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さよなら竜隊長
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ウルトラマンエースで竜五郎隊長を演じた、瑳川哲朗さんが亡くなられた。84歳。高齢者施設での病死、となると、もうこれは仕方がない。寂しいけれど、これからのこの国や社会を考えたら、今の基準じゃ幸せというか、ずっといい旅立ちだったのだろうと、思うしかない。
だって、その年まで生きて、周囲にはケアしてくれる人たちがちゃんといる場所で、手を尽くされた結果、見送ってもらえたわけで。お疲れ様でした、ありがとうございました。と、静かに手を合わせている次第です。
切っ掛けはウルトラマンエース、北斗星司こと高峰圭二さんのTwitterでの一報だった。そうなのか、と思って、その時もショックだったけど、やっぱりちゃんとニュースになっちゃうを実感せざるを得ず、寂しいなあと思っています。
私は今34歳。1986年生まれで、ウルトラマンエースは再放送で見た。当時なぜか家にBSが入って、そこで流れてたのを見たのが4歳か5歳の頃だった。生まれて初めて見たウルトラマンがエースの、バクタリの回だった。だからもう南夕子は居なかったし、北斗さんが一人でトアーッ!と変身していた。そこから超獣人間コオクス、ドリームギラス、サウンドギラー、バッドバアロン(思い出した順)ときて、あの虹超獣カイテイガガンに出会った。
カイテイガガン大好きなんだよ私。お話も悲しくて、寂しくて、救いがないのをウルトラマンエースが強引に引き受けていくじゃない?
あのお姉さん役を、ウルトラシリーズじゃ常連でレオでモモコさんをやる山田圭子さんが演じている。
まあ賛否両論というか、あんまり評判のいい話じゃないんだけどね。細かい事言い出すとキリないから、私はコレが好きで。
カイテイガガンって、魚だか貝だかなんだかわからない姿をしていて。あんな意味の分からない巨大な生き物が海からザザーっと出て来て、海洋汚染の恨み怒りに任せて暴れまわるって、もうそれでいいじゃん。サイコーだよカイテイガガン。ホントに明日ザザーっと出て来たら困るけど。
快晴の青空、無人の漁村に響く非常サイレン、そこで戦うウルトラマンエースと超獣カイテイガガン。カイテイガガンも相当だけど、ウルトラマンエースだって異星人であり異形に変わりはないわけで。この何とも言えない、考えれば考えるほど脳がウンニョリしてくるのが割と気持ちいいんだな。
そんな風にウルトラマンエースを浴びちゃった私は、コレ全部見たい!とダダをこね、おばあちゃんにお願いして近所のレンタルビデオ屋さんでウルトラマンエースをドッサリ借りてもらった。今はアマプラとかYouTubeの公式チャンネルとか、なんかどっかで機会があれば見れるけど、あの当時はレンタルビデオしかなかった。セルビデオもあったんだろうが流石にそんな贅沢まではさせてもらえなかった。レンタルビデオどっさり、も当時にしちゃ破格の贅沢だったわけだけど。
ウルトラマンエースはハチャメチャで、豪華で、派手で、時々やたら怖くて、恐ろしくて、だけどいつも強くて(たまに負けるけど)
そんなウルトラマンエースの日常には、いつもTACの仲間が居て、竜隊長が居て。
エースの次は必然的にタロウを見始めるわけだが、そこにはナレーションとしても参加されていて。レオもそうだったかな?
