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第874回。がんばれルチャ・ボーイ
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最近ツイッターを見てたら、中学生の男の子がルチャドールになりたくて渡航費用を貯めるためにグッズを作っていた。すでに現役選手も購入してたり応援している人も沢山いた。
彼のプロフィールによれば小学生の頃からルチャ教室に通って、今もその熱意は燃える一方だという。
素晴らしいことだ。
そういえば本場メヒコでもルチャスクールは沢山あって、元有名選手が直接指導してくれるところもある。エル・サタニコさんのジムの様子を、Gスピリッツの写真や彼のインタビュー記事で見たことがある。そこには確かに本当に小さな子供から高校生くらいの青少年がみんなでルチャを学んでいた。
そういう私もウルティモ・ドラゴン校長の闘龍門に入門するだけのことは、した。
その後が続かなかったから何もエラソーなことは言えないけど、あの子の考えていることは痛いほどわかる。私も中学卒業後すぐにでも神戸にあった闘龍門JAPANに入門したいと親に直訴、大ゲンカのすえに高校在学中にお金を貯めるためにバイトすることになった。その前に四国に新設された少林寺拳法の学校に行きたいとかも言い出してそこでもひと悶着。
あと高校在学中にワキガの手術したいから貯めたバイト代使わせろ、と言い出してまた大ゲンカ。
とまあ色々あったわけではあるが。
まず既に子供のころからルチャ・リブレに親しみ、親御さんのご理解もあり、そのうえで自らの人生を決めているというのが凄いことだ。
なんだかんだ言って私なんざ高校在学中にもフツーに友達とスマブラしたりバイトしたり女の子にフラれたりしてばかりいたし、一応、柔道や少林寺拳法をやりつつ我流の筋トレもしてたけど、まあそんなんだから続きゃしなくって。
日本のプロレスは昔のアメリカみたいにフリーランスで稼げる人は地域や団体を越えて活躍して、お抱えの選手として地元で愛される選手と二分化されて団体という存在はもっと縮小していく。反対にアメリカのプロレスがWWEの巨大化に伴ってテリトリーと売れっ子選手から団体と言う大きなくくりになっていく。逆転現象が起こってるなあ、と思ったら家族ぐるみで幼少期からルチャに親しんでそのままホントにルチャドールになる選手が出てきたらいよいよ日本もプロレス王国、天然ワールドカップだな。
ただまあ怪我や挫折はつきものだし、今はいいけどもっと考えたり鍛えたりする時間は必要だとも思う。まあリスクなんかいうなれば何の仕事をしてたってあるんだから同じっちゃ同じだけどもね。
トラックの運転手してたって事故に遭うかもしれないし、八百屋さんでも消防士さんでもルチャドールでもなんだって一緒だもんな。
今は日本でもご当地プロレスの時代で、それも元は一線級の選手が教えてくれたりするのでこうした新しい芽も出てきて、あと何年もすればそういう若手選手が育って、やがてまた主流になって各地に散らばって…なんてことを考えると楽しいね。
たとえ本当に諦めてしまったりはしないまでも、悩んだり苦しんだり迷ったりすることは沢山あると思うし、それもまた他で何をしてたって同じこと。悩みの原因だとか仕事の内容が違ってても、同じようになるものなんだなと今となっては思う。
ちょっと前までは、こんな仕事でいっちょ前に悩んだりするなんて情けないなー、とか思ってたけど、おそらくそれは現実逃避とか都合のいいタラレバであって。
何をしててもそこを乗り越えられなければ結果は同じだと今は思う。
このバカでもバカなりに32歳っぽいことを思ったり考えたりするようになった(遅いとか頭悪いとかはまた別として)わけなんだけど、それは曲がりなりにも会社員なんぞをなんだかんだ十年くらいやってたお陰、クソみてえなつまんねぇ仕事をやってきたお陰さんでもあって。
それが感謝とか遣り甲斐とかそんなステキワードで塗り固められるかったら全然そんなことはねえし、無職じゃなく一応は税金と年金収めて生きてられたってだけのこと。
生来貰えるかはわかんねえけど今払わねえとタダじゃおかねえっていう、みかじめ料みてえのを滞りなく払えてないとダメなわけで、まあそういうことは出来てた。
その先にまたやりたいこと、行きたい場所、見たいもの、会いたい人、お店、そういうものがある。
だからまあ、お金より遣り甲斐で仕事を選ぶようなバカな真似は誰もしてないし、若者はそういう傾向にある、ってことにしたがってる連中もバカではあるけど、そんな馬鹿どもの相手をしたり、ホントに騙されてるんだかアッパラパーなんだか
「お金より遣り甲斐のある仕事を」
なんて寝言ぬかしてるキラキラお目目のボンクラに比べたら、自分の道が自分で決まってて、そのために行動を起こしてて、遥か海の向こう、地球の反対側、時差が15時間もある遠い国メヒコの大聖堂アレナ・メヒコを今からしっかり見つめているのならば。
よそ見してもいい、下を向いてもいい、涙でにじんでも、思わず目を閉じてしまってもいい。
幾らどんな嵐があったって、君の目の前にはいつも燦然とルチャ・リブレの殿堂がある。
ルチャ・リブレを愛するあの少年に加護があらんことを祈る。
私の諦めた夢はさておき。そういう少年が居ると思えば、世の中捨てたもんじゃねえな。と思う。
2021年には無事に高校合格し、また一つ階段を上った彼のことを今でも注目しつつ心配しつつ応援している…!
