1,181 / 1,301
サンヨネ
しおりを挟む
本店。我が家の最寄スーパーで、昔ながらの地元チェーン店。
ホントはもっと小さな、八百屋さんが転じてスーパーになったようなお店もあったけど、私が子供の頃にご主人が体を壊したということでなくなってしまって。その他にも、そういう小さなお店ってどんどんなくなっていって。
サンヨネはそれよりもう少し広くて、だけどアーケード街のテナントんなかに入ってたから天井が低くて結構狭かった。昔はね。たぶん15年ぐらい前。15年ひと昔、って言うくらいだからな。
あの頃の白地に青のツートンカラーだった頃のサンヨネを知ってる人も少なくなっていくんだなあ。今の明るいブラウンに赤のイメージに変えてから出来た蒲郡店は、私から見るとハナっから別のお店みたいで。
今はなくなっちゃったけどみゆき店とか、むかーしの本店の、あの雑多でいつもオバチャンでごった返してる雰囲気も好きだったな。
私は、多分あの昔の本店を知ってる最後の世代だと思う。
2006年だか7年だか、半年だけ青果部でバイトさせてもらったことがあった。その面接する時に、あの魚町の本店の上にあった事務所にいっぺんだけ入った。それ以外はタイムカードも仕事も全部、店舗側のバックヤードで済んでたから。
当時の店長は大江さんて方で、小柄で華奢なんだけど威勢のいい人だった。私は可愛がってもらってて、バイトやめたあとも買い物には普通に行くんで顔を見ると声かけてくれて、カゴを見て
「おっ、いっぱい買ってくれてるなあ!」
と喜んでくれてた。
私は早朝に届く野菜を冷蔵庫にしまって、それを整理するのが仕事だった。だから開店前の数時間だけしかなく、間に合わないとどんどん野菜が届いてしまって、もーたーいへん。
あの当時のサンヨネは冷蔵庫と言っても古くて狭くて、それに冷蔵庫に入れなくてもいいものは、それはそれでアチコチ長年のあいだに決められた場所に整理して置いておく必要があるんで朝から結構な肉体労働だった。
白菜、大根、スイカ、ジャガイモ。普通の人なら重たくて大変だが、当時まだ格闘技やめたばっかりでカラダは動いたので結構楽しく働いていた。
夏場だったけど労働時間の半分は冷蔵庫の中にいるわけだし。
旧店舗の青果コーナーの、冷蔵の棚の裏が通路になってて、そこを通ってバックヤードに入ってた。あと今の出入り口あたりが荷受け口になってて、奥にシャッターがあってその中からも出入りが出来た。で6時ぐらいに出勤すると、その日の朝にお店が仕入れて来た品物を先ず搬入する。で、大型トラックが来るのが7時過ぎだったかな…それと林物産さんの美人のお姉さんと、愛幸便といって愛幸さんって会社のトラックも来る。
ヤンママっぽいというのかな、髪の毛の色も性格も明るいお姉さんで、いつも来るのが楽しみだった。優しくていい人だったな。元気かな。
そうそう、荷受け口の反対側(花園商店街側)には自転車置き場があってさ。これもあまりにアーケード下の通路に自転車が溢れかえるんで作ったんだった。その前は何かお店があったはずなんだけど、なんだったかな。
小さいお肉屋さんが近くにあって、そこの手づくりのハンバーガーが美味しかったんだけど…それがなくなって自転車置き場になったんだっけなあ…?
それから2年か3年しないうちにサンヨネ本店も建て替えることになった。
確か既に東店がリニューアルしてて、事務所もそっちにうつっていた。私が働き始めた頃、ちょうど建て替わったんだったかな…?