私の中では、幼少期に浴びたウルトラシリーズのなかでいつも、竜隊長もとい瑳川さんの声が響いていたわけだ。タロウの時は結構優しく語り掛けるようなナレーションで、あれが良かったんだろうな。多少こう、思春期なんかになるとあれが鼻につく時期もあるんだけど、一周回ってくれば、もうあれはあの感じじゃなきゃならなかったと思うようになる。必然性に気付くのは、いつもその必要なものを手放してから。
DVDや冊子は、何度でも見直したり手に取ることが出来るけど、ご本人にも、自分たちにも、時間は必ず流れているわけで。それを逆行していくことは出来ない。ダイダラホーシと戦う時のウルトラマンエースでも無ければ。
竜五郎隊長がウルトラマンエースに変身する物語じゃないのに、竜五郎隊長の存在感や安心感は大きかった。傲慢で自己チューな高倉長官のドテッ腹にワンパンくれて黙らせたり、お前はお前を信じなさい♪のときの優しい嘘だったり、思い出せば小さな名場面が沢山あるよね。
34歳にもなると、本人と役柄を過度に同一視しちゃいけないかな、とも思うんだけど。私の中では子供の頃、地球を守ってくれてた人だったから。
竜五郎隊長、ありがとうございました。
おつかれさまでした。
牧場の緑を左右に分けて飛び立つ光るマシンで、無事に銀河連邦をはるかに超えてゆかれますように。
だって、その年まで生きて、周囲にはケアしてくれる人たちがちゃんといる場所で、手を尽くされた結果、見送ってもらえたわけで。お疲れ様でした、ありがとうございました。と、静かに手を合わせている次第です。
切っ掛けはウルトラマンエース、北斗星司こと高峰圭二さんのTwitterでの一報だった。そうなのか、と思って、その時もショックだったけど、やっぱりちゃんとニュースになっちゃうを実感せざるを得ず、寂しいなあと思っています。
私は今34歳。1986年生まれで、ウルトラマンエースは再放送で見た。当時なぜか家にBSが入って、そこで流れてたのを見たのが4歳か5歳の頃だった。生まれて初めて見たウルトラマンがエースの、バクタリの回だった。だからもう南夕子は居なかったし、北斗さんが一人でトアーッ!と変身していた。そこから超獣人間コオクス、ドリームギラス、サウンドギラー、バッドバアロン(思い出した順)ときて、あの虹超獣カイテイガガンに出会った。
カイテイガガン大好きなんだよ私。お話も悲しくて、寂しくて、救いがないのをウルトラマンエースが強引に引き受けていくじゃない?
あのお姉さん役を、ウルトラシリーズじゃ常連でレオでモモコさんをやる山田圭子さんが演じている。
まあ賛否両論というか、あんまり評判のいい話じゃないんだけどね。細かい事言い出すとキリないから、私はコレが好きで。
カイテイガガンって、魚だか貝だかなんだかわからない姿をしていて。あんな意味の分からない巨大な生き物が海からザザーっと出て来て、海洋汚染の恨み怒りに任せて暴れまわるって、もうそれでいいじゃん。サイコーだよカイテイガガン。ホントに明日ザザーっと出て来たら困るけど。
快晴の青空、無人の漁村に響く非常サイレン、そこで戦うウルトラマンエースと超獣カイテイガガン。カイテイガガンも相当だけど、ウルトラマンエースだって異星人であり異形に変わりはないわけで。この何とも言えない、考えれば考えるほど脳がウンニョリしてくるのが割と気持ちいいんだな。
そんな風にウルトラマンエースを浴びちゃった私は、コレ全部見たい!とダダをこね、おばあちゃんにお願いして近所のレンタルビデオ屋さんでウルトラマンエースをドッサリ借りてもらった。今はアマプラとかYouTubeの公式チャンネルとか、なんかどっかで機会があれば見れるけど、あの当時はレンタルビデオしかなかった。セルビデオもあったんだろうが流石にそんな贅沢まではさせてもらえなかった。レンタルビデオどっさり、も当時にしちゃ破格の贅沢だったわけだけど。
ウルトラマンエースはハチャメチャで、豪華で、派手で、時々やたら怖くて、恐ろしくて、だけどいつも強くて(たまに負けるけど)
そんなウルトラマンエースの日常には、いつもTACの仲間が居て、竜隊長が居て。
エースの次は必然的にタロウを見始めるわけだが、そこにはナレーションとしても参加されていて。レオもそうだったかな?
私の中では、幼少期に浴びたウルトラシリーズのなかでいつも、竜隊長もとい瑳川さんの声が響いていたわけだ。タロウの時は結構優しく語り掛けるようなナレーションで、あれが良かったんだろうな。多少こう、思春期なんかになるとあれが鼻につく時期もあるんだけど、一周回ってくれば、もうあれはあの感じじゃなきゃならなかったと思うようになる。必然性に気付くのは、いつもその必要なものを手放してから。
DVDや冊子は、何度でも見直したり手に取ることが出来るけど、ご本人にも、自分たちにも、時間は必ず流れているわけで。それを逆行していくことは出来ない。ダイダラホーシと戦う時のウルトラマンエースでも無ければ。
竜五郎隊長がウルトラマンエースに変身する物語じゃないのに、竜五郎隊長の存在感や安心感は大きかった。傲慢で自己チューな高倉長官のドテッ腹にワンパンくれて黙らせたり、お前はお前を信じなさい♪のときの優しい嘘だったり、思い出せば小さな名場面が沢山あるよね。
34歳にもなると、本人と役柄を過度に同一視しちゃいけないかな、とも思うんだけど。私の中では子供の頃、地球を守ってくれてた人だったから。
竜五郎隊長、ありがとうございました。
おつかれさまでした。
牧場の緑を左右に分けて飛び立つ光るマシンで、無事に銀河連邦をはるかに超えてゆかれますように。
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