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11月19日プロレスリングSECRET BASE
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一部の選手に関して非常に無礼な発言があります。
ご了承ください。
一応、怒りは怒りとしつつ整理して書きました。
でも思うところがあったのも事実で、それを隠して褒めたことばかり言うのは
イヤ
だったので、ぜんぶ正直に書きました。
11月19日プロレスリングSECRET BASE
名古屋・スポルティーバアリーナ大会
“Smells Like Golden Spirit 2023”
応援に行って来ました。
私が知る限り(覆面レスラーとかになってたらわからないけど)唯一、今も現役ルチャドールとして活躍する同期のHANAOKA選手や先輩のアミーゴ鈴木さん(寮長でもあった)とフェリストさんも出場するので、プロレス観戦とちょっとノスタルジーを兼ねた日曜日の昼。
普段、東京の調布を中心に活動するSECRET BASEが名古屋で試合を行うのも2年ぶりとのこと。入場式から選手を代表してのスピーチはフェリスト選手。
「……本当に誰も(スピーチさせられるって)教えてくれないんだもんなー」
どうやら内緒でお鉢を回されたらしい。
シンプルで素直なコメント共に試合開始。HANAOKA選手が
(短いよ…!)
と突っ込んでいた。確かにだいぶ巻いたと思うけど、あの飾らなさがフェリスト選手の良いところ。
第1試合。
そんなフェリスト選手と暗黒プロレス組織666のYANAGAWA選手が組んで登場。
なんとコールを間違えられるという滅多にない仕打ちにまで遭うフェリスト選手。
対戦相手は団体代表・清水基嗣選手に、Sebastian DeWittなる外国人選手。
田舎のプロレスと言えばガイジンレスラー。
スポルティーバさんの客席と通路、リングとの距離では、そこに等身大の軽量級選手がいるだけでも迫力があるけど、デカいガイジンが来ると尚もスリリングで面白い。
そのデカいセバスティアンとフェリスト選手の対戦で第1試合が始まる。
体格差を利して優位に立つセバスティアンに苦戦するフェリスト選手。足を踏んづけたり腕を取られたらクルっとロープを使って宙返りしたりと抵抗を試みるも、今度は脚をクロスしたまま持ち上げられ宙吊りにされるという荒業の餌食に…。
しかしやられてばかりではない。コーナーから飛びついてのフランケンシュタイナーは見事で、セバスティアンの巨体を放り投げてみせたのだ。
やっぱりこう、小柄であるとか軽量であるというのを逆手に取った戦い方というのは面白いしわかりやすい。第1試合なのでつまらない地味な試合をやるのではなく、誰が見てもわかりやすく、その団体のその日のテーマが明確かつなんとなく伝わるのが良い第1試合だと思う。
そこでYANAGAWA選手である。
何年も前に同じく名古屋で行われた試合にも出場していたYANAGAWA選手。
細身かつ素早い業師ながら結構、荒っぽい場面でも気後れしない戦いぶりがとても良く、その印象がずっと残っていた。今回もフェリスト選手の戦いを盛り上げつつ自分も清水選手と渡り合いセバスティアンとはシバき合い、この試合を陰から日向からリードしていたように見えました。
特にセバスティアンに決めたネックブリーカードロップは抜群で、この大きな一発のためにコツコツ攻めていたんだと思ってそこでスカっとする。
怒鳴ったり暴れたりもするけど実は結構、冷静で、年輪を重ねて老獪さが増している。
そんな悪のプロレス職人と清水選手の対戦は、もっとじっくり見たいくらい面白かったです。
第2試合。
実は長いことツイッターはフォローしていた藍川はるか選手が登場。
ツンツンツン、ピョンのダンスはレフェリーのすいはんさんと、このあと登場する鈴木選手も一緒に。みんないい顔をしていた…!
