1,268 / 1,301
みんなーー!脱糞だよ!!
しおりを挟む
一路、大阪を目指して久しぶりのドライブ。
新名神が四日市まで伸びたので、そこを走るのも楽しみだった。
大阪まで行くのに何がイヤかって、思いっきりナゴヤ圏を突っ走ることと、阪神高速。
ナゴヤ圏の何がイヤで危なくてクソみてえだなと思ってるかは、走ったことある人なら分かると思う。大阪も道路は混んでるし細く入り組んだ道も多いし、市内の繫華街は真夜中でも人とチャリが多いしで大変だけど、ナゴヤ圏は地獄そのもの。
大阪の道路は走るのが大変、
名古屋の道路は走るだけで地獄。
ざっくり4時間あれば着くだろうと踏んで走り始める。
仕事が終わってすぐ出発、大量の音楽をプレイリストに詰め込んで(ドライブ前にプレイリスト作ってるときってすげえ楽しいよな)ひたすら西へ。
平日の夜なので空いてて快適。
途中、甲賀土山SAでちょっと休憩。
飲み物だけ補充してさらに走る。
私は運転や仕事、トレーニングをする前に、モノを食べるのが凄くイヤ。
身体に悪いとかどうとか、そういうのは関係ない。
とにかく何かする前に腹のなかに入っていると気持ちが悪いのだ。
だからSAで食事をすることも稀だし、この日もそのまま走り出した。
なんだったら、当日朝から何も食べていない。つまり前日の晩御飯が最後だったというわけだ。24時間近く固形物を口にせず、朝は牛乳で溶かすプロテイン(一応、朝飯を抜きたくないとは思っているのだ)、昼と夜は無し。それで走り続けていた。
大阪にいる間、色んな人にお会いしたり、お店にお邪魔したり、プロレスの試合を見る予定もあった。だから、そこでトイレに行きたくなるのがイヤだというのもある。
早い話が、なるべくウンコをしたくなかったのだ。便意を催さず、ウンコを作らないために。
しかしこれが悲劇を生んだ。
大阪某所の目的地に到着した私は、通勤用に来ていた作業着から、買ったばかりの半袖シャツとカーキ色のチノパンに着替えようと、目の前の駐車場でイソイソと準備を始めた。
そしてチノパンに穿き替え、サンダルから靴に……と思った時、不意に何の抵抗も無く
シュルシュル……
と、漏れてしまったのだ。ウンコが。
ウンコはトイレで。ウンコは漏らさない。という、人間が生きる上での大原則を破ってしまった私は思わず、その場で、小声で
「ウソだろ……!」
と呟いた。が、ウソでは無かった。
買ったばかりのチノパンにもバッチリ染みてしまい、泣く泣く予備の、似たような色合いのズボンを出してそっちを穿いた。アルコール消毒ウェットティッシュや捨ててもいいと判断したタオルを駆使し、どうにか人間の尊厳を保った私は、汚れものをビニール袋に詰め、さらに紙袋に入れて、何食わぬ顔でお店に入って、やれ文章を書くだのキャラを作るだの、楽しいひと時を過ごさせて頂いておりました。
そこには私の長年の創作仲間でありお友達の、麗しき入江弥彦さんがおわしました。
というわけで入江さん、もしここまで辛抱強くご覧下さっていらしたのなら、すみません。あの時、私はとんでもない危機を乗り越えていたのです。
敗因としては、ウンコをしたくないがゆえに固形物を摂らなかったことで、お腹の中で水分を留めておくダムの役割が果たされず、水は低い方に流れるというたとえの通り(違うと思うぞ)そのままスルスルーっと出て来てしまったのだろう。
この後も結局、土曜の昼まで殆ど食事らしい食事もせず、入江さんのお勤め先で突き出しとリッツを頂いただけだったので、水気の多い便意にかえって翻弄されることになるのであった。
年々、食べるのが億劫になっている。そのくせ太っているのだが。
そうして色々と工夫したり準備したりすると、その分だけ不都合や不満足が生じたり、約束を果たせなかったり果たされなかったりする。
今回の大阪行きは、それが物凄く多かった。自分が守れなかった約束もあれば、どうにもならない理由で会えなかった人も居た。自分のせいじゃないから、余計に辛いし、徒労感に苛まれもした。
気を使ったつもりが気を使ってくれていたことに気付きもせず、複雑な気分になったりもした。
そんな大阪3日間。実は初日の到着時点で、すでにミソが付いていたというお話。
新名神が四日市まで伸びたので、そこを走るのも楽しみだった。
