太陽と龍の追憶

空踏

悪戦苦闘もしていない
七転八倒する気も無い
潰れた近所の店を見て
行く末気にする自分に
乾いた苦笑いを浮かべ

青息吐息で暮らしてて
艱難辛苦を避けてきて
嫌な奴にも頭を下げて
行く先々で迷惑かけて
心にもない謝罪をして

明日の俺はどこにいて
明日は今頃何をしよう
外に出るのはもう嫌だ
家に居たって気が狂う
コタツに潜って寝よう
テレビは点けっぱなし

お金も女も欲しいけど
背は伸びないし貧乏で
タバコと安い酒を買い
あとは妄想するばかり
思えば遠くへ来たなあ
見飽きた故郷の青い空
今では無性に懐かしい
帰ってみようか故郷へ
歩いてみようあの街を
引き摺る影は色濃くて
今にも俺を食い尽くす
食われてたまるか俺は
故郷の空まで帰るんだ
俺には帰る場所がある
俺には帰る未来がある
ああ俺は俺の空を見て
掴んだばかりの約束を
明日の俺があっさりと
放り投げて眠っている