対戦相手?は、宇宙銀河戦士アンドロス選手。宇宙と銀河が一緒についてる名前って凄いな。臆面も無く名乗れば個性になる。
試合と言えるほどの事もなく、マイクを掴んだアンドロスが「ちくわぶ」についてダラダラ話、藍川選手にぐずぐずとセクハラをしているうちに清水選手とフェリスト選手が巻き込まれる形でタッグマッチに変更。
成り立つセクハラは試合になるが、そうでなければ適温よりやや低い温度の泥沼である。
これを楽しんでいられる人は、まあまあどんな団体と名乗る連中が出て来ても大丈夫ではないだろうか。
フェリスト選手が藍川選手に「フェリ兄(にぃ)」と呼ばれ頼りにされているところが微笑ましいのと、ひたすら尻拭いをさせられる清水選手の悲哀が見所だったのではないかと思います。
救済するぞ救済するぞ救済するぞ!と叫んでいたが、本当に救われたかったのは一体誰だったのか。
第3試合。
このことを書くべきか否か、ずーーっと迷っていた。
端的に言えば久しぶりにプロレス見に行って内心ブチ切れていたのだが、それを書いたところで本人になんか見て欲しくも無いし、手のうちの知れた身内と金払いの良い常連に甘やかされてホフホフやってりゃいい。
でもせっかくチケットをお願いした花岡君や久しぶりにお会い出来た先輩方、選手や関係者の皆さんにまで見せつけていいものか。これをもしプロレスあんま知らないで、たまたま見てくれた人が読んでくれてどう思うか。
私はこの日を本当に楽しみにしていたし、実際やっぱりルチャ・リブレは面白い。
試合や選手の個性が面白いとかは好みもあるから私とツボの違う人がどれだけ居たってそれが当たりまえだ。
それを踏まえて、あれが果たして怒りに値するものかどうか。ずっと迷っていた。
まあ結果、怒りは怒りのママぜーんぜん収まらないのでココに書いておく。
あとは読んだ人が好きに考えてくれ。
誰にも謝ってほしくも何かを直して欲しくも気にしてほしくも無いです。
リングに上がっている以上そっちのが私よりどう考えたってウエなんだから。
だからリングの上で起こったこと、戦っている人たちのことまで、いくらファンであるからと言っても私はよっぽど言い方に気を使って書いているし、そうするべきだと思っている。
でも、そうじゃない部分で、よく知りもしなければ好きでもない選手が、別に大してよくも無い試合をしたとして。
その前に、こんなことがあったら、皆さんならフラットに応援して、その試合が楽しめるだろうか。チケット代の5500円+ドリンク代500円を支払って入場した場所で、さらに500円巻き上げられた挙句の仕打ちと試合の出来栄えが、最低限妥当であるものか。
コトは試合開始前にさかのぼる。
会場に入ると、リングを正面にしてテーブルが並び、飲食をしながら試合が楽しめるようになっている。私もスポルティーバさんは初めて訪れる場所だったので、これは新鮮だし、見やすいように角度もずらしてくれてあるので、少なくとも最前列で見ていて不自由は無かった。
まだシークレットベースさんの物販が無人であったのでテーブルにあったチラシを見ていると、とある選手がやってきてリングのエプロンに小さなカゴを置き、その辺の最前列に陣取った常連で顔見知りらしきお客さんと話し始めた。グッズ買わないか、クジ引かないか、という内容も聞こえたので、私は席を外した。別のその人が嫌いではなかったが、まあ欲しくも無かったので声をかけられても困ってしまうから。
試合開始時間が迫って来たので席に戻ろうと店に入ると、まだその選手がリングサイド席の近くで常連と喋っている。結局そのまま本体の物販は無人のままらしく、私は並べてあるグッズを見たりしていたがそのうちに仕方無く席に戻った。そこへ、得たりとばかりに話を切り上げ、
「どうですか高井クジ」
とズイズイ近づいて来た。まあ無碍に断るのもなー、でも要らないなあ、と思って少し躊躇したのだが一向に引く気配も無い。まあ500円っていうなら…と仕方なしに財布を覗くと小銭が無い。1000円札を渡すと、釣りを渡したく無さそうにゴチャゴチャ言っていたが、さっきまでその辺の人達から巻き上げた500円硬貨があるのを知られている。
