940 / 1,301
#2011年3月11日14時46分あなたはどこで何をしていましたか
しおりを挟む
トラックで寝てた。当時、ガス屋さんで配送の仕事をしていて、早く終わっちゃったんで豊橋港のすぐそばの緑地公園にトラックを停めて寝転がってたら…車体がやたらに揺れるんでおかしいなと思って起き上がった。元々そこは風が強く吹き付ける場所でもあったから、風でトラックが揺れること自体は、よくあることだった。でも、あの日は違った。
ゆらーー、ゆらーー、ゆっさ、ゆっさ……
って、物凄くゆっくり、ゆっっくり揺れて、それもずーーっと、ゆーーっくり揺れてた。地面の底の方から揺さぶられてるようで、あの日の空も薄暗くて、なんだか気味が悪かった気がする。なんか変だな、と思った。そしたらすぐに防災無線が流れた。
ウーーーッ、ウーーーッ、ウーーーッ、って不気味な、イヤーな音のサイレンで、聞いたこともない音色だった。それが何度か繰り返し流されたあとで、地震と津波に関しての放送が流れた。だだっ広くて風通しのいい神野ふ頭のあちこちに立ってるスピーカーからディレイがかかって流れる無線とサイレン。会社はそこからすぐ近くだったから、取って返して事務所に入ると、みんなテレビに釘付けだった。私もその輪に加わった。その時に見たのは、ホントに
ウソだろ……
と思うような光景だった。それだけは覚えている。その後本当に、ここ愛知でも色んな影響が出た。仕事も、生活も、考え方もだいぶ変わった。
少なくとも備えることだけは考えて、今でも備蓄を絶やさないようにしたり、古い家屋は建て直したりしている。
何をどうしろ、とか、アレを見ろコレを考えろ、と言われても困ってしまうし受け止めきれないけれど
実は当時、あの日から暫く経ってからmixiで言われたんだ。この映像を見てください!コレを見るべき!って。見たけど、どうしたらいいやら……その感想を、彼女らに伝えてどうなのか、何を言ったところで自分の感想が彼女らのお気に召すわけもなく、困り果ててしまった。でもあの時に死ぬほど困ってた人達に、それを言えるわけもなく。ただ、その彼女にくっつくように私を責め詰った奴がフツーに愛知の西の方の人だったのも覚えてる。なんでアンタまで私に?私の家から50キロも離れてないとこ住んでるのに???
大正義ってのは気持ちがいいねえ
と、そいつに対しては思ったけど、そんなこと思ったり、今さらココで白状出来てるのも、とりあえず不自由なく暮らせているからだしなー…元気かな、あの東北の別嬪さん。
あの時は本当に困った。言われるがまま見たことも後悔した。見たってキツイだけで、私には受け止めきれないし得るものも無かった。恐怖や、あなたの何か得体の知れない感情を押し付けられて、よく言えば言葉もなかった。悪く言う必要はないと思うから割愛。
誰かに何かをぶつけなきゃやってられなかったのなら私で良かったのかも知れない、と思う。あの当時の私が今よりずっと未熟だったのは確かだし、あれからどれだけ人間として熟して来れたかはわからない。
ただ、結局は受け止めなくてはならない現実や問題が今でも山ほどあるのもわかる。
それをあれこれ噛みついたり叫んだり喚いたりするのじゃなく、やっぱり、くだらねえ毎日でも、出来る限りフツーに暮らすしかないし、そのなかで余裕があれば備えたり貯えたりすることも必要だと思って、実際そうしている。自分なりにて。死ぬまで杞憂であってくれ、と正直、思う。どこの誰にとっても。
自分にとっては、今もってそれが精いっぱいだし、忘れようったって忘れられないことだからこそ、普段そっと胸に仕舞っておいて、機会を作って思いを確かめたりアップデートしたりすることが大切だと思っている。
ゆらーー、ゆらーー、ゆっさ、ゆっさ……
って、物凄くゆっくり、ゆっっくり揺れて、それもずーーっと、ゆーーっくり揺れてた。地面の底の方から揺さぶられてるようで、あの日の空も薄暗くて、なんだか気味が悪かった気がする。なんか変だな、と思った。そしたらすぐに防災無線が流れた。
ウーーーッ、ウーーーッ、ウーーーッ、って不気味な、イヤーな音のサイレンで、聞いたこともない音色だった。それが何度か繰り返し流されたあとで、地震と津波に関しての放送が流れた。だだっ広くて風通しのいい神野ふ頭のあちこちに立ってるスピーカーからディレイがかかって流れる無線とサイレン。会社はそこからすぐ近くだったから、取って返して事務所に入ると、みんなテレビに釘付けだった。私もその輪に加わった。その時に見たのは、ホントに
ウソだろ……
と思うような光景だった。それだけは覚えている。その後本当に、ここ愛知でも色んな影響が出た。仕事も、生活も、考え方もだいぶ変わった。
少なくとも備えることだけは考えて、今でも備蓄を絶やさないようにしたり、古い家屋は建て直したりしている。
何をどうしろ、とか、アレを見ろコレを考えろ、と言われても困ってしまうし受け止めきれないけれど
実は当時、あの日から暫く経ってからmixiで言われたんだ。この映像を見てください!コレを見るべき!って。見たけど、どうしたらいいやら……その感想を、彼女らに伝えてどうなのか、何を言ったところで自分の感想が彼女らのお気に召すわけもなく、困り果ててしまった。でもあの時に死ぬほど困ってた人達に、それを言えるわけもなく。ただ、その彼女にくっつくように私を責め詰った奴がフツーに愛知の西の方の人だったのも覚えてる。なんでアンタまで私に?私の家から50キロも離れてないとこ住んでるのに???
大正義ってのは気持ちがいいねえ
と、そいつに対しては思ったけど、そんなこと思ったり、今さらココで白状出来てるのも、とりあえず不自由なく暮らせているからだしなー…元気かな、あの東北の別嬪さん。
あの時は本当に困った。言われるがまま見たことも後悔した。見たってキツイだけで、私には受け止めきれないし得るものも無かった。恐怖や、あなたの何か得体の知れない感情を押し付けられて、よく言えば言葉もなかった。悪く言う必要はないと思うから割愛。
誰かに何かをぶつけなきゃやってられなかったのなら私で良かったのかも知れない、と思う。あの当時の私が今よりずっと未熟だったのは確かだし、あれからどれだけ人間として熟して来れたかはわからない。
ただ、結局は受け止めなくてはならない現実や問題が今でも山ほどあるのもわかる。
それをあれこれ噛みついたり叫んだり喚いたりするのじゃなく、やっぱり、くだらねえ毎日でも、出来る限りフツーに暮らすしかないし、そのなかで余裕があれば備えたり貯えたりすることも必要だと思って、実際そうしている。自分なりにて。死ぬまで杞憂であってくれ、と正直、思う。どこの誰にとっても。
自分にとっては、今もってそれが精いっぱいだし、忘れようったって忘れられないことだからこそ、普段そっと胸に仕舞っておいて、機会を作って思いを確かめたりアップデートしたりすることが大切だと思っている。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる