不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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第640回。#松山座 観戦記「青木いつ希選手」編。

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皆さんこんばんは!!
ダイナマイト・キッドです。
今回から暫く、2018年11月4日に大阪は西成区民センターにて開催された闘龍門出身で私の先輩でもあるプロレスラー・松山勘十郎選手(通称・座長)による
大衆プロレス松山座2018年特別公演
「松山流女子祭典~巻之七~」
の模様をお伝えします。早い話が暫く延々とプロレスの話すっから!

初めての方にもマニアの方にも是非ご覧頂いて、プロレスの松山座ってのは面白そうだな、とか思って頂ければ幸いです。

さて松山流女子祭典とは、ご自身が猛烈なプロレスマニアであり女子プロレスにも非常に造詣の深い座長が開催する年に一度の女子プロレス西のオールスター戦。
選手として、マニアとして、主催者として。
様々な視点から座長のお眼鏡にかなった選手や、伝説的な有名選手から現役バリバリの強豪選手までバリエーション豊かな選手を招集し開催されます。

そしてその女子プロレスの祭典において、昨年行われた松山流女子祭典巻之六に大抜擢を受け出場したのが表題にあるデビュー間もない青木いつ希選手でした。
そしてその青木いつ希選手を一目見て以来、今日も昨日よりさらにベタ惚れし毎日その最高指数を更新し続けている男が私キッドなのです。

とまあ、ここまでイントロ。既に文字数は500超えてるけど当然ノーカンですよ。

2017年の青木いつ希選手は現役バリバリの強豪・松本浩代選手と激突。
松本選手がモチーフにしているゴジラさながらの暴れっぷりの前にモノの見事な玉砕。
ある意味、新人離れしたその散りっぷりにいたく感銘を受けてしまったキッドさん。
その時の模様をココに書いて公開したところ、青木いつ希選手ご本人を始めご家族の皆様にもご覧頂けたということをお聞きしました。ありがとうございます!!

それからというもの、なんと今年の2月には我がホーム愛知県は名古屋市内にて、地元団体のマッチメイクでこれまた私が大好きな藤田あかね選手とシングルマッチが行われることになり。
さらにさらに真夏に遊びに行った大阪でもちょうど同じ日に、私の大好きなプロレス団体が開催する昼夜興行に出場することがわかり。
この二つに関しては応援に行って記事を書きました。そのたびに思うのは、超可愛いとか、すげえ好きとか、そういうの以外だと本当に言葉にならない
「感情を直接、脳の深いところをガツンと揺さぶられる」
という感覚がある、ということ。
青木選手の試合にはどんなときも「エモーション」のプロレスが確かにある。
プロレスとはサイコロジーだ、と世界的プロレスラーのTAJIRI選手は言っている。
青木いつ希選手は天然のサイコロジストなのかもしれない。
見るものを惹きつけてやまない魅力を持っている。愛されて、背中を押されて、結果ボッコボコにされて負けても自分の価値が下がらないどころか株を上げる一方の選手、いやそういう人物は珍しい。
負けるからいいとか、勝てなくてもいいとか、そういう意味じゃなく。
勝ち負けを超越したドラマを秘めた選手であることが確かだ、という意味。

今回の女子祭典では同じく2017年デビューの選手が集まっての2対2のタッグマッチ。
青木いつ希選手のパートナーは名古屋から長身でスタイル抜群な沙恵選手。
対戦相手には若きチャンピオンの笹村あやめ選手と、コスプレが趣味という水落麻衣選手。
入場してくるなり元気いっぱいの青木いつ希選手。
いつも試合前には誰より大きな声で
お願いしまああああああああああす!
と叫んで握手を求める。コレでもう勝ちである。
だって、握手したら「まんまと」だし、しなきゃしないで青木選手が美味しい。
これは良い手だ。巧さとか魅力が増したのだと思う。

試合は水落選手が捕まる展開に。
大物との対戦経験豊富な青木選手、長い手足にこれまた新人らしからぬ度胸で思い切ったキックを放つ沙恵選手。
さらにパワフルで動きのキレも抜群の笹村選手と強敵揃いで、少し線の細い水落選手が狙われてしまったのは当然と言えば当然。しかし、青木・沙恵両選手の猛攻を凌ぎ切った水落選手からタッチを受けた笹村選手は、なんというかモノが違った。