古いチラシか何かを破いて折り曲げたそのクジとやらをめくると4等。ブロマイド。
「ま、そういう日もあるって言うことでね」
と、無造作に小さな写真を手渡して来た。ああ、選ばせもしねえんだ、と(選べと言われてもまた迷惑だったが)思ってその写真を見たら、舌をベー!っと出して物凄く人を馬鹿にしたような顔だった。
それで私には用が済んだとばかりに対面の空いてた座席へドッカと腰かけ、私の隣の客とまた話し込み始めた。流石にこれには、どういう神経をしているのかと呆れるやら疑うやら腹が立つやらで。
こんなことになるなら500円玉をぶつけて遠くへ行ってもらうか、もう少し長いこと外で待っていればよかった。
私の了見が狭く、初見の団体と会場で、地元の人気選手のやり方についていけないだけなのだろうか。この選手の居る団体を何度か、お目当ての選手が出るので見に行ったことがある。
数年に一度のことだ。だって恒常的に見るほどには好きって選手いないし。
そこで大抵、目にする光景が常連客と話し込む選手だ。
これ自体は良くも悪くも距離が近いのがご当地団体の強みだったり魅力だったりするんだが、反面それより外側のお客を取り込みにくくなる。
だってこう↑なるから。
だから、ヨソからいい選手を呼んで来て他団体のファンにも見に来てもらうというわけだ。
それがどうだ。
ヨソの団体でヨソの選手目当ての客に、よくもまあ、こんな仕打ちが出来たものだ。
これまで好きではないまでも邪魔に思ったことまでは無かったし、前回チームでら観戦時にも同じ奴が座席を回ってタオルを売りに来たので、それも記念にと買った。その時も私のすぐ隣の席の常連客と5分以上話し込み、ついでに私にも声をかけて来たのだった。でも別に仕方ないとも要らないとも思わず、あのタオルは自分の意志で欲しいと思って買った。
そのタオルで自分の首をこんなに絞めることになるとは、2018年の私は思いもよらなかった。
あれがポスターに出てる試合は、当分行きたくないし、顔も見たいと思わない。
だからといって第3試合、若き悴田(かせだ)選手に勝ち目があるとも思えなかったのが何より残念でならない。
185センチ120キロという抜群の体格に不敵な面構え。
チョップやキックも見た目通りの迫力だったが、何しろ息切れが早かった気がする。
エストレージャへの道、と題されていたが長く険しい道のりになりそうだ。
だが、でも、この人は絶対に凄い選手になってくれると思う。
この日は100点満点なら30点だったけど、この先500点でも20000点でも取れる選手だ。
今は自分で自分の肉体を持て余してしまうし、相手に試合をしてもらっていたように見えた。
それも別にキャリアの浅い選手と戦って引っ張り上げたり、一流の試合を繰り広げたりするだけの技量は特に感じない地元団体の地元選手に。
これでは勿体ない。素質はあるのだし諦めずにドンドン色んな団体、土地、国で色んな選手と試合をして、自分で身体を鍛えて得られるもの以外の要素を貪欲に吸収して欲しいと願っている。
この日いっちばんデカかったのは紛れもなく悴田選手だったし、ぱっと見でプロレスラーに見えて、出て来るだけで耳目を集められるのはまごうことなき才能のうちなのだ。
スポルティーバさんには名古屋のプロレスの火を守ると書いてあったけど、あんな奴にいつまでもホフホフ言わせてたら名古屋のプロレスなんか火も点かなければ未来も無いぞ!!
別に名古屋にプロレス団体なんかなくたって大小いろんな団体が来るんだから、いま会場に来てる人たちも特に困らないか、あんな商売する奴がいなくなってホッとするんじゃないのか。
常連と距離を詰めるのもいいさ、小銭稼ぎに精を出すのも勝手さ、でもなあ!!
エストレージャってのは星屑でも綺羅星のごとく輝かせて見せるだけの強烈な光を放つリングの1等星を言うんであって。
クズ星同士の光り合いを見に来るプロレスファンなんか居やしねえんだ!!!!