でね。
今はヤマサちくわさんの向かいに駐車場が出来たんだけど、その辺りに仮店舗があって。そこで営業をしていた。
今にして思えばホントにこじんまりした仮店舗で、よくあのサンヨネのボリュームも詰め込んでたなと。
そんで今の、天井が高くて明るい、キレイでオシャレで落ち着く、新店舗が出来上がったわけですネ。こんだけ羅列すると旧店舗どんだけ狭くて天井が低くて薄暗い、通路が狭くてお客と自転車がひしめき合ってる質実剛健を地で行く店だったんだってハナシなんだけど。
当時はアレが当たり前だったし、あのサンヨネが好きというか、サカナ(特に刺身)が欲しかったら「無条件サンヨネ」するくらいには愛着があるし今でも懐かしいと思う。
他にもいいお店、美味しいものはいっぱいあるけど、やっぱり魚だけはサンヨネだな。今でもそう思う。南部どりとか野菜も美味しいし、何より本店も店舗で調理するようになってお惣菜が格段に美味しくなった。正直言えば、旧本店のお惣菜はそんな買わなかったもん。
今はカレーとか餃子、天ぷら、あと私の大好物はハンバーガー。
サンヨネで作ってるフィッシュバーガーやチキンバーガーがウマイんだよ。
あと「ミルクはやっぱり香り」通称シュッポッポ牛乳っていう長野の方で作ったサンヨネハートマークブランドの牛乳。これもいい。ハートマーク商品ってのはサンヨネオリジナルの、いわゆるPB商品。
PBってパワーボムじゃないぞ。プライベートブランドのほう。
やさしいカレールウもいい。今や店内のあらゆるジャンルで展開してるので挙げればキリがないのだ。
豊橋市民の胃袋の遺伝子にガッチリ刻まれているサンヨネも、ちょっと前まではやっぱり昔ながらのお店、って感じで。ちょいと時流と離れたイメージだったのが最近ではプリペイドカードを作ったりインスタグラムにアカウントを開設したりと今時っぽいことも始めている。宅配サービスもあるし。
何かと苦しい世の中だし、デフレまっしぐら路線の安売りドラッグストアがアチコチに増えて、それはそれで有難い反面どうしても生鮮食品をあそこで賄うようにはなれなくて。
応援したいとか頑張って欲しいと思って消費者が買い物するようになったらオシマイな気もするけど、残って欲しいもんな。サンヨネ。
自分が買い物しないと推してる店も人も淘汰されるなんて世知辛いよな。「それがシホンシュギのゲンリデスカラ」って平気で言える(商売の為であっても)奴も居るんだろうけど、そんなこと考えたり気にしたりしないで、フツーにいいお店でいい買い物して、美味しい物食べれたらいいのにな。
サンヨネ本店がインスタアカウント作ってたので、なんとなく思い出と愛着を書き出してみた。あとアイコさんの思い出も、と思ったけど長くなったので今回はこの辺で。
ホントはもっと小さな、八百屋さんが転じてスーパーになったようなお店もあったけど、私が子供の頃にご主人が体を壊したということでなくなってしまって。その他にも、そういう小さなお店ってどんどんなくなっていって。
サンヨネはそれよりもう少し広くて、だけどアーケード街のテナントんなかに入ってたから天井が低くて結構狭かった。昔はね。たぶん15年ぐらい前。15年ひと昔、って言うくらいだからな。
あの頃の白地に青のツートンカラーだった頃のサンヨネを知ってる人も少なくなっていくんだなあ。今の明るいブラウンに赤のイメージに変えてから出来た蒲郡店は、私から見るとハナっから別のお店みたいで。
今はなくなっちゃったけどみゆき店とか、むかーしの本店の、あの雑多でいつもオバチャンでごった返してる雰囲気も好きだったな。
私は、多分あの昔の本店を知ってる最後の世代だと思う。
2006年だか7年だか、半年だけ青果部でバイトさせてもらったことがあった。その面接する時に、あの魚町の本店の上にあった事務所にいっぺんだけ入った。それ以外はタイムカードも仕事も全部、店舗側のバックヤードで済んでたから。
当時の店長は大江さんて方で、小柄で華奢なんだけど威勢のいい人だった。私は可愛がってもらってて、バイトやめたあとも買い物には普通に行くんで顔を見ると声かけてくれて、カゴを見て
「おっ、いっぱい買ってくれてるなあ!」
と喜んでくれてた。
私は早朝に届く野菜を冷蔵庫にしまって、それを整理するのが仕事だった。だから開店前の数時間だけしかなく、間に合わないとどんどん野菜が届いてしまって、もーたーいへん。
あの当時のサンヨネは冷蔵庫と言っても古くて狭くて、それに冷蔵庫に入れなくてもいいものは、それはそれでアチコチ長年のあいだに決められた場所に整理して置いておく必要があるんで朝から結構な肉体労働だった。
白菜、大根、スイカ、ジャガイモ。普通の人なら重たくて大変だが、当時まだ格闘技やめたばっかりでカラダは動いたので結構楽しく働いていた。
夏場だったけど労働時間の半分は冷蔵庫の中にいるわけだし。
旧店舗の青果コーナーの、冷蔵の棚の裏が通路になってて、そこを通ってバックヤードに入ってた。あと今の出入り口あたりが荷受け口になってて、奥にシャッターがあってその中からも出入りが出来た。で6時ぐらいに出勤すると、その日の朝にお店が仕入れて来た品物を先ず搬入する。で、大型トラックが来るのが7時過ぎだったかな…それと林物産さんの美人のお姉さんと、愛幸便といって愛幸さんって会社のトラックも来る。
ヤンママっぽいというのかな、髪の毛の色も性格も明るいお姉さんで、いつも来るのが楽しみだった。優しくていい人だったな。元気かな。
そうそう、荷受け口の反対側(花園商店街側)には自転車置き場があってさ。これもあまりにアーケード下の通路に自転車が溢れかえるんで作ったんだった。その前は何かお店があったはずなんだけど、なんだったかな。
小さいお肉屋さんが近くにあって、そこの手づくりのハンバーガーが美味しかったんだけど…それがなくなって自転車置き場になったんだっけなあ…?
