上 下
673 / 1,301

第671回。#このタグを見た人はアルバイト歴を晒せ

しおりを挟む
そう言うタグを見かけたので書いてみる。

最初はガソリンスタンド。高校1年の4月末から早速始めた。
校則でダメ、なんてとこもあるかもしれないけど(まあみんなフツーに働いてたけど)私の場合は定時制高校に一番近い掃きだめ、なのでバイトはむしろ奨励されていた。するもんだ、ぐらいの勢い。
もちろんそうじゃなく勉学に勤しんで大学まできちんと行った人もいるので何もしなきゃいけないとは言わないけど、色んな理由で普通の高校に行きにくかった人からしたら普通の高校で無理するよりこっちでわりと自由にやってるほうが良かったりもする。
その「色んな理由」の中でも「果てしなくバカなので学校で座ってるより働いてる方が生産的だし向いてる」連中というのが結構な割合で存在していて。まあ私ですわな。じっとしているのは2秒が限界、くらいの集まりなのでガソリンスタンドの店先を駆けずり回ってる方が性に合っていた。

このガソリンスタンド、今でもお世話になっていて可愛がっていただいている。
高校2年の冬前ぐらいまで続けていたので学生のバイトにしちゃ結構長かった方だ。
昔ながらの窓ふきや灰皿掃除、店を出るときはお見送りまでやるフルサービスのスタンドで、今もこのスタイルを守り続けている。
この頃ちょうどセルフサービスのスタンドが台頭して来たけど、今にして思えばよっぽどの立地じゃないとそんな安くならない、不親切なうえ押し売りだけはされる、ってな店もあったりするんでまあどっちがイイかとは言い難くなったな。
自分がフルサービスで働いてるときは
(世の中にはセルフサービスの店もあるのに…)
と思ったけど、自分がセルフサービスの店のくせに表示価格より全然高くて不親切な仕組みだったうえ洗車プリカや会員カードの勧誘をしつこくされたりすると
(んなもんならフルサービスでいいじゃん)
と思うんでまあゲンキンなものだ。

その次がトイザらス。
これも今じゃ通販に取って代わられたねえ。少なくとも我が町では。
家電量販店やネット通販に押されて閉店しちゃったけど、今からちょうど15年ぐらい前のトイザらスはもう繁忙期は戦場、閑散期は古戦場って感じだった。まあーただでさえ道路民度が石器時代の愛知県で繫忙期のトイザらスの駐車場なんかもう白亜紀ですわ。ひでえもんです。
結構楽しかったし、その当時の店長がとてもイカしたオジサマって感じで居心地も悪くなかったなと思います。私がいたストアーと呼ばれるセクションはゲーマーや地味なお兄さんが多いところだったので、それが大きかったかな。パートのおばちゃんや同い年ぐらいの若い女性が多いセクションだったら、きっともうちょっと大変だったかなと思うもん。みんないい人だったけど、私が誰ともしがらみを持ってなかったからだと思うし。私はストアーの薄暗い倉庫やゲーム置き場でボソボソとメタルギアソリッドやHALOの話をしているのが好きだった。

トイザらスと並行して、メキシコでの生活費や小遣いを稼ぐためにココストアの夜勤を始めた。高校3年のラスト4か月ぐらい。
近所で昔からやってるお店だったので顔見知りどころか子供のころから知っているってんで面接なんかすぐ終わった。まあどうせ何か問題があったところで身元も祖父母の馴れ初めまで割れてんだしな。
ココも楽しかった。
何しろ近所はお役所や銀行、会社が多いんで夜9時以降はお客さんも滅多に来ない。
来ても近所のおっちゃんおばちゃんや、スナックのお姉さんとかだった。
またその近所のお客さんにしたって顔見知りなので気楽なもんだった。
午前0時で完全に閉店するんで、閉店間際なんか店のおばちゃんとこのお店が出来た当時の話とか、刃物を持った強盗に遭った話とか聞いてた。
有線放送も好きにいじってよかったので洋楽を流してたなあ。一度ヘビメタにしたらそれはやんわり怒られた。

メキシコから帰ってきてすぐは派遣社員で車の部品工場に居た。ここはみんないい人だったけど自分があまりに幼稚で、そのうえ工場の仕事が合わなくてやめてしまった。やめてからも連絡をくれた人もいて、今でも凄く申し訳なかったなと思う。
その次のバウムクーヘン工場はその真逆であんまり嫌いなんで辞めてしまった。こっちはあとでその工場の前工場長にその話をしたら爆笑しながら頷いていた。今でもその会社のバウムクーヘンは食べない。

そっから色々やったなあ。サカイ引越センターは短期バイトで入ったけど今でも重いものを運ぶときは役に立つし楽しかった。よくご祝儀や差し入れを頂いたっけな。
一度、コンビニのお弁当を作る工場を経営している人のお引越しに当たったことがあって。
その日のお昼になったら、奥さんがお弁当やおにぎり、サンドイッチを山ほど持ってきてくれて
「あのー、良かったらお昼にどうぞ…」
なんて、まあ、大盤振る舞いでねえ。食った食った。余ったのは持ち帰らせてくれたし。
有難かったなあ。
その次が事務機器屋さんの営業でこれは正社員。
その次から暫くバイトを色々やってた。近所のスーパーで品出しと搬入の早朝バイトとか、派遣の港湾労働者、ゼンリンの地図調査員、セルフサービスのガソリンスタンドでもバイトしてみた。その次に入った会社で5年ぐらい勤めて今に至る。
色々やったなあ。もう一度やれ、と言われて一番きついのは…引越し屋さんとゼンリンの地図調査員、かなあ。
フルサービスのガソリンスタンドもキツイと思う。
今でも夢に見るもん。怒られたり失敗したときの。

意外とあの部品工場は本当に良かったんじゃないかな…と思うことも増えた今日この頃です。
向き不向きと会社の良し悪しは、また違うとも思いたいけど。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...