太陽と龍の追憶

あらいもの

さみしいときも うれしいときも
あなたが背中を 向けて立っていた
大好きな朝も ちょっと嫌な夜も
あなたはいつも そこに立っていた

当たり前だと 思って過ごしても
いつまでも続かなくて
愛しても愛しても
ちっとも届かなくても

はじまることも おわることも
あなたはいつか 忘れてしまった
大好きなひとを 思い描くことも
あなたはきっと 忘れたかった

信じたはずの 面影をおいかけて
いつも蹴躓いて
愛しても愛しても
全然届かなくても

僕がいつか あなたの代わりに
汚れたお皿も 割れたカップも
綺麗にしてあげたい
僕が全部 あなたのために
欠けたコップも 残った夕食も
片付けてあげるから

明日使うお皿は どんな形をしていて
何を盛りつけて 並べてくれるの
はじまることを 愛することを
もう一度思い出して 踏み出してくれるの

僕がいつか あなたの代わりに
濡れたシンクも たまった三角も
綺麗にしてあげたい
僕がいつも あなたのために
折れたお箸も 曲がったスプーンも
新しいのを買ってあげるから
そして笑って 食べて 洗って 仕舞って
幸せも 不幸せも けんかも 仲直りも
汚れたら また洗って 割れたら 取り替えて
新しいのを 一緒に買いに行こう
明日からも ずっと