それから2年か3年しないうちにサンヨネ本店も建て替えることになった。
確か既に東店がリニューアルしてて、事務所もそっちにうつっていた。私が働き始めた頃、ちょうど建て替わったんだったかな…?
でね。
今はヤマサちくわさんの向かいに駐車場が出来たんだけど、その辺りに仮店舗があって。そこで営業をしていた。
今にして思えばホントにこじんまりした仮店舗で、よくあのサンヨネのボリュームも詰め込んでたなと。
そんで今の、天井が高くて明るい、キレイでオシャレで落ち着く、新店舗が出来上がったわけですネ。こんだけ羅列すると旧店舗どんだけ狭くて天井が低くて薄暗い、通路が狭くてお客と自転車がひしめき合ってる質実剛健を地で行く店だったんだってハナシなんだけど。
当時はアレが当たり前だったし、あのサンヨネが好きというか、サカナ(特に刺身)が欲しかったら「無条件サンヨネ」するくらいには愛着があるし今でも懐かしいと思う。
他にもいいお店、美味しいものはいっぱいあるけど、やっぱり魚だけはサンヨネだな。今でもそう思う。南部どりとか野菜も美味しいし、何より本店も店舗で調理するようになってお惣菜が格段に美味しくなった。正直言えば、旧本店のお惣菜はそんな買わなかったもん。
今はカレーとか餃子、天ぷら、あと私の大好物はハンバーガー。
サンヨネで作ってるフィッシュバーガーやチキンバーガーがウマイんだよ。
あと「ミルクはやっぱり香り」通称シュッポッポ牛乳っていう長野の方で作ったサンヨネハートマークブランドの牛乳。これもいい。ハートマーク商品ってのはサンヨネオリジナルの、いわゆるPB商品。
PBってパワーボムじゃないぞ。プライベートブランドのほう。
やさしいカレールウもいい。今や店内のあらゆるジャンルで展開してるので挙げればキリがないのだ。
豊橋市民の胃袋の遺伝子にガッチリ刻まれているサンヨネも、ちょっと前まではやっぱり昔ながらのお店、って感じで。ちょいと時流と離れたイメージだったのが最近ではプリペイドカードを作ったりインスタグラムにアカウントを開設したりと今時っぽいことも始めている。宅配サービスもあるし。
何かと苦しい世の中だし、デフレまっしぐら路線の安売りドラッグストアがアチコチに増えて、それはそれで有難い反面どうしても生鮮食品をあそこで賄うようにはなれなくて。
応援したいとか頑張って欲しいと思って消費者が買い物するようになったらオシマイな気もするけど、残って欲しいもんな。サンヨネ。
自分が買い物しないと推してる店も人も淘汰されるなんて世知辛いよな。「それがシホンシュギのゲンリデスカラ」って平気で言える(商売の為であっても)奴も居るんだろうけど、そんなこと考えたり気にしたりしないで、フツーにいいお店でいい買い物して、美味しい物食べれたらいいのにな。
サンヨネ本店がインスタアカウント作ってたので、なんとなく思い出と愛着を書き出してみた。あとアイコさんの思い出も、と思ったけど長くなったので今回はこの辺で。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる