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騎士団の皆様に紹介されました。
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訓練所にローランド様と一緒に向かう。
ローランド様は、私の部屋に迎えに来てくれ、騎士様たちに私が団長付き文官になることを告知すると言った。
仕事内容については、まだ何ができるか分からないので、団長執務室の掃除やお茶汲みくらいからゆっくりやってくれたら良いと言ってくれた。
「あくまで、カスミを護衛するのが最優先目標だから、カスミが仕事をする上で無理をしないように」
(私専属の護衛騎士様……尊いなぁ~‼︎ )
私はにやけ顔を隠しきれない。
「バリバリ働いて、ローランド様が少しでも楽になるよう頑張ります!」
「……だから、無理するなと言っている」
ローランド様はため息をつきながら呟いた。
訓練所には騎士様たちがすでに揃っており、整列も済ませている。
みんなの前にローランド様が立つと、ウィリアムさんが一歩前に出て敬礼した。
「団長、本日は連絡事項があるとのことでしたので、全員揃えております」
(おお~、ウィリアムさん、できる男だな。ブサカワだけど、私の中では好感度上昇しているよ!)
ローランド様は頷いて、騎士様たちに視線を向けた。
「もうすでに知っているだろうが、この世界に稀人がいらした。ここにいるカスミだ」
「花純です。みなさんよろしくお願いします」
ペコリとお辞儀する。
ザワザワと騒がしくなりかけたが、ローランド様はひとつ咳払いをして、話を続けた。
「稀人には護衛がついて御身をお守りする事になっているが、私がその役を仰せつかった。カスミはこれより、私付きの文官という名目で、側に置く事になった。よってカスミは今日からこの第2騎士団に所属する事になる。みな、仲良くしてやってくれ」
そこまで話すとさらに騎士様たちがざわついた。それはそうだろう、管理職の者が稀人の護衛をするなど前代未聞なのだ。他の仕事をしながら守るというのも聞いた事がない。
そこまで無理して護衛をするのはひとえに稀人の希望によるのは想像に難くない。
ウィリアムさんが、ざわついている騎士様たちを黙らせる。
「団長、稀人の護衛就任おめでとうございます。……して、稀人の護衛は、婚約者も兼ねていると聞きますが、その辺はどうなのでしょうか」
他の騎士様たちが気になっているところを、さりげなく聞いてくるウィリアムさんてば、やはりできるな。
私はそう思いながらローランド様の方を伺うと、カチッと固まっていた。
うん、ここは私が助け船を出さねば!
「もちろん私は婚約者としても考えています。ですがまだ私の一方的な希望ですので、みなさん、そっと見守って下さい!」
そういうと騎士様たちがワッと沸いた。
「カスミちゃん、カッケー‼︎ 」
「男前‼︎ 」
「さすが稀人は見る目あるな!そこら辺の優男でなく、団長を選ぶなんて!惚れるわ‼︎ 」
みんなに応援されながら、にこにこしていると、ローランド様は、全く何事もなかったかのように
「話は以上だ。訓練を始める」と言って剣を持ち、訓練場に入って行った。
いつもはひとりで3人を相手にしていたローランド様は、何故か5人を相手に滅多打ちにしていた。
ローランド様は、私の部屋に迎えに来てくれ、騎士様たちに私が団長付き文官になることを告知すると言った。
仕事内容については、まだ何ができるか分からないので、団長執務室の掃除やお茶汲みくらいからゆっくりやってくれたら良いと言ってくれた。
「あくまで、カスミを護衛するのが最優先目標だから、カスミが仕事をする上で無理をしないように」
(私専属の護衛騎士様……尊いなぁ~‼︎ )
私はにやけ顔を隠しきれない。
「バリバリ働いて、ローランド様が少しでも楽になるよう頑張ります!」
「……だから、無理するなと言っている」
ローランド様はため息をつきながら呟いた。
訓練所には騎士様たちがすでに揃っており、整列も済ませている。
みんなの前にローランド様が立つと、ウィリアムさんが一歩前に出て敬礼した。
「団長、本日は連絡事項があるとのことでしたので、全員揃えております」
(おお~、ウィリアムさん、できる男だな。ブサカワだけど、私の中では好感度上昇しているよ!)
ローランド様は頷いて、騎士様たちに視線を向けた。
「もうすでに知っているだろうが、この世界に稀人がいらした。ここにいるカスミだ」
「花純です。みなさんよろしくお願いします」
ペコリとお辞儀する。
ザワザワと騒がしくなりかけたが、ローランド様はひとつ咳払いをして、話を続けた。
「稀人には護衛がついて御身をお守りする事になっているが、私がその役を仰せつかった。カスミはこれより、私付きの文官という名目で、側に置く事になった。よってカスミは今日からこの第2騎士団に所属する事になる。みな、仲良くしてやってくれ」
そこまで話すとさらに騎士様たちがざわついた。それはそうだろう、管理職の者が稀人の護衛をするなど前代未聞なのだ。他の仕事をしながら守るというのも聞いた事がない。
そこまで無理して護衛をするのはひとえに稀人の希望によるのは想像に難くない。
ウィリアムさんが、ざわついている騎士様たちを黙らせる。
「団長、稀人の護衛就任おめでとうございます。……して、稀人の護衛は、婚約者も兼ねていると聞きますが、その辺はどうなのでしょうか」
他の騎士様たちが気になっているところを、さりげなく聞いてくるウィリアムさんてば、やはりできるな。
私はそう思いながらローランド様の方を伺うと、カチッと固まっていた。
うん、ここは私が助け船を出さねば!
「もちろん私は婚約者としても考えています。ですがまだ私の一方的な希望ですので、みなさん、そっと見守って下さい!」
そういうと騎士様たちがワッと沸いた。
「カスミちゃん、カッケー‼︎ 」
「男前‼︎ 」
「さすが稀人は見る目あるな!そこら辺の優男でなく、団長を選ぶなんて!惚れるわ‼︎ 」
みんなに応援されながら、にこにこしていると、ローランド様は、全く何事もなかったかのように
「話は以上だ。訓練を始める」と言って剣を持ち、訓練場に入って行った。
いつもはひとりで3人を相手にしていたローランド様は、何故か5人を相手に滅多打ちにしていた。
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