なんか、自分が今まで一生懸命に応援してて、挫折まで味わったプロレスってのは一体なんだったのかと思うと自分で自分が情けなくなるし、お客の立場で好き放題こんなとこで言うのもどうなんだって気もしている。
書くのも後ろめたい、書かなければ胸糞悪い。
黙って応援しないと決めただけじゃ収まりもつかない。
いじられ半分の悴田コール、応援ボイコットごっこも良かろうが、我が身のことを差し引いても、第2試合のセクハラ三昧と大差なかった。
他に目当ての無い、一見のお客だったらどう思っただろうか。
第4試合。
この日のメインイベント。
軸になるのは王者・アミーゴ鈴木選手と、挑戦者・川島真織選手の前哨戦。
この試合のあと、本拠地東京でのタイトルマッチを控えているという。
そこに明るくほがらかに悪いことをするHANAOKA選手や本場本物のルチャドール、しかも親父はそれこそスペル・エストレージャのイホ・デル・アレブリヘ選手、さらに伸び盛りの鈴木謙介選手、ご当地ゲスト選手として石田慎也選手が加わった6人タッグマッチ。
田舎のプロレスと言えば6人タッグ。
ルチャ・リブレ方式のノータッチルールで、簡単に言えば通常は「試合を進める権利を持つ選手が控えの選手とタッチを行い、それをレフェリーが認めた場合のみ交代となる」が、メキシコでは「試合権利を持つ選手が何らかの形でリング外に出た(出された)時点で控えの選手との交代が認められる」というもので、そちらを採用したというわけ。
数年ぶりに試合を見るHANAOKA選手は前よりも悪どく、小ズルく、そして自信に満ち溢れていた。何しろ私が帰国すると打ち明けた時にも
「佐野君。プロレス辞めてどうするの……オレ、プロレス辞めたらやることないよ!」
と言って励ましてくれた男である。本当にプロレスを続けて、ルチャ・リブレを満喫している。
こんな姿が見られて本当に良かったし、活き活きと人を引っ叩いたり蹴飛ばしたり、ロープの間をすっ飛んで来たりするのを見て喜べるのはプロレスラーぐらいのものだろう。
見事なトペ・スイシーダを始め様々なルチャ戦法を見せつつもアミーゴ鈴木選手をつけ狙う川島選手をサポート、さらには鈴木選手も励まし、八面六臂の活躍だった。
川島選手は不気味だけど内に秘めた暗黒の闘志がメラメラ燃えてみえて、カッコいい選手でした。
華奢で小柄だけど甘く見ていると痛い目に遭う、大きい選手にしたら戦いづらいタイプじゃなかろうか。
アミーゴ鈴木選手は名前こそ派手で可愛いが、泥臭く不器用なところが愛されるレスラー。
技術が強みの職人タイプだが荒っぽいこともイケる。この日も場外乱闘ではHANAOKA選手と髪の毛の掴み合いをしていた。
鈴木選手もリーチが長いし様子がいい。
今は線が細く見えるけど、それがまたカッコよくもあるから、これからどう変わっていくかとても楽しみです。
石田慎也選手は体がメチャクチャ柔らかいからか、どんな体勢からでも反撃が来るし見ていて今日いちばん安定しているようだった。下半身の柔軟性が特に素晴らしく、今風の派手な見た目に濃くて可愛い顔をしているがネッチネチのレスリングをするのがまたいい。
あの粘っこい戦いは何処へ行っても今日びの試合なら確実に個性になるし、突き詰めたら初代ブラックタイガーみたいになれるかも知れない。
イホ・デル・アレブリヘ選手!
まさか日本で、名古屋で見られるとは。
小学校高学年くらいのとき、ゴングのプロレスラー名鑑で見た
アレブリヘ&クイヘ
の写真は衝撃的で、こんな選手いるの!?と驚いた。
あの頃、知る限り最も派手なプロレスラーだった獣神サンダーライガーさんよりずっと派手でケバケバしく、しかもデカい。
まだネットもなく清水勉さんの記事を読むぐらいしか情報が無いから、頭の中で想像するアレブリヘは恐ろしく、そして美しかった。
その息子さんである。
ギンギラギンとキンキラキンで彩られたコスチュームとマスク。
分厚い肉体。踊るように滑らかな身のこなし。
私の好きなルチャ・ドールとは、かくあるべし!といった選手だった。素晴らしい。
よくぞ来日してくださった。
CMLL JAPANのVHSでラヨ・デ・ハリスコJr.を見て以来の衝撃だった。
しかも、ごく間近で生観戦出来たなんて。
この喜びは愛好家として何にも代えがたく、そのエストレージャがHANAOKA選手と戦う(Lucha)様は夢見心地でありました。
良いものを見ました。
ルチャ・リブレが好きでよかった。
Viva Mexico!!
試合後にはタイトルマッチに向けた舌戦…が繰り広げられるかと思いきや、アミーゴ鈴木選手、なんとも締まらない幕切れにHANAOKA選手から帰れコールが。
したら本当に帰っちゃったので〆はHANAOKA選手。
あの約束、ちゃんと聞き届けたよ。外までずらーっと並んだお客さんを見てみたいし、私もそのなかに居ると思う。
でも外で立ち見は寒いし寂しいから、その時は早めにまたSS席を注文するよ。
これからも試合が見たいし、応援させて欲しいと思っています。
リングの外で待ってるよ。またね!!
