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第613回。キッドさんは小説が好き
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皆さんこんばんは!
ダイナマイト・キッドです。
今日の深夜エッセイ・キッドさんといっしょ。は、小説のはなし。
深夜エッセイってのはこないだツイッターしてたら急に思いついたのでつけてみました。
深夜ラジオとか深夜放送とかいうなら、ここは深夜1時に更新するんで深夜エッセイ。
そもそも深夜ラジオみたいな雰囲気にしたくてわざわざそんな時間に更新するように予約投稿してるぐらいだから、当然っちゃ当然で改めて言うことでもないのかもしれないけど。
で、そんな深夜エッセイとして今日もコレを書いているその源泉となったそもそもの切っ掛けは何なのか。キッドさんの脳内油田にゼア・ウィル・ビー・ブラッドしたのは一体いつなんのときだったのか。
皆さんの初体験がいつだったのか、早いのか遅いのかわからないけどキッドさんは小学校4年ぐらいでした。小説とかそっちのね。初めてちゃんと読んだのは椎名誠さんの
あやしい探検隊 海で笑う
でした。
なんの初体験だと思ったんだよ。そっちは中2だよ。
聞いてねえか。
でね、我が家は母が色んな小説を読んでて。文庫本で幾つもの本棚にぎっしり並んでた中から
「この人、プロレス好きでよくプロレスの話も出てくるから読んでみれば」
と貸してくれたのがあやしい探検隊シリーズでした。
読んでみると小説というより旅ルポで、サンゴ礁の写真とか、キャンプとか、焚火とか、色んなことをしている。小説家というより漁師さんみたいな長髪パーマ頭でがっしりした体格の男が椎名誠さんで、そのガタイの良さも相まっていっぺんにファンになってしまった。
何しろ文章は柔らかく、難しいことはあまり言わない。
砂漠でも地球の反対側でも氷河でもサンゴ礁でもインドでもトルコでも、とにかく隙あらばどこへでも出かけていってしまう。モンゴルの大草原で馬を走らせたり、シベリアで犬ぞりに乗ったりもしていた。
この「シベリア追跡」という本は私的に椎名さんの旅ルポ作品の中でも五指に入る傑作で、極寒の大地で缶詰にされたり缶詰を食べたり、馬のしょんべんより不味いというビールを飲んだり、旧ソ連の体制に翻弄されたりと一冊の中にその当時の様子が克明に刻まれている。
やっぱり自分の行ったことない場所、知らない世界を居ながらにして知ることが出来るというのが太古の昔からある本のあるべき姿だと思うわけで。
このシベリア追跡、そしてパタゴニアは私の中では傷害のベスト10にも入るお気に入りの中のお気に入り。
その後もシーナワールドにどんどんハマり、アド・バードや武装島田倉庫を読んで、それとデヴィッド・リンチやテリー・ギリアムの映画や魔夜峰央先生のマンガなどが絡み合って、脳内でドロドロに溶けた別の新しい何か、を私はいま生み出そうと時折書き出している。そのぐらい、椎名誠さんの影響は初めて読んでから20年以上経った今も活き続けている。
その次は学校の図書館にあった江戸川乱歩やシャーロックホームズ。
あと海外のSFミステリなんかも結構置いてあった。
少林寺拳法が好き、で書いたように友達を失くしたあとは図書館に入り浸り、そこでずーっと本を読んでた。しまいには教室にも入らず、学校の屋上に続く階段に本をどっさり持ち込んで日がな一日そこで読んで日が暮れたら帰っていた。デタラメだがそうしていた。学校は欠席扱いだった。
中学に入ってプロレスとか柔道とか、そっちに興味の幅が広がると、小説と並行してプロレスラーの自伝や週刊誌も読むようになった。
小説は相変わらず椎名誠さんが好きで、その頃にはちょっと憂鬱でじっとりした話も読むようになってた。椎名さんの小説にはひどく伏し目がちで暗ぼったい、冷たい感触の作品も少なくない。
春画とか長く素晴らしく憂鬱な一日とか犬の系譜とか…。そういうのもグイグイ読んでいったし、どくとるマンボウ航海記や、遠藤周作の深い河、太宰治も幾つか読んだ。けどあれは、あんまりハマらなかった。結局モテて実家が金持ちなんじゃん、と思ったらなんか冷めちゃった。いまだにたまに芥川龍之介と混同するぐらい私には文学的素養が無い。そういうものが形成される時期に、どっぷりプロレスだの柔道だの少林寺拳法だのやってたわけだし、両方いっしょくたに好きでいるだけでも上出来だろうと自分では思う。緩めの文武両道。それには椎名さんの小説は打ってつけだった。楽しくて、不思議で、憂鬱で、冒険があって日常があって…。
太宰にハマってあんな感じにショボくれてる奴も、江戸川乱歩にハマってあの世界観ゴリゴリで来る人もいるように、きっと私は椎名さんにハマって平成も終わろうというのに今でも軽薄な文章を書いているのが好きなのかもしれない。
平成軽薄体でもなんでもいいから名乗りを上げる前に平成が終わっちゃうなー。
そんなわけで文学的素養が一切ない男が、小説家になろう、なんていうサイトで深夜にコッソリこんな話をしています。真面目な話に疲れたら、ココでバカな話をしようよ。
待ってるよ!
じゃあまたあした!
ダイナマイト・キッドです。
今日の深夜エッセイ・キッドさんといっしょ。は、小説のはなし。
深夜エッセイってのはこないだツイッターしてたら急に思いついたのでつけてみました。
深夜ラジオとか深夜放送とかいうなら、ここは深夜1時に更新するんで深夜エッセイ。
そもそも深夜ラジオみたいな雰囲気にしたくてわざわざそんな時間に更新するように予約投稿してるぐらいだから、当然っちゃ当然で改めて言うことでもないのかもしれないけど。
で、そんな深夜エッセイとして今日もコレを書いているその源泉となったそもそもの切っ掛けは何なのか。キッドさんの脳内油田にゼア・ウィル・ビー・ブラッドしたのは一体いつなんのときだったのか。
皆さんの初体験がいつだったのか、早いのか遅いのかわからないけどキッドさんは小学校4年ぐらいでした。小説とかそっちのね。初めてちゃんと読んだのは椎名誠さんの
あやしい探検隊 海で笑う
でした。
なんの初体験だと思ったんだよ。そっちは中2だよ。
聞いてねえか。
でね、我が家は母が色んな小説を読んでて。文庫本で幾つもの本棚にぎっしり並んでた中から
「この人、プロレス好きでよくプロレスの話も出てくるから読んでみれば」
と貸してくれたのがあやしい探検隊シリーズでした。
読んでみると小説というより旅ルポで、サンゴ礁の写真とか、キャンプとか、焚火とか、色んなことをしている。小説家というより漁師さんみたいな長髪パーマ頭でがっしりした体格の男が椎名誠さんで、そのガタイの良さも相まっていっぺんにファンになってしまった。
何しろ文章は柔らかく、難しいことはあまり言わない。
砂漠でも地球の反対側でも氷河でもサンゴ礁でもインドでもトルコでも、とにかく隙あらばどこへでも出かけていってしまう。モンゴルの大草原で馬を走らせたり、シベリアで犬ぞりに乗ったりもしていた。
この「シベリア追跡」という本は私的に椎名さんの旅ルポ作品の中でも五指に入る傑作で、極寒の大地で缶詰にされたり缶詰を食べたり、馬のしょんべんより不味いというビールを飲んだり、旧ソ連の体制に翻弄されたりと一冊の中にその当時の様子が克明に刻まれている。
やっぱり自分の行ったことない場所、知らない世界を居ながらにして知ることが出来るというのが太古の昔からある本のあるべき姿だと思うわけで。
このシベリア追跡、そしてパタゴニアは私の中では傷害のベスト10にも入るお気に入りの中のお気に入り。
その後もシーナワールドにどんどんハマり、アド・バードや武装島田倉庫を読んで、それとデヴィッド・リンチやテリー・ギリアムの映画や魔夜峰央先生のマンガなどが絡み合って、脳内でドロドロに溶けた別の新しい何か、を私はいま生み出そうと時折書き出している。そのぐらい、椎名誠さんの影響は初めて読んでから20年以上経った今も活き続けている。
その次は学校の図書館にあった江戸川乱歩やシャーロックホームズ。
あと海外のSFミステリなんかも結構置いてあった。
少林寺拳法が好き、で書いたように友達を失くしたあとは図書館に入り浸り、そこでずーっと本を読んでた。しまいには教室にも入らず、学校の屋上に続く階段に本をどっさり持ち込んで日がな一日そこで読んで日が暮れたら帰っていた。デタラメだがそうしていた。学校は欠席扱いだった。
中学に入ってプロレスとか柔道とか、そっちに興味の幅が広がると、小説と並行してプロレスラーの自伝や週刊誌も読むようになった。
小説は相変わらず椎名誠さんが好きで、その頃にはちょっと憂鬱でじっとりした話も読むようになってた。椎名さんの小説にはひどく伏し目がちで暗ぼったい、冷たい感触の作品も少なくない。
春画とか長く素晴らしく憂鬱な一日とか犬の系譜とか…。そういうのもグイグイ読んでいったし、どくとるマンボウ航海記や、遠藤周作の深い河、太宰治も幾つか読んだ。けどあれは、あんまりハマらなかった。結局モテて実家が金持ちなんじゃん、と思ったらなんか冷めちゃった。いまだにたまに芥川龍之介と混同するぐらい私には文学的素養が無い。そういうものが形成される時期に、どっぷりプロレスだの柔道だの少林寺拳法だのやってたわけだし、両方いっしょくたに好きでいるだけでも上出来だろうと自分では思う。緩めの文武両道。それには椎名さんの小説は打ってつけだった。楽しくて、不思議で、憂鬱で、冒険があって日常があって…。
太宰にハマってあんな感じにショボくれてる奴も、江戸川乱歩にハマってあの世界観ゴリゴリで来る人もいるように、きっと私は椎名さんにハマって平成も終わろうというのに今でも軽薄な文章を書いているのが好きなのかもしれない。
平成軽薄体でもなんでもいいから名乗りを上げる前に平成が終わっちゃうなー。
そんなわけで文学的素養が一切ない男が、小説家になろう、なんていうサイトで深夜にコッソリこんな話をしています。真面目な話に疲れたら、ココでバカな話をしようよ。
待ってるよ!
じゃあまたあした!
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