿す、私という化け物は、ホンモノの化け物になってしまうだろうーーー。
ならば、今度の舞踏会で、高貴で美しい男たちと交流させて、カスミのお眼鏡に叶う奴を見つけ早めに手放した方がマシかもしれない……。
考えに耽っていたところ、執務室の扉が鳴った。
返事をすると、扉が開き、花が綻ぶような笑顔を浮かべてカスミが入って来た。
「お帰りなさい!ローランド様!」
待っていた、会えて嬉しいと言外で言っているようなこの笑顔……。
もう、手放すなんて遅すぎる気がする……。
こっそりとため息をつく。
「カスミ。今度貴族が集まる舞踏会があるんだが、王がそなたを招待したいそうだ」
どうか、行きたくないと言って欲しい、そんな思いを込めて伝えだが、カスミはあっさり「行ってみたいです」と言った。
たくさんの選択肢をと言った自分へのしっぺ返しかと自嘲していたら、
「ローランド様が行くのなら」
と付け加えられた。
「ローランド様がダンスを踊っているところが見てみたいです」という。
ああ、こんなに可愛いカスミを、私は目の前で他の男に取られるのかもしれない、と恐怖した。
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