大阪まで行くのに何がイヤかって、思いっきりナゴヤ圏を突っ走ることと、阪神高速。
ナゴヤ圏の何がイヤで危なくてクソみてえだなと思ってるかは、走ったことある人なら分かると思う。大阪も道路は混んでるし細く入り組んだ道も多いし、市内の繫華街は真夜中でも人とチャリが多いしで大変だけど、ナゴヤ圏は地獄そのもの。
大阪の道路は走るのが大変、
名古屋の道路は走るだけで地獄。
ざっくり4時間あれば着くだろうと踏んで走り始める。
仕事が終わってすぐ出発、大量の音楽をプレイリストに詰め込んで(ドライブ前にプレイリスト作ってるときってすげえ楽しいよな)ひたすら西へ。
平日の夜なので空いてて快適。
途中、甲賀土山SAでちょっと休憩。
飲み物だけ補充してさらに走る。
私は運転や仕事、トレーニングをする前に、モノを食べるのが凄くイヤ。
身体に悪いとかどうとか、そういうのは関係ない。
とにかく何かする前に腹のなかに入っていると気持ちが悪いのだ。
だからSAで食事をすることも稀だし、この日もそのまま走り出した。
なんだったら、当日朝から何も食べていない。つまり前日の晩御飯が最後だったというわけだ。24時間近く固形物を口にせず、朝は牛乳で溶かすプロテイン(一応、朝飯を抜きたくないとは思っているのだ)、昼と夜は無し。それで走り続けていた。
大阪にいる間、色んな人にお会いしたり、お店にお邪魔したり、プロレスの試合を見る予定もあった。だから、そこでトイレに行きたくなるのがイヤだというのもある。
早い話が、なるべくウンコをしたくなかったのだ。便意を催さず、ウンコを作らないために。
しかしこれが悲劇を生んだ。
大阪某所の目的地に到着した私は、通勤用に来ていた作業着から、買ったばかりの半袖シャツとカーキ色のチノパンに着替えようと、目の前の駐車場でイソイソと準備を始めた。
そしてチノパンに穿き替え、サンダルから靴に……と思った時、不意に何の抵抗も無く
シュルシュル……
と、漏れてしまったのだ。ウンコが。
ウンコはトイレで。ウンコは漏らさない。という、人間が生きる上での大原則を破ってしまった私は思わず、その場で、小声で
「ウソだろ……!」
と呟いた。が、ウソでは無かった。
買ったばかりのチノパンにもバッチリ染みてしまい、泣く泣く予備の、似たような色合いのズボンを出してそっちを穿いた。アルコール消毒ウェットティッシュや捨ててもいいと判断したタオルを駆使し、どうにか人間の尊厳を保った私は、汚れものをビニール袋に詰め、さらに紙袋に入れて、何食わぬ顔でお店に入って、やれ文章を書くだのキャラを作るだの、楽しいひと時を過ごさせて頂いておりました。
そこには私の長年の創作仲間でありお友達の、麗しき入江弥彦さんがおわしました。
というわけで入江さん、もしここまで辛抱強くご覧下さっていらしたのなら、すみません。あの時、私はとんでもない危機を乗り越えていたのです。
敗因としては、ウンコをしたくないがゆえに固形物を摂らなかったことで、お腹の中で水分を留めておくダムの役割が果たされず、水は低い方に流れるというたとえの通り(違うと思うぞ)そのままスルスルーっと出て来てしまったのだろう。
この後も結局、土曜の昼まで殆ど食事らしい食事もせず、入江さんのお勤め先で突き出しとリッツを頂いただけだったので、水気の多い便意にかえって翻弄されることになるのであった。
年々、食べるのが億劫になっている。そのくせ太っているのだが。
そうして色々と工夫したり準備したりすると、その分だけ不都合や不満足が生じたり、約束を果たせなかったり果たされなかったりする。
今回の大阪行きは、それが物凄く多かった。自分が守れなかった約束もあれば、どうにもならない理由で会えなかった人も居た。自分のせいじゃないから、余計に辛いし、徒労感に苛まれもした。
気を使ったつもりが気を使ってくれていたことに気付きもせず、複雑な気分になったりもした。
そんな大阪3日間。実は初日の到着時点で、すでにミソが付いていたというお話。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/contemporary.png?id=0dd465581c48dda76bd4)
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる