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このお方ならば、旦那様が幸せになれます〜マリー視点
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カスミ様が公爵邸に移って来られて初めての休日。
私がカスミ様のお部屋へ様子を伺いに行くと、カスミ様はお休みにも関わらず、いつも通り起きられて、前もって用意していたメイド服を着用されていた。
ご自分で髪を三つ編みになさって、清潔な身なりを意識しているのがわかる。
「まあ、カスミ様。せっかくのお休みですから、もっとゆっくり休まれたら良かったのですよ?」
「マリーさん、おはようございます。休みの日はローランド様のメイドをしますから、ゆっくり寝てなんていられませんよ」
ウキウキした様子のカスミ様を見て、私は嬉しくなる。
「カスミ様、そのメイド服、とても似合っておいでですわ。旦那様が見たら、お喜びになりますわよ、きっと」
「そうでしょうか?」
とても美しいカスミ様ですが、ご自身の容姿には無頓着のようで、褒め言葉もお世辞くらいに感じるようです。
それなのに旦那様の事はいつも美しいだの、カッコいいだの、素敵だの言って嬉しそうにしていらっしゃる。
この世界では醜いと距離を置かれるような旦那様ですが、カスミ様には素敵な王子様にでも見えているのでしょう。
「ねぇ、マリーさん。今日はメイドとして、ローランド様に何をして差し上げたら良いでしょうか?」
「そうですわね、旦那様は食事を自室で取られますから、配膳などなさってはいかがでしょう」
「やります!……あの、その時、私の食事も持って行って、一緒に食べてもいいでしょうか?」
邸にいらした時から、突拍子もない事を言われるお方だとは思っていたけれど。
その言動が常に旦那様の幸せに繋がるものであるので私は嬉しくてたまらない。
「えぇ、是非そうなさって下さいませ。厨房係の者に伝えておきますわ」
私がそう言うと、カスミ様は花が綻ぶような美しい笑顔を浮かべられ、
「それじゃあローランド様が起きられるまで、私、ローランド様の靴でも磨きます!」
そう言ってセバスの所へ行き、靴磨きを教わっていました。
上品な容姿や立ち居振る舞いからして、平民だったとは思えないカスミ様は、貴族令嬢や姫君のようでありながら、下働きを嬉々としてなさるお姿に、やはりこの世界の方とは違うのだと感じる。
この方ならば不遇な暮らしを強いられてきた旦那様を、幸せにできるに違いないと強く感じた。
「……今日もたくさん王妃様に報告できそうですわ」
私は独り言を呟いて仕事に戻った。
私がカスミ様のお部屋へ様子を伺いに行くと、カスミ様はお休みにも関わらず、いつも通り起きられて、前もって用意していたメイド服を着用されていた。
ご自分で髪を三つ編みになさって、清潔な身なりを意識しているのがわかる。
「まあ、カスミ様。せっかくのお休みですから、もっとゆっくり休まれたら良かったのですよ?」
「マリーさん、おはようございます。休みの日はローランド様のメイドをしますから、ゆっくり寝てなんていられませんよ」
ウキウキした様子のカスミ様を見て、私は嬉しくなる。
「カスミ様、そのメイド服、とても似合っておいでですわ。旦那様が見たら、お喜びになりますわよ、きっと」
「そうでしょうか?」
とても美しいカスミ様ですが、ご自身の容姿には無頓着のようで、褒め言葉もお世辞くらいに感じるようです。
それなのに旦那様の事はいつも美しいだの、カッコいいだの、素敵だの言って嬉しそうにしていらっしゃる。
この世界では醜いと距離を置かれるような旦那様ですが、カスミ様には素敵な王子様にでも見えているのでしょう。
「ねぇ、マリーさん。今日はメイドとして、ローランド様に何をして差し上げたら良いでしょうか?」
「そうですわね、旦那様は食事を自室で取られますから、配膳などなさってはいかがでしょう」
「やります!……あの、その時、私の食事も持って行って、一緒に食べてもいいでしょうか?」
邸にいらした時から、突拍子もない事を言われるお方だとは思っていたけれど。
その言動が常に旦那様の幸せに繋がるものであるので私は嬉しくてたまらない。
「えぇ、是非そうなさって下さいませ。厨房係の者に伝えておきますわ」
私がそう言うと、カスミ様は花が綻ぶような美しい笑顔を浮かべられ、
「それじゃあローランド様が起きられるまで、私、ローランド様の靴でも磨きます!」
そう言ってセバスの所へ行き、靴磨きを教わっていました。
上品な容姿や立ち居振る舞いからして、平民だったとは思えないカスミ様は、貴族令嬢や姫君のようでありながら、下働きを嬉々としてなさるお姿に、やはりこの世界の方とは違うのだと感じる。
この方ならば不遇な暮らしを強いられてきた旦那様を、幸せにできるに違いないと強く感じた。
「……今日もたくさん王妃様に報告できそうですわ」
私は独り言を呟いて仕事に戻った。
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