ご了承ください。
一応、怒りは怒りとしつつ整理して書きました。
でも思うところがあったのも事実で、それを隠して褒めたことばかり言うのは
イヤ
だったので、ぜんぶ正直に書きました。
11月19日プロレスリングSECRET BASE
名古屋・スポルティーバアリーナ大会
“Smells Like Golden Spirit 2023”
応援に行って来ました。
私が知る限り(覆面レスラーとかになってたらわからないけど)唯一、今も現役ルチャドールとして活躍する同期のHANAOKA選手や先輩のアミーゴ鈴木さん(寮長でもあった)とフェリストさんも出場するので、プロレス観戦とちょっとノスタルジーを兼ねた日曜日の昼。
普段、東京の調布を中心に活動するSECRET BASEが名古屋で試合を行うのも2年ぶりとのこと。入場式から選手を代表してのスピーチはフェリスト選手。
「……本当に誰も(スピーチさせられるって)教えてくれないんだもんなー」
どうやら内緒でお鉢を回されたらしい。
シンプルで素直なコメント共に試合開始。HANAOKA選手が
(短いよ…!)
と突っ込んでいた。確かにだいぶ巻いたと思うけど、あの飾らなさがフェリスト選手の良いところ。
第1試合。
そんなフェリスト選手と暗黒プロレス組織666のYANAGAWA選手が組んで登場。
なんとコールを間違えられるという滅多にない仕打ちにまで遭うフェリスト選手。
対戦相手は団体代表・清水基嗣選手に、Sebastian DeWittなる外国人選手。
田舎のプロレスと言えばガイジンレスラー。
スポルティーバさんの客席と通路、リングとの距離では、そこに等身大の軽量級選手がいるだけでも迫力があるけど、デカいガイジンが来ると尚もスリリングで面白い。
そのデカいセバスティアンとフェリスト選手の対戦で第1試合が始まる。
体格差を利して優位に立つセバスティアンに苦戦するフェリスト選手。足を踏んづけたり腕を取られたらクルっとロープを使って宙返りしたりと抵抗を試みるも、今度は脚をクロスしたまま持ち上げられ宙吊りにされるという荒業の餌食に…。
しかしやられてばかりではない。コーナーから飛びついてのフランケンシュタイナーは見事で、セバスティアンの巨体を放り投げてみせたのだ。
やっぱりこう、小柄であるとか軽量であるというのを逆手に取った戦い方というのは面白いしわかりやすい。第1試合なのでつまらない地味な試合をやるのではなく、誰が見てもわかりやすく、その団体のその日のテーマが明確かつなんとなく伝わるのが良い第1試合だと思う。
そこでYANAGAWA選手である。
何年も前に同じく名古屋で行われた試合にも出場していたYANAGAWA選手。
細身かつ素早い業師ながら結構、荒っぽい場面でも気後れしない戦いぶりがとても良く、その印象がずっと残っていた。今回もフェリスト選手の戦いを盛り上げつつ自分も清水選手と渡り合いセバスティアンとはシバき合い、この試合を陰から日向からリードしていたように見えました。
特にセバスティアンに決めたネックブリーカードロップは抜群で、この大きな一発のためにコツコツ攻めていたんだと思ってそこでスカっとする。
怒鳴ったり暴れたりもするけど実は結構、冷静で、年輪を重ねて老獪さが増している。
そんな悪のプロレス職人と清水選手の対戦は、もっとじっくり見たいくらい面白かったです。
第2試合。
実は長いことツイッターはフォローしていた藍川はるか選手が登場。
ツンツンツン、ピョンのダンスはレフェリーのすいはんさんと、このあと登場する鈴木選手も一緒に。みんないい顔をしていた…!