小柄で人懐っこい顔たちで、パッと見は明るく可愛らしい女性なのだけれど…これがリングに上がって対戦相手をひと睨みすると雰囲気が豹変。リング上のピンと張り詰めるような緊張感がぐっと増してゆく。
正直言えば青木選手も沙恵選手も新人離れした部分はある。
だけど、笹村選手は一枚上手だった。これがチャンピオン、と言うことなのだろう。
その同期でチャンピオンでもある笹村選手に果敢に挑む青木選手も今日まで数々の強豪とブチ当たってきたこともあって動きでは引けを取らない。
むしろ試合前の握手の段階から競り合っていた勢いそのままにバッチバチの好勝負。
第一試合から会場は完全に出来上がってしまい、その雰囲気を作り出したのは間違いなくこの二人だったと思う。

青木選手について気づいた点を一つ挙げると技が確実に増えている。
「出来ない技、覚えたての技でも積極的にチャレンジ」ではなく、一つ一つ着実に自分のモノにしつつあるな、という感じがした。
あのラリアット、走り込む姿勢や当たった時の音なんかすごくカッコよかった。
私はプロレスを見ることは人一倍好きだけど、別に技や技術についての専門知識は無い。その辺のマニアがちょっとメキシコまでわざわざ行ってきただけだ。だから詳しいことは全然知らないけど、あのラリアットがもっと磨かれたら、強力な武器になると思う。
最初にパンフレットに書かれていた青木選手の得意技は「タックル」
画像の粗い宣材写真。
そんな昨年11月の玉砕劇からちょうど1年。確実な成長を遂げた青木選手だったが笹村選手の強烈な必殺技で敗れてしまった。

チャンピオンとして堂々たる試合を見せた笹村選手はもちろん天晴だけれど、そういう試合を「させた」のは激しいぶつかり合いを繰り広げて見せた青木選手だったと思うし、沙恵選手の縦横無尽な暴れっぷり、パートナーの水落選手の粘り強い奮闘でもあったわけで。

ただ今回の試合では直接勝敗に関わるまで戦い続け、最後は豪快に叩きつけられてしまったものの、私にとって最も輝かしい光を放っていたのが今日も青木いつ希選手だった、というお話。
単なる若手同士の試合ではなく、それぞれの選手に多大なる可能性を感じる試合でした。


この日の私の座席は会場の舞台側で、目の前に選手がリングに上がる階段があった。
そこで座長のお弟子さんである黒子さんと一緒にセコンド業務を行っている青木いつ希選手もずっと目に入っていた。
何度も言うけど私はそういうプロレスの実務みたいなのは全然わからない。
ただ視界に入るだけで幸せではあるのだけれど、じろじろ見るのも申し訳ないので…チラチラ、くらいは見ておりました。するとやっぱり目端が利くというか、走って走って小まめに働いていたように見えました。本当に試合だけじゃなく、むしろそれ以外の事で大変な仕事が沢山あると思います。
私は寮にいても、なんかそういう雑多な事が凄くしんどい時がありました。そしてしんどいと思ったままやめちゃいました。

いまこの年になってただのファンであることをこんなに悔やんだことはありません。
売れなくても不人気でも下手糞でも、デビューして現役なら同じ場所に立てたかもしれない。
マニアックで気持ち悪い、イヤな先輩になってたかもしれないけど…(笑)

ちなみに休憩時間に物販コーナーでポートレートを購入しサインを入れていただきました。
おにぎりを頬張って何とも言えない表情をしているのを見て、即決購入でした。
本当に竹を割ったようなスカっとする試合を見せてくれるのとは裏腹に、なんだか鋭いんだかぶっ飛んでるんだかわからない感性の持ち主でもある青木いつ希選手。まあそういうところも可愛いのだけれど…。そして彼女の物販の列が途切れないのは人気もさることながら、一人一人に丁寧な会話とサインをしてくれているからというのもある。私のころも覚えてくれて、丁寧なサインを書きながらあの仏様のようなニッコリしたスマイルで話してくれるのがとても嬉しいです。

まあそれはともかく、私は今も昔もただのファン。
そんな他のお客さんと一緒に、青木いつ希選手が戦い続けてくれる限り、それを見守ることしかできないし、私が揺さぶられたエモーションも彼女が
青木いつ希
である限りの想いでしかない。
だけど、こんなに素晴らしい選手は本当に中々出てこないと思うので、是非これからも、いや、いつまでも希望を持って戦い続けてほしいと思いました。

次は誰と戦ってくれるんだろう。
アジャ・コング様とか、WWEのASUKA選手とか、超大物にどんどん当たって行ったら面白いなあ。
もしくは、青木いつ希選手VSめぃりぃ選手VSフェアリー日本橋選手という三つ巴マッチに放り込まれるとか…。
超大物選手の必殺技を食らうのと、自己紹介&魔法の波状攻撃はどっちがきついんだろうか。
見たいのは後者、かな…。
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