彼のプロフィールによれば小学生の頃からルチャ教室に通って、今もその熱意は燃える一方だという。
素晴らしいことだ。
そういえば本場メヒコでもルチャスクールは沢山あって、元有名選手が直接指導してくれるところもある。エル・サタニコさんのジムの様子を、Gスピリッツの写真や彼のインタビュー記事で見たことがある。そこには確かに本当に小さな子供から高校生くらいの青少年がみんなでルチャを学んでいた。
そういう私もウルティモ・ドラゴン校長の闘龍門に入門するだけのことは、した。
その後が続かなかったから何もエラソーなことは言えないけど、あの子の考えていることは痛いほどわかる。私も中学卒業後すぐにでも神戸にあった闘龍門JAPANに入門したいと親に直訴、大ゲンカのすえに高校在学中にお金を貯めるためにバイトすることになった。その前に四国に新設された少林寺拳法の学校に行きたいとかも言い出してそこでもひと悶着。
あと高校在学中にワキガの手術したいから貯めたバイト代使わせろ、と言い出してまた大ゲンカ。
とまあ色々あったわけではあるが。
まず既に子供のころからルチャ・リブレに親しみ、親御さんのご理解もあり、そのうえで自らの人生を決めているというのが凄いことだ。
なんだかんだ言って私なんざ高校在学中にもフツーに友達とスマブラしたりバイトしたり女の子にフラれたりしてばかりいたし、一応、柔道や少林寺拳法をやりつつ我流の筋トレもしてたけど、まあそんなんだから続きゃしなくって。
日本のプロレスは昔のアメリカみたいにフリーランスで稼げる人は地域や団体を越えて活躍して、お抱えの選手として地元で愛される選手と二分化されて団体という存在はもっと縮小していく。反対にアメリカのプロレスがWWEの巨大化に伴ってテリトリーと売れっ子選手から団体と言う大きなくくりになっていく。逆転現象が起こってるなあ、と思ったら家族ぐるみで幼少期からルチャに親しんでそのままホントにルチャドールになる選手が出てきたらいよいよ日本もプロレス王国、天然ワールドカップだな。
ただまあ怪我や挫折はつきものだし、今はいいけどもっと考えたり鍛えたりする時間は必要だとも思う。まあリスクなんかいうなれば何の仕事をしてたってあるんだから同じっちゃ同じだけどもね。
トラックの運転手してたって事故に遭うかもしれないし、八百屋さんでも消防士さんでもルチャドールでもなんだって一緒だもんな。
今は日本でもご当地プロレスの時代で、それも元は一線級の選手が教えてくれたりするのでこうした新しい芽も出てきて、あと何年もすればそういう若手選手が育って、やがてまた主流になって各地に散らばって…なんてことを考えると楽しいね。
たとえ本当に諦めてしまったりはしないまでも、悩んだり苦しんだり迷ったりすることは沢山あると思うし、それもまた他で何をしてたって同じこと。悩みの原因だとか仕事の内容が違ってても、同じようになるものなんだなと今となっては思う。
ちょっと前までは、こんな仕事でいっちょ前に悩んだりするなんて情けないなー、とか思ってたけど、おそらくそれは現実逃避とか都合のいいタラレバであって。
何をしててもそこを乗り越えられなければ結果は同じだと今は思う。
このバカでもバカなりに32歳っぽいことを思ったり考えたりするようになった(遅いとか頭悪いとかはまた別として)わけなんだけど、それは曲がりなりにも会社員なんぞをなんだかんだ十年くらいやってたお陰、クソみてえなつまんねぇ仕事をやってきたお陰さんでもあって。
それが感謝とか遣り甲斐とかそんなステキワードで塗り固められるかったら全然そんなことはねえし、無職じゃなく一応は税金と年金収めて生きてられたってだけのこと。
生来貰えるかはわかんねえけど今払わねえとタダじゃおかねえっていう、みかじめ料みてえのを滞りなく払えてないとダメなわけで、まあそういうことは出来てた。
その先にまたやりたいこと、行きたい場所、見たいもの、会いたい人、お店、そういうものがある。
だからまあ、お金より遣り甲斐で仕事を選ぶようなバカな真似は誰もしてないし、若者はそういう傾向にある、ってことにしたがってる連中もバカではあるけど、そんな馬鹿どもの相手をしたり、ホントに騙されてるんだかアッパラパーなんだか
「お金より遣り甲斐のある仕事を」
なんて寝言ぬかしてるキラキラお目目のボンクラに比べたら、自分の道が自分で決まってて、そのために行動を起こしてて、遥か海の向こう、地球の反対側、時差が15時間もある遠い国メヒコの大聖堂アレナ・メヒコを今からしっかり見つめているのならば。
よそ見してもいい、下を向いてもいい、涙でにじんでも、思わず目を閉じてしまってもいい。
幾らどんな嵐があったって、君の目の前にはいつも燦然とルチャ・リブレの殿堂がある。
ルチャ・リブレを愛するあの少年に加護があらんことを祈る。
私の諦めた夢はさておき。そういう少年が居ると思えば、世の中捨てたもんじゃねえな。と思う。
2021年には無事に高校合格し、また一つ階段を上った彼のことを今でも注目しつつ心配しつつ応援している…!
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