対戦相手?は、宇宙銀河戦士アンドロス選手。宇宙と銀河が一緒についてる名前って凄いな。臆面も無く名乗れば個性になる。
試合と言えるほどの事もなく、マイクを掴んだアンドロスが「ちくわぶ」についてダラダラ話、藍川選手にぐずぐずとセクハラをしているうちに清水選手とフェリスト選手が巻き込まれる形でタッグマッチに変更。
成り立つセクハラは試合になるが、そうでなければ適温よりやや低い温度の泥沼である。
これを楽しんでいられる人は、まあまあどんな団体と名乗る連中が出て来ても大丈夫ではないだろうか。
フェリスト選手が藍川選手に「フェリ兄(にぃ)」と呼ばれ頼りにされているところが微笑ましいのと、ひたすら尻拭いをさせられる清水選手の悲哀が見所だったのではないかと思います。
救済するぞ救済するぞ救済するぞ!と叫んでいたが、本当に救われたかったのは一体誰だったのか。
第3試合。
このことを書くべきか否か、ずーーっと迷っていた。
端的に言えば久しぶりにプロレス見に行って内心ブチ切れていたのだが、それを書いたところで本人になんか見て欲しくも無いし、手のうちの知れた身内と金払いの良い常連に甘やかされてホフホフやってりゃいい。
でもせっかくチケットをお願いした花岡君や久しぶりにお会い出来た先輩方、選手や関係者の皆さんにまで見せつけていいものか。これをもしプロレスあんま知らないで、たまたま見てくれた人が読んでくれてどう思うか。
私はこの日を本当に楽しみにしていたし、実際やっぱりルチャ・リブレは面白い。
試合や選手の個性が面白いとかは好みもあるから私とツボの違う人がどれだけ居たってそれが当たりまえだ。
それを踏まえて、あれが果たして怒りに値するものかどうか。ずっと迷っていた。
まあ結果、怒りは怒りのママぜーんぜん収まらないのでココに書いておく。
あとは読んだ人が好きに考えてくれ。
誰にも謝ってほしくも何かを直して欲しくも気にしてほしくも無いです。
リングに上がっている以上そっちのが私よりどう考えたってウエなんだから。
だからリングの上で起こったこと、戦っている人たちのことまで、いくらファンであるからと言っても私はよっぽど言い方に気を使って書いているし、そうするべきだと思っている。
でも、そうじゃない部分で、よく知りもしなければ好きでもない選手が、別に大してよくも無い試合をしたとして。
その前に、こんなことがあったら、皆さんならフラットに応援して、その試合が楽しめるだろうか。チケット代の5500円+ドリンク代500円を支払って入場した場所で、さらに500円巻き上げられた挙句の仕打ちと試合の出来栄えが、最低限妥当であるものか。
コトは試合開始前にさかのぼる。
会場に入ると、リングを正面にしてテーブルが並び、飲食をしながら試合が楽しめるようになっている。私もスポルティーバさんは初めて訪れる場所だったので、これは新鮮だし、見やすいように角度もずらしてくれてあるので、少なくとも最前列で見ていて不自由は無かった。
まだシークレットベースさんの物販が無人であったのでテーブルにあったチラシを見ていると、とある選手がやってきてリングのエプロンに小さなカゴを置き、その辺の最前列に陣取った常連で顔見知りらしきお客さんと話し始めた。グッズ買わないか、クジ引かないか、という内容も聞こえたので、私は席を外した。別のその人が嫌いではなかったが、まあ欲しくも無かったので声をかけられても困ってしまうから。
試合開始時間が迫って来たので席に戻ろうと店に入ると、まだその選手がリングサイド席の近くで常連と喋っている。結局そのまま本体の物販は無人のままらしく、私は並べてあるグッズを見たりしていたがそのうちに仕方無く席に戻った。そこへ、得たりとばかりに話を切り上げ、
「どうですか高井クジ」
とズイズイ近づいて来た。まあ無碍に断るのもなー、でも要らないなあ、と思って少し躊躇したのだが一向に引く気配も無い。まあ500円っていうなら…と仕方なしに財布を覗くと小銭が無い。1000円札を渡すと、釣りを渡したく無さそうにゴチャゴチャ言っていたが、さっきまでその辺の人達から巻き上げた500円硬貨があるのを知られている。
