#不思議系小説 ニューシネマ・パラダイスシティ

ダイナマイト・キッド

文字の大きさ
204 / 278

粘膜EL.DORADO 10.

しおりを挟む
 当時のAssemble零(ゼロ)っちゅうたら死神が憑りついてお得意さんになっとるんかっちゅうくらいの、激戦区のなかの激戦区やった。ここに召集されるっちゅうんは、もうそれすなわち地獄行きの片道切符を寄越されたようなもんで、殆ど死ねっちゅうのと同じやった。だがそこで戦い抜いて来たんが、ブラウンや。化け物やでホンマ。前線で色んな奴を見て来たし、開発局にも軍の偉いさんから歴戦の猛者からよう来とった。せやけどな、ブラウンほどおっかない奴は見たことないし、今でもおらんわ。

 ……ワシが零に配属されたときは戦況がいっちゃん最悪な時分でな、武器も弾薬も機械も乗り物も、みんな直せるほどのもんは残っとらんねん。ちょっとでも動いたら無理やりにでも乗って、残り少ない弾薬(タマ)や壊れてへん武器かき集めて、それで戦っとったんや……そこへなんも知らんと来たワシを出迎えたんが全身血まみれ、今にも死にそうなブラウンやった。

 血ぃで真っ赤になっとるうえ失血死寸前で真っ青な顔したブラウンが、ワシが全身に括り付けて来た武器弾薬を見て開口一番なんと言ったか。
「その銃と弾薬(タマ)あるだけ寄越せや!!」
 否も応も無いで、ワシがなんも言わんうちに武器からタマから分捕って、そのままクルっと振り向いて出かけて行きよったんや。

 零で相手しとったのは独立広告放送機構っちゅうたか、バイオテクノロイドって……要するに広告用に遺伝子を弄ったり機械を埋め込んだり他の生きもん同士をくっつけて合成したりした動物を戦闘用に転化した生物兵器を使う連中でな。

 えげつないで、首が三つあるチワワとかやな、神経節にチップ埋め込んでコントロール出来る巨大なスズメバチの大群、畳八畳敷くらいの大きさで地面を走りながら腹の裂け目から出た触手で人間を喰う地走りイトマキエイ、極めつけが元祖なにわの大(おお)キメラや。
 ごっついでぇ、金色のうろこがピカピカぬらぬら光るガラガラヘビの尾っぽにツキノワグマの胴体、手ぇは左右にサソリが一匹ずつ付いてアホウドリの翼があって顔はダチョウが二股になって付いとんねん。足もなんや大きな鳥のが付いとったなあ。そんなんがアホウドリやさかい、ビルから崖からちょっと高さがあったらザァーー降りて来よんねん。ほんで蛇に噛まれたりサソリに刺されたり挟まれたり……。

 なんしょ難儀しとったけども、ブラウンはそのけったいな生物兵器どもを次々に破壊していきよった。見ててスカっとするで、痛快っちゅうのはこのことかと思うくらいにな。
 こっちもやられてばかりじゃ腹立つさかいにな、ワシも一生懸命、新兵器開発してブラウンに持たしたったんや。それが始まりやったなあ。
 最初は怪訝な顔、されたけどな。だんだんワシの武器が役に立つっちゅうんで向こうからも、こんなもん出来(でけ)んか、こんな武器どないや、と色んな注文が来るようになった。

 相手は生物兵器っても虫かケモノや。せやったら、やっぱ火ぃやろ。
 せやけど普通の火ぃは通用せぇへん。ほなどないするか……答えはカンタン。もっと燃やしたったらエエねん。要は温度……奴等は普通の動物や虫より丈夫な毛皮や甲殻で火ぃの温度に耐えとるんや。それやったら、その毛皮や甲殻でも余裕で燃したったらエエ。そう思って開発したんが……待っとれよ、確かこの辺にまだあんねん……ああコレや。サンガネ、持ってみぃ。
 そうそう。ごっついやろ……これが地上最悪の放電兵器、ガイアプラズマや。見た目はアレや、下町の路地の二階から出よるパラボラアンテナやねんけどな。要するになんぼ炎を浴びせてもアカンのやったら、直接、ダイレクトに、もう相手をメチャ熱(あつ)くしたったらエエんよ。せやからコレで地べたから空気中に至るまで放電して超高熱まで持ってったら相手は黒焦げ。
 コレ使(つこ)たブラウンが喜びよってなあ。ワシの傑作やで。

 そっからや。ワシとブラウンのコンビは連戦連勝、地獄のAssemble零を生き抜いたったわ……。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

処理中です...