不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

第９２３回。オイシイ話。

イノシシ美味しい

高校の後輩で長年のお友達とイノシシを食べに行きました。
新城市の国道151号線で消防署とか警察署のある辺りをちょっと脇道に入ったところにある
三河ししや さん。
道路沿いに看板もあるので静かな場所にあるけど、わりと見つけやすいです。
料理人のおじさんと愛想のいいおばさんがいます。

数日前にラインが来て
「マルチに勧誘された！」
というので是非その話を聞かせてくれい！というのと、前回の大阪で赤狼さんに行きそびれてしまったのでジビエが食べたくて…。
お友達も興味を持ってくれたのでお連れしました。んでその話を書いていいか聞いたら
「いいよ！盛りに盛ってくれ！」
というので、とりあえずお友達は業界未経験清楚系S級素人Fカップおもてなしガール、ということにしておこうと思います。いや本人はフツーに素朴で可愛い子ではあるのですが。
道々の車内で聞いたところによると、彼女の同級生がどうもそっち系の人間とつながりがあったらしく、パーティーが好きでそのパーティーで知り合ったんだか何かで。その彼女の同級生から久しぶりに連絡がきたのが最初だったらしい。
彼女（私のお友達Ｍちゃん）、その同級生（パーティー好き）、そのさらにパーティーで知り合った友達
と続いているわけですが、こういう金づるをハッキリ金づると呼ばずにやたらと
絆
だの
縁
だの
感謝の連なり
だの
人財
だの言う人からはなるべく遠くに走って逃げろ、が身上の私キッド。そのキッドと長年お友達でいてくれるＭちゃんの身を助けたのは根っからの
（めんどくせえことになったな、帰りてえ…）
という後ろに向かって前向きな逆噴射人生。
事の発端はＭちゃんが妹さんと三重県に旅行に行った話を同級生にしたら
「旅行とか好きなんだ、どことか行きたい？」
「まあ沖縄行きたいかなーしいて言えば…」
「じゃあ行こう！私の知り合いのツテで安く行けるから」
と言われ、ほーーん、と思って話だけでも聞こうかと名古屋へ。コメダで待ち合わせをすることになったが同級生は遅れるとのことで一人で待っているとＭちゃんいわく
「いかにも若くて仕事できそーなスーツの男」
が来た。
佐野「フェイスブックみてえな奴？」
Ｍ「それなｗｗｗ」
だそうです。
最初は当たり障りのない話をしていたが、旅行の代金について
フェイスブック男「まあ結構なお金かかるんですよねえどうしても」
Ｍ「はあ」
そらそうよ、と思っていると
フェイス・ブク男（お）「無料ならいいと思いますよねえ（笑）」
もうこの辺から
うわ来た来た来た！って感じの薄ら寒さ、感じませんか？私はゾワゾワ来ました。趣味が悪いので。
絶対これ軽い冗談っぽく笑いながら言うんだよね、こういう、荒唐無稽というか
そんなのわるわけないじゃーん
のフリとして。
でこのフェイス・ブク男（お）の言うことにゃ、うちの会員になってもらうと30万円の月1万円支払いで旅行に行けると。というかそれは会員の特典で他にも紹介すればその分が数万円分ポイントバックがある。自分にも入るがあなたにも入る。あなたがピラミッドの頂点でどんどん会員を増やしてポイントをもらおう！
ほーーら浦安の方から来たよ、パレードが。
ってもBGMは平沢進さんのほうの。アーパパパーパーパーイエヨーーーでお馴染みの。
ハハッ！チューチュー講だよ！？
Ｍ「合法です、とか、正統派ですみたいなこと散々言ってた」
佐野「現金だと違法だからタチ悪い楽天みてえなことしてやがんだ」
てか今コレ書きながら思ったけどちょっと円天ぽい感じしない？私も詳しくはないけど、なんかそういう勧誘ビジネスって結局は隙間、スキマを縫ってくるから似たようなもんになるんだろうな。
そんなわけでサッサカ断って（周囲の人間にも散々気を付けろ、と言われてたこともあって）帰ってきたそうな。悪気なく勧めてくれた同級生とは今も友達だし、あのフェイスブックも別に断られても食い下がらず
「そうですか、そういう人生もありますよね」
といって液晶パッドをカバンに仕舞ったそうな。多分、他にも獲物がいるんで一つ取りこぼしたところで平気なんじゃないかなあ。元々の性格もあるだろうけど、そこでしつこいと馬脚を露すようなもんだし確かに仕事は出来るのだろう。私の好みから見て良いか悪いかは別として。

そうこう話していたらお店に到着。
しし丼
しし串焼き
しし餃子
を注文。串焼きと餃子はＭちゃんとはんぶんこ。
Ｍちゃんはしし焼肉定食。
三河ししや さんのイノシシは豚肉に比べて味が濃く歯ごたえも少し強いが、むしろクセはこっちの方がないくらい。ジビエが初めての方にもおすすめです。
しし丼は牛丼とか豚丼とかみたいなノリでいただけます。赤だしつき。
餃子も串焼きも旨味がぎゅっと凝縮されていて、噛むとじんわり広がるのでツマミにもいいです。お酒もあるので車の運転をしない人は是非。
新城市といえば愛知の地酒、蓬来泉を作っている関谷酒造さんへ向かうことも出来るし水がいいんでお酒もうまい。
是非皆さんもご賞味あれ。

美味しい話はどんどん広めたいけど、オイシイ話をビジネスとすら言わないような連中にはご用心を…私が日本文学館でウン百万円払って自費出版しないかと言われた話は、したっけ？