古いチラシか何かを破いて折り曲げたそのクジとやらをめくると4等。ブロマイド。
「ま、そういう日もあるって言うことでね」
と、無造作に小さな写真を手渡して来た。ああ、選ばせもしねえんだ、と(選べと言われてもまた迷惑だったが)思ってその写真を見たら、舌をベー!っと出して物凄く人を馬鹿にしたような顔だった。
それで私には用が済んだとばかりに対面の空いてた座席へドッカと腰かけ、私の隣の客とまた話し込み始めた。流石にこれには、どういう神経をしているのかと呆れるやら疑うやら腹が立つやらで。
こんなことになるなら500円玉をぶつけて遠くへ行ってもらうか、もう少し長いこと外で待っていればよかった。
私の了見が狭く、初見の団体と会場で、地元の人気選手のやり方についていけないだけなのだろうか。この選手の居る団体を何度か、お目当ての選手が出るので見に行ったことがある。
数年に一度のことだ。だって恒常的に見るほどには好きって選手いないし。
そこで大抵、目にする光景が常連客と話し込む選手だ。
これ自体は良くも悪くも距離が近いのがご当地団体の強みだったり魅力だったりするんだが、反面それより外側のお客を取り込みにくくなる。
だってこう↑なるから。
だから、ヨソからいい選手を呼んで来て他団体のファンにも見に来てもらうというわけだ。
それがどうだ。
ヨソの団体でヨソの選手目当ての客に、よくもまあ、こんな仕打ちが出来たものだ。
これまで好きではないまでも邪魔に思ったことまでは無かったし、前回チームでら観戦時にも同じ奴が座席を回ってタオルを売りに来たので、それも記念にと買った。その時も私のすぐ隣の席の常連客と5分以上話し込み、ついでに私にも声をかけて来たのだった。でも別に仕方ないとも要らないとも思わず、あのタオルは自分の意志で欲しいと思って買った。
そのタオルで自分の首をこんなに絞めることになるとは、2018年の私は思いもよらなかった。
あれがポスターに出てる試合は、当分行きたくないし、顔も見たいと思わない。
だからといって第3試合、若き悴田(かせだ)選手に勝ち目があるとも思えなかったのが何より残念でならない。
185センチ120キロという抜群の体格に不敵な面構え。
チョップやキックも見た目通りの迫力だったが、何しろ息切れが早かった気がする。
エストレージャへの道、と題されていたが長く険しい道のりになりそうだ。
だが、でも、この人は絶対に凄い選手になってくれると思う。
この日は100点満点なら30点だったけど、この先500点でも20000点でも取れる選手だ。
今は自分で自分の肉体を持て余してしまうし、相手に試合をしてもらっていたように見えた。
それも別にキャリアの浅い選手と戦って引っ張り上げたり、一流の試合を繰り広げたりするだけの技量は特に感じない地元団体の地元選手に。
これでは勿体ない。素質はあるのだし諦めずにドンドン色んな団体、土地、国で色んな選手と試合をして、自分で身体を鍛えて得られるもの以外の要素を貪欲に吸収して欲しいと願っている。
この日いっちばんデカかったのは紛れもなく悴田選手だったし、ぱっと見でプロレスラーに見えて、出て来るだけで耳目を集められるのはまごうことなき才能のうちなのだ。
スポルティーバさんには名古屋のプロレスの火を守ると書いてあったけど、あんな奴にいつまでもホフホフ言わせてたら名古屋のプロレスなんか火も点かなければ未来も無いぞ!!
別に名古屋にプロレス団体なんかなくたって大小いろんな団体が来るんだから、いま会場に来てる人たちも特に困らないか、あんな商売する奴がいなくなってホッとするんじゃないのか。
常連と距離を詰めるのもいいさ、小銭稼ぎに精を出すのも勝手さ、でもなあ!!
エストレージャってのは星屑でも綺羅星のごとく輝かせて見せるだけの強烈な光を放つリングの1等星を言うんであって。
クズ星同士の光り合いを見に来るプロレスファンなんか居やしねえんだ!!!!
なんか、自分が今まで一生懸命に応援してて、挫折まで味わったプロレスってのは一体なんだったのかと思うと自分で自分が情けなくなるし、お客の立場で好き放題こんなとこで言うのもどうなんだって気もしている。
書くのも後ろめたい、書かなければ胸糞悪い。
黙って応援しないと決めただけじゃ収まりもつかない。
いじられ半分の悴田コール、応援ボイコットごっこも良かろうが、我が身のことを差し引いても、第2試合のセクハラ三昧と大差なかった。
他に目当ての無い、一見のお客だったらどう思っただろうか。
第4試合。
この日のメインイベント。
軸になるのは王者・アミーゴ鈴木選手と、挑戦者・川島真織選手の前哨戦。
この試合のあと、本拠地東京でのタイトルマッチを控えているという。
そこに明るくほがらかに悪いことをするHANAOKA選手や本場本物のルチャドール、しかも親父はそれこそスペル・エストレージャのイホ・デル・アレブリヘ選手、さらに伸び盛りの鈴木謙介選手、ご当地ゲスト選手として石田慎也選手が加わった6人タッグマッチ。
田舎のプロレスと言えば6人タッグ。
ルチャ・リブレ方式のノータッチルールで、簡単に言えば通常は「試合を進める権利を持つ選手が控えの選手とタッチを行い、それをレフェリーが認めた場合のみ交代となる」が、メキシコでは「試合権利を持つ選手が何らかの形でリング外に出た(出された)時点で控えの選手との交代が認められる」というもので、そちらを採用したというわけ。
数年ぶりに試合を見るHANAOKA選手は前よりも悪どく、小ズルく、そして自信に満ち溢れていた。何しろ私が帰国すると打ち明けた時にも
「佐野君。プロレス辞めてどうするの……オレ、プロレス辞めたらやることないよ!」
と言って励ましてくれた男である。本当にプロレスを続けて、ルチャ・リブレを満喫している。
こんな姿が見られて本当に良かったし、活き活きと人を引っ叩いたり蹴飛ばしたり、ロープの間をすっ飛んで来たりするのを見て喜べるのはプロレスラーぐらいのものだろう。
見事なトペ・スイシーダを始め様々なルチャ戦法を見せつつもアミーゴ鈴木選手をつけ狙う川島選手をサポート、さらには鈴木選手も励まし、八面六臂の活躍だった。
川島選手は不気味だけど内に秘めた暗黒の闘志がメラメラ燃えてみえて、カッコいい選手でした。
華奢で小柄だけど甘く見ていると痛い目に遭う、大きい選手にしたら戦いづらいタイプじゃなかろうか。
アミーゴ鈴木選手は名前こそ派手で可愛いが、泥臭く不器用なところが愛されるレスラー。
技術が強みの職人タイプだが荒っぽいこともイケる。この日も場外乱闘ではHANAOKA選手と髪の毛の掴み合いをしていた。
鈴木選手もリーチが長いし様子がいい。
今は線が細く見えるけど、それがまたカッコよくもあるから、これからどう変わっていくかとても楽しみです。
石田慎也選手は体がメチャクチャ柔らかいからか、どんな体勢からでも反撃が来るし見ていて今日いちばん安定しているようだった。下半身の柔軟性が特に素晴らしく、今風の派手な見た目に濃くて可愛い顔をしているがネッチネチのレスリングをするのがまたいい。
あの粘っこい戦いは何処へ行っても今日びの試合なら確実に個性になるし、突き詰めたら初代ブラックタイガーみたいになれるかも知れない。
イホ・デル・アレブリヘ選手!
まさか日本で、名古屋で見られるとは。
小学校高学年くらいのとき、ゴングのプロレスラー名鑑で見た
アレブリヘ&クイヘ
の写真は衝撃的で、こんな選手いるの!?と驚いた。
あの頃、知る限り最も派手なプロレスラーだった獣神サンダーライガーさんよりずっと派手でケバケバしく、しかもデカい。
まだネットもなく清水勉さんの記事を読むぐらいしか情報が無いから、頭の中で想像するアレブリヘは恐ろしく、そして美しかった。
その息子さんである。
ギンギラギンとキンキラキンで彩られたコスチュームとマスク。
分厚い肉体。踊るように滑らかな身のこなし。
私の好きなルチャ・ドールとは、かくあるべし!といった選手だった。素晴らしい。
よくぞ来日してくださった。
CMLL JAPANのVHSでラヨ・デ・ハリスコJr.を見て以来の衝撃だった。
しかも、ごく間近で生観戦出来たなんて。
この喜びは愛好家として何にも代えがたく、そのエストレージャがHANAOKA選手と戦う(Lucha)様は夢見心地でありました。
良いものを見ました。
ルチャ・リブレが好きでよかった。
Viva Mexico!!
試合後にはタイトルマッチに向けた舌戦…が繰り広げられるかと思いきや、アミーゴ鈴木選手、なんとも締まらない幕切れにHANAOKA選手から帰れコールが。
したら本当に帰っちゃったので〆はHANAOKA選手。
あの約束、ちゃんと聞き届けたよ。外までずらーっと並んだお客さんを見てみたいし、私もそのなかに居ると思う。
でも外で立ち見は寒いし寂しいから、その時は早めにまたSS席を注文するよ。
これからも試合が見たいし、応援させて欲しいと思っています。
リングの外で待ってるよ。またね!!
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